タオバオ(淘宝:táobǎo)というネットショップについて聞いたことがありますか?中国でもっとも有名なネットショップです。
このネットショップの活用法を知っていれば、生活の幅は大きく広がるでしょう。
タオバオの問題点を知って安心して利用しよう!
目次
中国の代表的なネットショップ
2000年に入って急速にネットショッピングが拡大していた時代、中国でいち早くネット市場を掌握したのが、アリババグループの淘宝网(táobǎowǎng)でした。日本語ではタオバオという名で知られているECサイトです。
ネット上で売りたい人と買いたい人がこのサイトを使って盛んにやり取りを行っていたのですが、当時は何でもありでいろいろなものが売られていました。
偽造された卒業証明書や運転免許証などまでタオバオではやり取りされていたので、当時こんな別名で言われていたのです。
wànnéng de táobǎo
万能的淘宝
万能のタオバオ
言い換えるならば「タオバオでは買えないものはない」という意味になります。日本では決してコンプライアンス上取り扱われないような商品まで、なんでもござれで売られていたのです。
浮き彫りになった問題点
いわゆる怪しい商品を扱えるのはさすがは中国といったところですが、同時に本物がほしくても偽物をつかまされることもたびたびありました。当時は粗悪な業者も容易に出品できたからです。
一時期あまりにも偽物がはびこり、タオバオ離れが広がりました。新しく出てきた他のネットショッピングサイトにお客が流れて行っていたのです。
そこでアリババグループは天猫(tiānmāo)という姉妹サイトを作ったり、タオバオショップで出品する業者の厳しい取り締まりが行なうことによって、コンプライアンス上問題のある「怪しい商品」は売ることができなくしました。
質が高いかどうかは別にして、今では偽物(伪造品:wěizàopǐn)をつかまされることは極端に減ったのです。
タオバオサイトの活用法
中国で利用する場合
中国でタオバオを活用するには公式サイト(taobao.com)からほしいモノの中国語で入力するとよいでしょう。
中国のタオバオショップで日本酒(日本清酒:rìběnqīngjiǔ)や寿司ネタなども購入可能です。中国にいて日本食を味わうにはタオバオの活用は欠かせません。
支払いは、支付宝(zhīfùbǎo)や微信钱包(wēixìnqiánbāo)など電子マネーが利用できると便利でしょう。
これらの電子支払い画面でタオバオショップの画面上に出てくるQRコード(二维码:èrwéimǎ)をスキャンすれば、もう支払いは終わりです。あとは日本と同じで、住所と名前を入力すれば商品が届きます。
面白いのは中国では偽名(假名:jiǎmíng)を使ったとしても届いてしまうことです。住所さえ正しければ届いてしまうので、誰かに物を送るときなどは直接送りつけるという方法をとることができます。
日本で利用する場合
知らない人も多いのですが、タオバオは日本でも利用できます。
以前は中国城(zhōngguóchéng)と呼ばれる中国商品取り扱いショップに行かないと中国のモノが買えなかったのですが、タオバオなら中国のものをなんでも取り寄せることができます。
中国商品を日本で仕入れて商売を行ないたい場合、タオバオで日本に輸送してもらうという方法が取れます。
もちろん200元(3000円)程度の送料がとられることがほとんどですが、大量購入した場合は日本に送ってもらった場合でも送料無料(免运费:miǎnyùnfèi)となります。
中国のネット通販は使ってみると簡単
中国に住むことになったら重宝するのがネットショッピングです。日本ではいまだスーパーやデパートを利用する人も多いですが、中国においては今やネットショッピングが主流です。
中国ではどんなネットショップを利用すればいいのでしょうか?
日本より進んでいるネットショッピングサイト
日本でもネットショッピングサイト(网上购物网站:wǎngshànggòuwùwǎngzhàn)での買い物が浸透していますが、中国と比べるとまだまだ利用率は高いとはいえません。
中国人、特に若者たちは、ほぼすべての買い物をネットで行います。家にいるだけで次から次へとほしいものを宅配業者(快递:kuàidì)が届けてくれるのです。
日本人でも中国に住み始めて一年くらいすると、このネットショッピングの便利さにすっかりはまってしまい、外に買い物に行くことが少なくなる人も多いようです。
それぞれに特化したネットショッピングサイト
日本ではさまざまなショッピングサイトに大差はありません。楽天で買っても、アマゾンで買っても、ポイントのたまり方が違うくらいで商品の品揃えや質・値段にさほど違いはないものです。
しかし中国のネットショップを利用するときは、そのショッピングサイトの特徴をつかんでおかないと失敗することがあります。
中国でのネットショッピングサイトの競争が進んでいるため、それぞれのサイトに特化している商品を扱っています。
つまりこの種類の商品だけは品質や値段に力を入れているというモノがあるので、何を買うかによってショッピングサイトを使い分ける必要があるというわけです。
今から簡単に記述しますが各サイトの特徴を知っていれば、偽物をつかまされたり、相場より高い価格で買ってしまうことを防げるでしょう。
洋服を買うとき
日本人は中国のネットショップで洋服を買いたいとは思わないかもしれませんが、中国人が洋服を買うときに使うネットショップはここです。
mógūjiē
蘑菇街 (union.mogujie.com)
蘑菇街の蘑菇(mógū)とは「キノコ」の意味です。このサイトは女性のファッションに特化しています。男性のファッションに特化したサイトというのは特にありません。
化粧品を買うとき
中国では信頼できる化粧品の需要が増えています。なぜなら一時期外国ブランドを謳った偽物化粧品が中国中にあふれていたからです。
信頼できる化粧品を高くても購入したいという需要に答える必要がありました。そこで有名なアリババグループが立ち上げた、本物の化粧品だけを売る厳しい管理体制が惹かれたサイトが以下のサイトです。
tiānmāo
天猫(tmall.com)
中国にいながら確実な化粧品を手に入れたいというときはこのサイトで購入するといいでしょう。しかし関税がかかるのもあって値段は日本の約1.5倍です。
電子用品
パソコン周辺機器など電子用品を買いたいときはどこで買えばいいのでしょうか?日本でも有名のこのサイトです。
yàmǎxùn
亚马逊 (amazon.cn)
亚马逊はいわゆる日本で有名な「アマゾン」というサイトです。中国では日本ほどメジャーではないですが、電子製品という分野においては特化しています。アマゾンだけあって偽物が売られていることないでしょう。
本を買うとき
中国人は日本人と比べて本をよく読みます。電子書籍ではなく実際の本を買いたいのです。電子書籍という分野だけにおいては、日本の方が中国よりも若干進んでいるかもしれません。
中国人は本を購入したいという場合はどこで購入するのでしょうか?
dāngdāngwǎng
当当网(book.dangdang.com)
当当网は本に特化したサイトです。学生たちが勉強するのにこんな本が必要というとき、日本のこんな漫画が読みたいというときなどはこのサイトをまず探します。
本の種類、値段の安さにおいても他のネットショップより優れています。
何を買うかによって選ぼう
今日は中国のネットショップを利用するとき、その特徴をつかんだうえで利用するとよいことをご紹介しました。
でも中国のネットショップに詳しい方は「あれ、タオバオ(淘宝:táobǎo)がない」と思われるかもしれません。
近年中国国内では日用品や食料品、衣料品などの物価がかなりの上昇傾向にあります。
ところが若い世代を中心に、ネット通販で物を購買するケースも増えて来ており、それが中国経済に全く新しい風を呼び込んでいるようなのです。どういう事でしょうか?
中国のネット環境が整備されてきた
数年前なら考えられなかったことですが、中国ではネット環境が驚くほどの速さで市民の生活に浸透し始めています。
それはパソコン「电脑」(diànnǎo)利用だけではなく、タブレット「平板电脑」(píngbǎn diànnǎo)やスマートフォン「智能手机」(zhìnéng shǒujī)が幅広い世代に利用されるようになったからです。
データの送受信量は先進国のスピードにはまだまだ及びませんが、それでも以前と比べるとネットを利用したサービスや物の販売、購買がかなり便利になってきました。
通信販売なら陶宝网(タオパオ)
市民がよく利用する有名なネット通販サイトは、アリババ・グループ「阿里巴巴集团」(Ālǐbābā jítuán)の消費者向け電子商取引・ウェブサイト「陶宝网」(Táo bǎo wǎng)です。
会員数は2億人以上、中国での消費者向け電子商取引サイトでは80%のシェアを占めているとも言われています。
ネット上で商品を購入することを「网上购物」(wǎng shàng gòu wù)、通称「网购」(wǎng gòu)と言います。
サイトによっては共同購入できる食料品、日用品、家具といったもの以外に、公園・映画館などの入場券、レストランでの食事券、ホテルの宿泊予約などもあり、共同購入することを「团购」(tuán gòu)と言います。
ネットバンキングで支払い
商品の購入にはネットバンキングを利用します。銀行へ行ってネットバンキングを開設してから利用することもできますし、普段利用している口座から直接現金を振り込むこともできます。
多くのサイトは電子マネーサービス「支付宝」(zhī fù bǎo (Alipay))を利用しています。
利用客はまず「支付宝」に自分のページを開設し、「支付宝」の電子マネー口座に銀行などから任意の金額を振り込みます。
そして購入した商品の支払い額を「支付宝」から取引先に振り込むのです。
宅配業者
宅配業者の活躍もネット通販の拡大を促進するのに一役買っています。宅配業者は「快递」(kuàidì)と言います。
日本と違うのは業者が商品を各家庭、もしくは個人までは届けてくれないという事です。
彼らは商品の届け先の近くまで来ると、電話をかけて来て受取人の在宅を確認します。
そして自分のいる所、たとえば団地やマンションの玄関や建物に面する通りなど、わかりやすい場所にまで出て来て商品を受け取るように受け取る側を呼び出すのです。
大学生に人気
このサービスのおかげで、大学生はずいぶん便利に生活できるようになりました。そういうのにはわけがあります。
近年、中国国内の多くの大学は市の中心部から少し離れた郊外に移転させられてきました。
そのため、大学生は校内では手に入れることのできない物をわざわざ街に買いに出かけていたのです。
大学前まで配達
それが今ではネット上で欲しい商品を検索し、気に入った商店から購入し、「快递」に学校の玄関まで運んで来てもら う事ができるようになったのです。
お昼休み前の時間になると、何人もの「快递」の配達員が学生たちの依頼した商品を届けに大学の正門へやってきて、携帯電話で学生たちを呼び出します。
商品は道路に並べられ、受け取りに来た学生から順に荷物を渡していくのです。
Kuàidì gěi wǒ dǎ diànhuà le,wǒ xiān qù a。
A: 快 递 给 我 打 电 话 了,我 先 去 啊。
宅配の人が電話をかけてきたから、私先に行くわね。
Zhè cì nǐ mǎi shénme ne?
B: 这 次 你 买 什 么 呢?
今度は何を買ったの?
Wǒ mǎi le Hánguó de bǐnggān,shì qiàokèlì wèir de。
A: 我 买 了 韩 国 的 饼 干,是 巧 克 力 味 儿 的。
Zhè cì de dōngxi jì tèhuì yòu bāo yóu,bǐ chāoshì de tèhuì gèng piányì。
这 次 的 东 西 既 特 惠 又 包 邮,比 超 市 的 特 惠 更 便 宜。
韓国のクッキーよ、チョコレート味なの。今回は特価だった上に送料無料で、スーパーのセールで買うよりずっと安かったのよ。
このように輸入食品でさえネット通販でかなりの安値で購入することができます。
また祝日や季節に合わせたバーゲンセール、タイムセール、送料無料など様々なサービスが広がっています。
これまで中国で買い物と言えば、店頭での値切り交渉「打价砍价」(dǎ jià kǎn jià)が常でしたが、ネット通販の拡大は新しい中国経済の形を形成中なのかもしれませんね。