日本人は当たり前と思っているものでも、外国人からすると異常に思えることはたくさんあります。
その逆に日本人が普通にしていることで、外国人がうらやむようなこともあるのです。その一つが小学校の時の家庭科の授業なのです
中国人がうらやむ日本の科目-家庭科
目次
中国にはない家庭科
中国には家庭科という授業がありません。よってそれに相当する中国語もないのですが、中国人に授業の内容を説明すると、おそらくそれに相当する中国語はこうだと答えます。
jiāshì
家事
家の事
裁縫(缝纫:féngrèn)や料理実習(实习做菜:shíxí zuòcài)など家の事を行なうことを、家事(jiāshì)といいます。
似ている言葉で家务(jiāwù)という言葉がありますが、これは「家の務め」で、やらなくてはいけない仕事を指します。
小学生が将来に家庭の事柄を上手に行えるために勉強するのですから、家事(jiāshì)が最も適切な中国語というわけです。
家庭科があることへの反応
中国人に家庭科という授業があることを伝えると、たいてい次のような返答が返ってきます。
hǎo xiànmù yā
好羡慕呀
好(hǎo)は「とっても」という意味で、羡慕(xiànmù)は「羨ましい」という意味、そして 呀(yā)は感情を表すときの終助詞となります。
「なんて羨ましいんだ!」と中国人は日本に家庭科の授業があることについて感想を述べます。なぜ羨ましいのでしょうか?
家庭科がうらやましい理由・学力競争
一つの原因は、中国の学力競争が激しすぎるからでしょう。中国において、大学入試に将来役立たないことを勉強することはありません。しかし裁縫や料理は卒業後の実際の生活では誰もが必要とすることです。
中国人も内心はそういう家庭科で勉強することのほうが将来の役に立つと思っているので、日本の家庭科の授業をとても良いと感じるようです。
家庭科がうらやましい理由・男も学ぶ
中国では男女平等(男女平等:nánnǚ píngděng)が日本よりも進んでいます。男性も家事をすべきだという思いが日本人より強いのです。
”男性”も家事を習う必要があると中国人は思っているので、小学生の時から男子生徒が女子生徒と一緒に家事を習うのは素晴らしいことだと感じるというわけです。
なぜ日本には家庭科があるのか?
なぜ日本には家庭科という授業があると思う?と中国人に尋ねると、ほとんどの人はこう答えます。
yīnwèi rìběnrén zhòngshì jiātíng
因为日本人重视家庭
日本人は家庭を重視するから
中国人の日本に対する感覚は「日本人は家庭を大切にする」らしいのです。だから小学生の時に家の中での生活能力を向上させるために家庭科があるのだろうと思っているようです。
日本に住んでいる日本人からすると、日本人は家庭より仕事を優先させている人も多いので、自分たちの国民が「家庭を大切にする国民」だとはあまり感じていないかもしれません。
しかし少なくとも中国人からはそう思われています。
中国人が日本人が家庭を大切にしていると感じる背景
中国人の「日本人=家庭重視」のイメージは日本のCMの影響かもしれません。
中国人はよく日本のドラマなどを見ているのですが、そのドラマの間に流されるCMで日本人が幸福を表現するとき「常に平和なおうちの中で、家族が笑っている様子」が流されるからです。
中国では幸福を表現するとき「札束」を見せます。中国人が日本人は家庭を重視すると感じる理由も分かりますね。
世界的に見ても貴重な科目
家庭科という授業は、中国にないだけではありません。実は世界的に見てもあまり見ない科目なのです。
日本に住んでいると当たり前の授業ではありますが、玉止め、波縫い、栄養バランスなど、実生活で役立つことを小学校の時から勉強できる日本という国に住んでいることは、幸せなことなのかもしれませんね。