日本で天津飯と呼ばれていても中国天津に天津飯がないのは有名ですね。では天津甘栗はどうでしょうか?
「天津甘栗」という看板は見当たりませんが、天津や北京などでは街のあちこちで「糖炒栗子」が販売されています。ちょっと糖炒栗子を食べていきませんか?
天津甘栗は中国天津にある?本場の「糖炒栗子」って何?
秋から冬の風物詩「糖炒栗子」
中国語で栗は「板栗」(bǎnlì)です。一般的には「栗子」(lìzi)とも呼ばれていますね。
「糖炒栗子」(tángchǎolìzi)は甘栗のことで、秋から冬にかけての季節商品。販売が始まると店頭に「新栗上市」(xīnlìshàngshì)と書いた看板が立てられます。
一定のリズムで回転する専用の大きな鍋で「糖浆」(tángjiāng 砂糖溶液のシロップ)を加えながら、大量の栗と「石英砂」(shíyīngshā 珪砂)をグルグル混ぜます。すると、そこから上がる熱気と香ばしい煙が通りに漂っていきます。
天津ではバス停の近くに糖炒栗子の店があるのをよく見かけました。氷点下の寒い夕刻にバスを降りると、熱せられた糖炒栗子の甘い香りに誘われてついつい買ってしまったものです。
食にこだわる天津人のおすすめの店は?
食べる物には大いにこだわりのある天津人ですから、どの店の糖炒栗子が美味しいかを尋ねるといろいろ教えてくれますよ。
A:Tiānjīntángchǎolìzinǎjiāhǎochī?
天津糖炒栗子哪家好吃?
天津甘栗はどの店が美味しいですか?
B:Shìèrdòulìzi,tiānjīnrényīnggāiwúrénbùzhī,
是二斗栗子,天津人应该无人不知,
èrdòulìzixuǎnyòngzuìxīnshàngshì de lìzi,
二斗栗子选用最新上市的栗子,
jīngguò tèshū de fānchǎohòu,jiānglìzichǎode tángshǎijūnyún,yánsè xiānliang。
经过特殊的翻炒后,将栗子炒的糖色均匀,颜色鲜亮。
Chǎohǎo de lìzifēichángróngyìbōké,lì ròurùkǒu,dùnjuéruǎnmiántiánxiāng,
炒好的栗子非常容易剥壳,栗肉入口,顿觉软绵甜香,
ràng rénchī de shàngyǐn,yù bàbùnéng。
让人吃得上瘾,欲罢不能。
それなら二斗栗子ですね。天津人ならだれでも知っているはずです。二斗栗子は市場に出たばかりの栗を選び、特殊な方法で混ぜ炒めているので、栗を炒めたカラメル色が均等で、艶やかな色をしています。出来立ての甘栗は皮がとても剝きやすいし、栗の実を口に入れると即座に柔らかさと甘い香ばしさが口に広がって、癖になって止まらなくなる美味しさですよ。
C:Wǒtuījiàn de shìxiǎobǎolìzi,
我推荐的是小宝栗子,
xiǎobǎolìzicǎiyòng de yuánliàodōucóngchǎndìzhíjiēxuǎngòu,
小宝栗子采用的原料都从产地直接选购,
chǎohǎo de lìzisèzéguāngliàng,kēlì bǎomǎn,lì xiāngchúnzhèng,fāngchúnwúbǐ。
炒好的栗子色泽光亮,颗粒饱满,栗香纯正,芳醇无比。
私のおすすめは小宝栗子ですね。小宝栗子は使う原料の栗をすべて産地から直接選んで購入しています。炒めた栗の色は光輝いていて、粒が丸くしっかりしています。栗そのものの純粋な香りは他と比べ物になりません。
D:ShuōTīānjīntángchǎolìzi,nàmeyīnggāixuǎnlǎopáiliánsuǒdiànjiùshìshùnqǐlìzi。
说天津糖炒栗子,那么应该选老牌连锁店就是顺起栗子。
Gāngchūguō de lìzibiǎopíxiānyànérfùyǒuguāngzé,fēichánghǎobō,
刚出锅的栗子表皮鲜艳而富有光泽,非常好剥,
háiwèirùkǒu,jiù yǐjīngyǒugāntiánfāngxiāng de qìwèiqīnrùbíqiāng。
还未入口,就已经有甘甜芳香的气味侵入鼻腔。
天津の糖炒栗子といえば老舗のチェーン店顺起栗子でしょう。鍋から出したばかりの栗は表皮がつやつや光っていてとても剝きやすいし、まだ口に入れる前からあの甘く香ばしい香りが鼻の中に入って来るんです。
D:Chúlezhèxiēhǎojǐjiāliánsuǒdiànyǐwài,Tīānjīnháiyǒuyīxiējīngdiǎnxiǎodiàn,
除了这些好几家连锁店以外,天津还有一些经典小店,
tāmen deguīmóyěxǔbúdà,dànlìzi de pǐnzhìyīránhěnbàng。
它们的规模也许不大,但栗子的品质依然很棒。
ここに挙げた幾つかのチェーン店以外にも天津には以前からある小さな店がいくつもあります。それらの店の規模は大きくないかもしれませんが、栗の品質はいつも通り素晴らしいですよ。
栗の名産地
中国では南北を問わず栗を生産しています。
「京津地区」(jīngjīndìqū 北京や天津一帯)で特に「上品」(shàngpǐn 高級品)と称されるのが北京郊外の「良乡板栗」(Liángxiāngbǎnlì)と河北省の「遵化板栗」(Zūnhuàbǎnlì)です。
約100年前に中国で糖炒栗子を食べた日本人が「これは売れる」と確信し、輸入することにしました。
その際、中国各地から天津に集められた中国産の栗を日本に輸入したので、日本では栗の産地がどこかを問わずに天津甘栗と呼ぶようになったようです。
まとめ
天津の駅や空港では、土産用に包装された小宝栗子や顺起栗子の糖炒栗子が販売されています。
ただ冷めると本来の味が味わえないので、やはり直接お店で出来立てアツアツの糖炒栗子を買って食べたいですね。