祝祭日はもとより、婚礼や開店祝いなどあらゆる慶事に欠かせない中国ならではの飾りつけが、赤い色をした装飾用のちょうちん「红灯笼」です。日本の中国料理店にも飾られている場合が多いですね。
今回はこの红灯笼をご紹介しましょう。
红灯笼-中国の慶事に欠かせない赤ちょうちん
中国人は红灯笼が好き?
「红灯笼」(hóngdēnglong)は一年のどの時期にも飾られていますが、とりわけ祝祭日や慶事には欠かせない伝統装飾品です。
また中国各地にその地域ならではの红灯笼があり、全国的に見られる習俗です。红灯笼はなぜそんなに人々から愛されるのでしょう?
Zhīsuǒyǐ rénréndōuxǐhuanhóngdēnglong,shìyīnwèizàiZhōngguórényǎnzhōng,
之所以人人都喜欢红灯笼,是因为在中国人眼中,
hóngdēnglongxiàngzhēngzhehéjiātuányuán、shìyè xiāngwàng、hónghónghuǒhuǒ,
红灯笼象征着阖家团圆、事业兴旺、红红火火,
yòuxiàngzhēngzhexìngfú、guāngmíng、huólì、yuánmǎnyǔfùguì。
又象征着幸福、光明、活力、圆满与富贵。
なぜ人々が红灯笼を好きかというと、中国人にとって红灯笼は離散していた一家の再会、事業の繁栄、豊かな生活の象徴だからなのです。また幸福であり、希望に満ち、活力にあふれ、何もかもがうまくいき財産も地位もある状態の象徴でもあります。
なるほど、红灯笼は誰にでも共通する幸福への願いの象徴だったのですね。
なぜ赤くて丸いちょうちん型が多いの?
ではなぜ中国の红灯笼は赤色でぷっくり膨らんだ丸い形をしているものが多いのでしょうか?
まず红灯笼が赤色なのは、古代の人々が当時火を崇拝していた名残だとされています。
また丸い形をしているのは、「除夕」(chúxī 旧暦の大晦日)に「贫民百姓」(pínmínbǎixìng 貧しい庶民)が「团圆美满」(tuányuánměimǎn 離れていた家族が再開し幸福に暮らす)を願ったことに因むようです。
夜になると红灯笼の中に火をともすので、灯が明るく赤く輝きます。人々は红灯笼の赤い光に希望と祈りを込め、満願成就を期待したのです。
サイズは大小さまざま
いろいろな場所に飾る红灯笼ですから、サイズも大小さまざまです。
「天安门城楼」(tiān’ānménchénglóu 天安門のやぐら)に飾る八つの红灯笼はそれぞれが高さ2.23m、最も幅の広い部分の円周が8.05m、重さは約80kgあります。
大都市にある「广场」(guǎngchǎng 広場)や「大酒店」(dàjiǔdiàn 比較的大きな設備の整ったホテル)に吊り下げられるものもかなりの大きさがあります。
また各家庭で窓に飾る小さなサイズのものも「市场」(shìchǎng 市場)や「超市」(chāoshì スーパーマーケット)など、あちこちで販売されています。
農村地域では農業の閑散期にあたる秋から冬にかけて、昔ながらの伝統的な方法で竹を材料に骨を手で編む手工芸の红灯笼があります。
とはいえ中国各地だけでなく海外に暮らす中国人への輸出品として毎年相当量を生産しなくてはなりません。それで红灯笼の中の骨は傘の骨に似た金属のものが主流です。
一年で一番たくさんの红灯笼を飾る「元宵节」
「初一」(chūyī 旧暦の正月一日)から「初三」(chūsān 旧暦の正月三日)は中国の三が日です。
これに次ぐ正月の「节日」(jiérì 祝日)が別名「灯节」(DēngJié)とも呼ばれる「元宵节」(Yuán’xiāoJié 旧暦の正月十五日の伝統的な節句)です。
この元宵节には「赏灯」(shǎngdēng)という習俗があります。「春节」(ChūnJié 旧暦の元旦)の時ももちろん红灯笼を飾っているのですが元宵节は特別です。
家の中には今まで以上の数の红灯笼を吊るし、ビルやマンションの玄関、広場、通りの至る所に数えきれないほどの红灯笼を飾ります。そして夜になると明かりを灯して鑑賞するのが赏灯なのです。
普段なら白色や黄色の街中の明かりが、この夜だけは特別に红灯笼が放つ無数の赤色になるのです。
まとめ
ずっと古くから始まった習俗にもかかわらず今なおこうして続いている红灯笼ですが、丸い形のものばかりではありません。
中国人の友人に地元にはどんな红灯笼があるか尋ねてみてください。きっといろいろ教えてくれますよ。