日本麻雀の発音がどれほど中国語の発音と同じなのかを考察しました。今回は本場中国の中国麻雀のルールに注目してみましょう。
はたして日本のルールは中国でも通じるのでしょうか?
中国麻雀と日本麻雀のルールの違い:日本の麻雀と中国の麻雀、どちらが楽しめる?
目次
基本ルールは同じ
麻雀の基本ルールは中国も日本も同じです。
はじめに13の牌が配られて、4人が一つずつ牌をつかんでは一つ牌を河に切り、暗刻(アンコウ)や順子(シュンツ)を作って、和了(ホーラ)するという流れがまったく同じなのです。
ですから、役の違いはあれど、とりあえず中国人とマージャンを楽しむことは可能です。点数は中国人に数えてもらえばよいからです。
麻雀・日本と中国では意味が違う
つづいて日本のマージャンと中国の麻雀の異なる点を考えたいのですが、はじめに確認しておきたいのは「麻雀」という単語の意味の違いです。
日本語の「麻雀」という漢字は、中国語ではスズメ(麻雀:máquè)を意味します。マージャンをさす中国語は以下の通りです。
májiàng
麻将
マージャン
マー(麻:má)という漢字は一緒ですが、ジャンの部分は「将」という漢字の中国語「将」(jiàng)が使われます。注意が必要ですね。
ルールの違い
ではルールの違いを見ていきましょう。中国麻雀と日本麻雀の大きな違いは次の3つです。
yǒuhuāpái
1、有花牌
花牌がある
fānzhǒngbùyíyàng
2、番种不一样
役が違う
guīzéshāowēibùyíyàng
3、规则稍微不一样
少しやり方が違う
花牌がある
中国麻雀と日本麻雀の一番の違いはこの花牌がある点でしょう。日本人でも自分のマージャン牌を持っている人は、「春夏秋冬梅蘭菊竹」なる牌があるのを見たことがあるかもしれません。あれば花牌と呼ばれる牌です。
日本でもローカルルールでは使うことがありますが、あれは中国麻雀では必要な牌です。
使い方としては、日本の3人マージャンの時の抜きドラ扱いと同じです。3人マージャンでは「北」が来れば抜きドラとなりますが、中国麻雀では花牌がくれば抜きドラとなるわけです。
役が違う
中国麻雀は日本と役(番种:fānzhǒng)が違います。もちろん同じ役も多いのですが、日本にない役もたくさんあります。例えば…
quándà
全大
手配を789だけで構成させる
quánzhōng
全中
手配を456だけで構成させる
quánxiǎo
全小
手配を123だけで構成させる
日本人も説明を受けたらすぐわかる役の作りかたですよね。中国ルールを取り入れてみるのも面白いかもしれません。
少しやり方が違う
中国麻雀は日本麻雀とは少しやり方が違います。いくつか紹介しましょう。
基本的に全荘構成
日本麻雀は南場までの半荘が基本ですが、中国麻雀は北場までの全荘が基本です。ですが親の連荘はありません。
フリテンがない
日本麻雀ルールではあたり牌を自分が捨てている場合は他家から上がることはできませんが、このフリテン制度が中国麻雀にはありません。
ドラがない
王牌にドラを表示させるという制度がありません。ドラどころか王牌を設けずに最後まで山をつもるのが中国麻雀です。
暗槓は伏せる
暗槓制度はあるのですが、日本は見せるのに対し、中国麻雀は全て伏せるので、最後に和了するまで何を暗槓したのかわかりません。
点数計算が違う
点数計算方法が違います。他家から上がった場合は「8点+上がり点」を放銃した他家のみが払うのですが、ツモの場合は、同じ点数「8点+上がり点」を他家全てからもらいます。つまりツモあがりの場合は3倍の点数がもらえるという違いがあります。
ほかにも小三元などは日本では2翻しかありませんが、中国麻雀では四暗刻や字一色に並ぶ高手役です。役の価値もかなり違うというわけですね。
いくつ分かる?中国麻雀の役
漢字の意味が分かる日本人は、日本にはない中国漢字を見ても、ある程度どんな意味か推測できる能力を持っています。
今回は中国麻雀の役で日本とは呼び方が違うものを紹介します。日本マージャンの何に相当するか分かるでしょうか?
初級編
まずは推測しやすい中国麻雀の役です。何を意味するか分かりますか?
sānsèsāntóngshùn
1,三色三同顺
qīduì
2,七对
初級編答え
初級編はほぼ日本麻雀の役と呼び方が同じなので、ほとんどの方が正解がわかることでしょう。
三色三同顺(sānsèsāntóngshùn)は三色同順(サンショクドウジュン)です。役のつくり方も全く同じです。
七对(qīduì)は、そう、七対子(チートイツ)ですね。これまた役のつくり方も全く一緒です。
こうやってみると日本の麻雀は中国麻雀を由来としていることがよくわかります。
中級編
続いて中級編です。日本でも使う麻雀用語の漢字の意味を推察すればわかるかもしれません。
pèngpènghé
3,碰碰和
liánqīduì
4,連七对
shísānyāo
5,十三幺
さあ分かるでしょうか?
中級編答え
中級編の答えを紹介していきましょう。
碰碰和(pèngpènghé)ですが、日本麻雀でも他家の牌をないて刻子を作るときにポンというので、そのポンをばかりをして刻子だけでできる手役、つまり「対対和(トイトイ)」をさす言葉です。
ポンの中国語は碰(pèng)から来ていることを知っている方もいたかもしれません。
続いて連七对(liánqīduì)です。これは先ほど七对(qīduì)が七対子(チートイツ)を意味することを考えると分かりやすいでしょう。
七対子が連番で連なっているわけですから、「大車輪(ダイシャリン)」というローカル役満を指すわけです。日本では筒子のみが採用されるケースが多いのですが、中国麻雀では萬子や索子でも認められます。
連なっていればいいわけですから、2-8だけでなく、1-7や3-9でもいいということにもなります。
最後は十三幺(shísānyāo)ですが、中国は一九牌字牌のことを幺九牌(yāojiǔpái)といいます。つまり13個の一九牌字牌を集める役「国士無双(コクシムソウ)」という意味になるわけですね。
上級編
最後にとっても難しい中国麻雀の役を出題します。イメージを膨らまして考えてみてください。
quánqiúrén
6,全求人
miàoshǒuhuíchūn
7,妙手回春
qīnglóng
8,清龍
上級編答え
イメージを膨らまして答えが浮かんだでしょうか?
全求人(quánqiúrén)は全てに人に求めるということになります。つまり全てポンしたり、チーしたりして手役を作ったもの日本麻雀でいうなら「裸単騎」でロンした状態のことです。裸単騎でもツモの場合はこの役は成立しません。
続いて妙手回春(miàoshǒuhuíchūn)ですが、妙手によって春が回ってくるというイメージです。つまり最後の牌のツモであがれる役「海底撈月(ハイテイツモ)」という意味になります。
最後に清龍(qīnglóng)ですが、清(qīng)という言葉がはいっているので清一色(チンイツ)のことなのではと思った方もいたかもしれません。
しかし清一色は中国麻雀でも清一色(qīngyīsè)です。清龍とは同じ色の牌を1-9までそろえて龍のようなものを作る役、つまり「一気通貫(イッキツウカン)」をさす言葉ということになります。
いくつ正解できましたか?
8問中いくつ正解できたでしょうか?麻雀は中国語のイメージを理解するのにとても役立つゲームです。
中国麻雀の役と読み方を覚えて、中国人の友達と麻雀を楽しむというところから楽しく中国語を覚えていくのもよいかもしれません。
交友を深めるのにまずマージャンから
中国人も日本人もマージャンは大好きです。中国人と何して仲良くなろうというときは、まずマージャンから始めるのはいい方法かもしれません。
でも中国人がマージャンするときは賭けマージャンが基本なので、そこだけは注意が必要ですね。