中国語で滝は「瀑布」（pùbù）です。特に四川省や貴州省には中国十大瀑布に含まれる見ごたえのある滝がいくつもあります。
スケールが大きく迫力ある大瀑布は、一度は行ってみたいスポットですね。今回はその中の五つの名所をご紹介しましょう。
中国の壮大な瀑布：絶対に訪れたい10の名所
目次
贵州黄果树大瀑布
Guìzhōuhuángguǒshùdàpùbù
贵州黄果树大瀑布
大小18の瀑布で形成されていて、貴州省で一番の絶景、中国で一番の大瀑布です。遊歩道が整備されており、すぐそばまで近づけます。
入場料は観光バス代込みで140元(日本円で約2800円)です。
Huángguǒshùdàpùbù，gǔ chēngbáishuǐhépùbù，
黄果树大瀑布，古称白水河瀑布，
wèiyú Guìzhōushěngānshùnshì de zhènníngBùyīzúMiáozúzìzhìxiànjìngnèi debáishuǐhéshàngyóu。
位于贵州省安顺市的镇宁布依族苗族自治县境内的白水河上游。
Jǐngqū nèiyǐgāo77.8mǐ，kuān101mǐ de huángguǒshùdàpùbùwéizhōngxīn，
景区内以高77.8米，宽101米的黄果树大瀑布为中心，
shǔ zhōngyàrèdài，qìhòuwēnhé，yǔliàngchōngpèi，niánjiàngyǔliàngzài1300háomǐyǐshàng，
属中亚热带，气候温和，雨量充沛，年降雨量在1300毫米以上，
pùbù hòuyǒuyīchángdá134mǐ de shuǐliándònglányāohéngchuānpùbùérguò，
瀑布后有一长达134米的水帘洞拦腰横穿瀑布而过，
cóngshuǐliándòngnèiguānkàndàpùbù，shízàilìngrénjīngxīndòngpò。
从水帘洞内观看大瀑布，实在令人惊心动魄。
黄果树大瀑布は古くは白水河瀑布と呼ばれていました。貴州省安順市鎮寧プイ族ミャオ族自治県内の白水河上流に位置しています。高さ77.8m、幅101mの黄果树大瀑布を中心にした景勝地です。
中国の亜熱帯地域に属し、気候は温暖で、年間降雨量は1300mm以上と十分な雨量があります。瀑布の裏側には長さ134mに達する水簾洞が瀑布の中央部を横切るように通っており、水簾洞の内側から大瀑布を観察すると、実に深く感動させられます。
滝の裏側を通る水簾洞にはいくつもの洞窟があり、鍾乳石が形成されています。水量が多くなる雨季の大瀑布の眺めは実に壮観ですが、降雨量が多くなると水簾洞への道が封鎖されてしまいます。
贵州赤水大瀑布
Guìzhōuchìshuǐdàpùbù
贵州赤水大瀑布
貴州省赤水市にある贵州赤水大瀑布は、中国南方に見られる独特な丹霞地形に位置しています。
世界遺産に登録された「中国丹霞」（Zhōngguódānxiá）内にある高さ76m、幅80mの「十丈洞大瀑布」（shízhàngdòngdàpùbù）を中心とする瀑布群を赤水大瀑布と称しています。
贵州赤水大瀑布のみの入場料は90元(日本円で約1800円)です。
四川螺髻九十九里温泉瀑布
Sìchuānluójìjiǔshijiǔlǐwēnquánpùbù
四川螺髻九十九里温泉瀑布
四川省の「凉山彝族自治州」（liángshānYízúzìzhìzhōu 涼山イ族自治州）にある海抜4359mの最高峰「螺髻山」（luójìshān）を中心とした景勝地です。
一年を通して約40度の温泉水が山の崖から流れ落ち、最も落差がある滝は高さが50mにもなります。
湯気を上げながら流れる大小100以上の滝が、幅200m余りにわたって広がる温泉瀑布群の眺めは実に壮観です。
入場券と温泉入浴券込みで料金は150元(日本円で約3000円)です。
四川九寨沟树正瀑布
Sìchuānjiǔzhàigōushùzhèngpùbù
四川九寨沟树正瀑布
世界自然遺産として有名な四川省の「九寨沟」（jiǔzhàigōu 九寨溝）の「树正沟」（shùzhènggōu 樹正溝）にあるのが「树正瀑布」（shùzhèngpùbù 樹正瀑布）です。
ここは中国の自然観光旅行でまず行きたくなる場所の一つかもしれません。上流から無数の岩と樹木の間を縫って白いしぶきをたてて流れる水を見ると心が洗われるようです。
2022年6月時点では一時的に閉鎖中になっています。行く時は営業時期・時間を確認したほうがよさそうですね。
四川阿坝牟尼扎嘎瀑布
Sìchuān Ā bàmùnízhāgāpùbù
四川阿坝牟尼扎嘎瀑布
四川省アバ・チベット族チャン族自治州松潘県の南西部、海抜3270mに位置する「扎嘎瀑布」（zhāgāpùbù）は高さ93.7m、幅約40mで上流の湖から階段式に流れ落ちます。
「扎嘎」（zhāgā）とは「藏语」（Zàngyǔ チベット語）で「白岩上的激流」（báiyánshàng de jīliú 白い岩の上の激流）の意味があります。
滝全体の河床が巨大な一つの石灰岩の塊で、中国で最も高い「钙化瀑布」（gàihuàpùbù 石灰の滝）といわれています。
同じ四川省の九寨沟より規模は幾らか小さいものの、その美しさは引けを取らず、冬になっても観光できる上に来訪者が比較的少ないので、おすすめだと評価されています。
入場券は70元(日本円で約1400円)からです。
※2022年6月の情報です。
黄河の奇観・中国第二の大瀑布－壶口瀑布
全長5464kmの中国第二の川「黄河」（Huánghé 黄河）。中国の「母亲河」（mǔqinhé 母なる川）とも称されます。
そこを流れる「壶口瀑布」（Húkǒupùbù 壺口瀑布）は両岸の岩を削りながら流れる中国第二の大瀑布で、黄河の奇観と称されています。どんな滝なのでしょうか？
黄河の奇観・中国第二の大瀑布－壶口瀑布
世界最大の黄色の滝？
黄河はユーラシア大陸中央部に広がる世界最大級の高原「青藏高原」（Qīngzànggāoyuán チベット高原）に源を発します。
高原や山地の水が集まって流れ始める「上游」（shàngyóu 上流）では、黄河の水は「清水」
（qīngshuǐ 澄んだ水）です。
ところが中流域に入り「黄土高原」（Huángtǔgāoyuán 黄土高原）を通るため、大量の「泥沙」（níshā 土砂）を下流域に運びます。そのため水の色は茶色に濁るのです。
壶口瀑布は西を陜西省延安市に、東を山西省臨汾市に接する黄河の中流域に位置します。大量の土砂を含んだ黄色から茶色の水が流れ落ちる「黄色瀑布」（huángsèpùbù）といわれるのはそのためなのです。
川幅の極端な狭窄が生む絶景
黄河は中流域に達すると川幅もおよそ400mにまで広がり、大峡谷の間をゆったりと流れていきます。ところが突然、様子が一変します。
このあたりの川床は「大茶壶」（dàcháhú 巨大なティーポット）のような形をしており、「壶口」（húkǒu）とはそこから名前を付けられているのですが、それまでとは全く異なる絶景が眼前に広がります。
ZàihúkǒushàngyóuHuánghézuìkuānchùdàyuēyǒusìbǎimǐ，
在壶口上游黄河最宽处大约有400米，
liú jīnghúkǒushítūránbèixiànzhìzàisānshímǐzuǒyòu de kuāndùnèi，
流经壶口时突然被限制在30米左右的宽度内，
yīncǐ，huìjùchéngjùdàshuǐliú。
因此，汇聚成巨大水流。
Nàmeduō de Huánghéshuǐ，dàole húkǒu de zhègewèizhijiùyīxiàzishōusuō de hěnzhǎi，
那么多的黄河水，到了壶口的这个位置就一下子收缩得很窄，
jìnrùzhège“dàcháhú”，cóngzhègehúzuǐyīxiàzipēnchū lai。
进入这个“大茶壶”，从这个壶嘴一下子喷出来。
Zuìhòu，zhèmedàliàng de shuǐcóngèrshíyúmǐgāode duàncéngshíyáchuízhídiēxià，
最后，这么大量的水从20余米高的断层石崖垂直跌下，
diērùsānshíyúmǐkuān de shícāozhīzhōng。
跌入30余米宽的石槽之中。
壺口の上流で川幅が最大約400mあった黄河は、壺口に流れる時に突然、およそ30mの幅にその流れを制限されます。そのため集まった川の水は莫大な水流になります。
あれほど多かった黄河の水が、ここ壺口の位置に来て一気に大変な狭まり方で収縮させられ、まるで巨大なティーポットに入り、その注ぎ口から一気に噴き出すようなものです。
最後に、これほどの大量の水が高さ20m余りの石崖の断層から30m余りの石の窪みの中に垂直に流れ落ちていくのです。
動く瀑布が生んだ景観
この大量の土砂を含んだ大量の水が持つ巨大な力が、両岸の非常に柔らかい性質の岩をどんどん削っていくために、壶口瀑布は動く滝でもあります。
その証拠が壶口瀑布から約5km下流の川床にある二つの巨石で形成されている川の中の島、「孟门山」（mèngménshān 孟門山）です。
大きいほうの岩は長さ300m余り、幅50m、水面からの高さ約10mもあるのですが、かつてこの位置に壶口瀑布がありました。孟门山は比較的固い質の岩でできていたため、ここにこうして残っているのです。
また古書に記載されている壶口瀑布の位置を調べると、その場所が年々移動しているのがわかります。壶口瀑布はこの100年間でさえ50m後退しており、今でも年に70cm削られています。
現在、壶口瀑布のある位置から約4.2km下流にかけて黄河は幅30～50mの狭い岩の隙間を流れていきます。途中、岩の下に水流が隠れ、黄河の流れが見えなくなる場所もあります。
黄河が長年にわたって岩を削った後のこの長い断層の痕がまるで龍のようだとして「十里龙槽」（shí lǐ lóngcāo 十里龍槽）と名付けられ、観光名所になっています。
おすすめ観光スポット
壶口瀑布へは黄河の両岸どちら側からでも行けますが、山西省側から入るルートがおすすめです。
というのも山西省側からは壶口瀑布を正面から観察できるだけでなく、地下へもぐる「壶口龙洞」（húkǒulóngdòng 壺口龍洞）への入り口があり、垂直に流れ落ちた大量の水がみなぎりあふれる水面ぎりぎりの場所から黄河の急流を観察できるからです。
またどちらの川岸にも、現地の人が「石窝宝镜」(shíwōbǎojìng 石窩宝鏡)と呼ぶ大小無数の甌穴があります。
これは水量がもっと多く、ここが川床だった時代に、何千年もの長い時間をかけて水の渦が川床を石で削ってできた穴です。こうした景観を観察するのもいいですね。
まとめ
壶口瀑布への入場チケットは大人100元（日本円で約2000円）です。年間降水量の60%が6-8月の3ヶ月間に集中するため、夏から秋に行くとよりダイナミックな景観が楽しめます。
降水量が多い時にはゲートを封鎖してしまう場合もあるので、事前にチェックしておきましょう。
※2022年7月の情報です
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