中国のものは全て口にしたくない。と感じている日本人も少なくないでしょう。
しかし中国に移住することになった日本人は、中国にも中国ならではの良いものがあることを発見します。その一つが金嗓子(jīnsǎngzǐ)というのど飴です。
金嗓子・中国では欠かせないのど飴
中国の伝統的なのど飴
金嗓子(jīnsǎngzǐ)は中国人であれば誰でも知っているお薬です。中国ではのど飴といえば金嗓子のことだといっても過言ではありません。
金嗓子は1956年からの長い歴史があり、中国国民だけでなく、香港台湾などの中華圏でも支持され続けてきました。
名称に「金」とつくだけあって、色はまさに金色で、日本人からしても口当たりは良いものです。日本の龍拡散のど飴と同じような味わいですが、日本ののど飴より少しべとつくのが特徴でしょう。
値段も比較的安く、以前は十数粒入っているものが5元(80円)程度で売られていました。物価の上昇に伴い13元(200円)程度で売られています。
しかし多くの人が愛用しつづけている一番の理由は、何といっても効果があるからです。
金嗓子の効能
金嗓子の効能として以下のものがあげられています
jiěxièdú
解蟹毒
のどの炎症を抑える
xiāoyóunì
消油腻
脂っこさをスッキリさせる
xǐngjiǔ
醒酒
酔いを醒ます
のどがイガイガするときに、この金嗓子をなめるとスッキリします。病気そのものを治すことはないかもしれませんが、ある程度症状を軽減させる効果はあるようです。
空気の悪い中国で日本人が咳き込むと、中国人はこの金嗓子を渡してくれます。日本人もすっかり気に入り、手から離すことができなくなるというわけです。
伝統的な中国製品の特徴
日本ではありえないのですが、中国の製品はその製品に歴史があり信頼に値するものであることを示すために、パッケージに必ずあるものが印刷されます。それが
tóuxiàng
头像
肩から上の顔
中国製品には薬だけでなく、昔ながらの食品の多くにも必ず头像(tóuxiàng)が描かれているものです。たいていは開発者の顔です。ちなみにこの金嗓子に描かれていた顔は長年「髪の毛の薄いおじさんの顔」でした。
しかし2015年におじさんから「髪の毛ふさふさのおばさんの顔」に変わったのです。中国国民としてはなぜ変わったのだろうかと話題になりました。
中国なりの事情
なんせ中国人がいつも使っている製品のアイコンが変更になったのですから、ネット上で徹底調査が行われました。結果おじさんはこの金嗓子を開発した華東師範大学の教授・王耀发(wángyàofā)というおじさんだったそうです。
そのおじさんが完全にその薬の配合方法をある製薬会社に売り渡しました。おばさんは配合方法を売り渡された製薬会社の金嗓子集团(jīnsǎngzǐjítuán)創始者の江佩珍(jiāngpèizhēn)という人らしいです。
中国製品も大人の事情で、謎の変更があるということですね。
中国旅行のお土産に
中国や台湾、香港などに旅行に行ったときにどんなお土産を買って帰ろうかと思うかもしれません。中国の5000年の歴史がある漢方の知恵の元開発されたこの金嗓子は日本にはないモノでしょう。
ぜひお土産候補の一つにするのはいかがでしょうか?