海外で生活すると日本のものが恋しくなります。結局日本人は日本にいたときから親しんでいた無印良品やダイソーなどに足を運ぶのです。
まるでユニクロのような外見のMINISOというお店にも日本を感じ入りたくなるのですが、これは日本のお店ではありません。
MINISO:日本を装った中国ブランドが世界で成功する秘密
目次
中国と台湾で有名なMINISO
中国と台湾の町という町にMINISOを見かけます。MINISOは日本のダイソーのようにいたるところにある洋服や雑貨を扱うお店です。
外見や看板のデザインがとてもユニクロに似ており、中に入ると日本製と思われる製品が並んでいます。
MINISOは全世界80以上の国や地域に4330店舗もあり、そのうち60%は中国国内にあります。どれほど多くの店舗展開をしているかが分かるでしょう。
世界的にも有名になったこのお店は、まるで日本のお店と思われる要素があふれているのですが、どうしてそう思われているのでしょうか?
店内いたるところに日本アピール
世界に広く広がっている日本風のこのお店が急速に広がって行くことができのは、店内に堂々と「100%日本品質」とうたっていたからです。
三宅順也というちょっとかっこいいデザイナーが会社の設立者とされていて、彼の写真とデザイナーとしてのプロフィール店内に大きく掲げられています。
値札や商品説明などは全て日本語で書かれており、わざわざその日本語のラベルの上に、中国語翻訳文のシールが張られており、外国人から見たら日本製品が輸入(进口:jìnkǒu)されてきているんだ!と感じます。
ところがこのMINISOなる日本風のお店、日本とは全く関係ないのです。
日本とは全く関係のない理由
中華圏にいる日本人は初めこのお店に強い興味を持ちます。日本の店なのかなぁと思って店内を歩きますが、しばらくすると「ん?これは違うぞ」と気づきます。中国人は気づきません。
なぜでしょうか?
yīnwéichǎnpǐn de rìyǔhěnqíguài
因为产品的日语很奇怪
商品の日本語がとってもおかしい
日本人は商品説明を見たら一目、「あ~、これは日本を装った中国産か~」と気づきます。記されている日本語がおかしいからです。
例を挙げますと、商品説明に日本では使われることがない「ゐ」という平仮名が使われていたりします。日本人ならこれは日本製でないとすぐわかりますよね。
MINISOの正体
MINISOは日本を装っていますが、実は中国広州に本社を置く中国の会社です。経営者も中国人でもちろん製品も中国で作られています。
創業者であるとされる三宅さんも「MINISOは中国資本で行なわれていて、経営には携わっていない」と述べておられます。
完全に中国企業なのですが、日本を装う必要があるため、一応MINISOは日本にも存在したことがありました。
本店は東京池袋にしばらく存在していたようですが、変な日本語の製品が日本で売れることはなく数年で閉店しています。現在本店があるとされる銀座の住所に実店舗は存在しません。
世界を旅するとどこでも見かけるMINISOの魅力
MINISOは平仮名にすると「ミニソー」で、実は100ショップの「ダイソー」のダイがミニになっているではないかと気づいた人もいるようです。そう、中国人お得意のパクリから端を発しているのです。
世界を旅行するとこのMINISOはダイソーと同じほどいたるところで見かけることでしょう。
店内は日本の無印良品(无印良品:wúyìnliángpǐn)のように小ぎれいで値段はリーズナブルです。かつ日本製に見えるので商品は海外で飛ぶように売れています。
面白いので、海外旅行でMINISOを見かけたらどんな店舗なのか一度ご覧になってくださいね。
あまり知られてない中国人が爆買いする理由
日本で買い物する中国人のかごには溢れんばかりの高級品が入れられています。どうして中国人はあれほどたくさんの高級品を購入できるのだろうかと思うことはありませんか?
今回は中国人が日本で爆買いしたくなる理由に迫っていきましょう。
中国人の購入力
中国人の購入力は恐ろしいものがあります。
3万円近くするSKⅡフェイシャルトリートメントエッセンスでも友人へのお土産にとして10本以上平気で購入しますし、車選びの際には、値段の高い日本の大型車を惜しげもなく定価で買い付けます。
正直日本経済が回復したのは中国人のおかげでもあることでしょう。では、どうしてあれほど湯水のようにお金を使ってくれるのでしょうか?
中国人が日本の製品を爆買いする理由
中国人が日本製品をたくさん購入してくれるのには理由があります。3つほど紹介しましょう。
fùyù rénshù bǐ rìběn de rénkǒu gèng duō
富裕人数比日本的人口更多。
金持ちの数は日本の人口より多い
yōngyǒu rìběn chǎnpǐn shì yì zhǒng dìwèi xiàngzhēng
拥有日本产品是一种地位象征。
日本製品を持っていることは一つのステータス
zài zhōngguó jīhū méiyǒu hǎo chǎnpǐn
在中国几乎没有好产品。
中国にはほとんどよい製品がない
お金持ちの数
貧富の差が激しいと問題視されている中国ですが、中国人の10人に1人は大金持ちです。中国の人口は公表でも14億人ですので、少なくとも1億4000万人は大金持ちという事になります。
日本人口が1億2000万人であることを考えると、すでに日本人口を上回る人たちが、好きなものを好きなだけ購入できる人たちなので、爆買いする中国人が次から次に現れるのも理解できるのではないでしょうか?
それだけではありません。中国人口の約半分を占める中級層の方々の生活水準は日本の一般的なサラリーマン家庭と同じです。中級層の方も年に一度海外旅行をし、たくさん買い物をするくらいの経済力は有しています。
ステータス重視の中国
「成功=金持ち」という考えが根強い中国では、自分に経済力があることを周りの方にアピールする必要があります。中国製の車や化粧品を使っているとちょっと恥ずかしい思いをするわけです。
日本に来て爆買いするのは、日本製品が良いからというのもありますが、むしろ海外旅行で日本に行き、日本製品を購入できる経済力をアピールするためでもあるのです。
中国にはよい製品が少ない
中国人爆買いの最後にあげる理由は「中国にほとんど良い製品がない」ことです。
お金が成功の尺度である中国の会社はどうしても利益第一主義になるので、削れる費用は極限まで削ります。見えないところにお金をかけるという概念はありません。
結果、中国ではよい製品ができにくいのが現状なのです。
中国製の質を示す例
なぜ中国ではよい製品ができにくいのかを説明するために、車を例に挙げましょう。日本の大手自動車会社は日本車を中国で売るために、中国との合併会社を作る必要があります。
例えばトヨタ(丰田:fēngtián)は中国でトヨタ車を売るために中国の会社と株を50%ずつ出資して、广汽丰田(guǎng qì fēngtián)という会社を2004年に設立しました。この会社のの工場でトヨタブランドの車ができています。
ところが中国国内で作ったトヨタ車はなかなか売れません。それは次の理由です。
hézīchē hé jìnkǒuchē kànqǐlái yìmúyíyàng dànshì hézīchē bùjiēshi jìnkǒuchē cái jiēshi
合资车和进口车看起来一模一样,但是 合资车不结实,进口车才结实。
合併会社の車と輸入車は見た目は一緒でも、合併会社の車は丈夫ではなく、輸入車のみが丈夫だから
これは中国の車事情に詳しい中国人がよく言う言葉です。
进口车(jìnkǒuchē)つまり日本製のトヨタ車のダンパーは、軽くて強いアルミ合金で二重層構造です。しかし合资车(hézīchē)つまり、合併会社の車のダンパーは単価の安い鋼鉄製で一重構造です。
見た目は同じですが事故時のへこみ方が大きく変わり、中国のネットでその事実は拡散しています。
車だけでなく化粧品や電子製品も日本のブランドの製品も、「中国の工場で作られた」というだけで中国人は買いたくなくなります。
そこで中国人は確実な商品を手に入れるためにわざわざ日本に足を運び、日本で爆買いしようと思うわけです。
日本製は基本すべて良い製品
日本で買い物をするときに、それが三流メーカーであったとしても、大きな心配はありません。コンプライアンスという考えが日本人にあるからです。
日本人は良い製品に囲まれて生活できることに感謝したいものです。残念ながら中国人は確実に良い製品を手に入れるためには、海外旅行して爆買いするしかないのです。