中国人と一緒に仕事をすると、常識的とは思えないことのばかりです。
日本人が最も困るのは「納期」に対する考え方でしょう。中国人は「〇月〇日まで」という納期(交货期: jiāohuòqī)をどう考えているのでしょうか?
中国人の納期に対する驚くべき考え方
中国と日本―時間の考え方の違い
日本は世界で最も時間厳守の国です。世界の人が日本に来て一番驚くのは電車やバスなどの交通機関が一分違わず、時間通りに到着することです。
日本に住んでいると、このすべてが整然と(规规矩矩:guīguījǔjǔ)時間通りになされていくことを当然と感じますが、じつは中国だけでなく日本以外の外国ではきちんとなされないのが通常のようです。
中国は外国の中でもとりわけ時間への考え方が甘い国です。中国では2時待ち合わせをしたとして、2時半までに相手が来てくれればかなり優秀という感覚です。
そんな中国文化の中では、設定された納期はどう見られているのでしょうか?
中国人の納期に対する考え方
中国人は納期というものをどうとらえているのでしょうか?
jiāohuòqīzhīshìgemùbiāoéryǐ
交货期只是个目标而已
納期というのは目標の一つに過ぎない
中国人も一応納期というものを定めますが、それは「これまでにできたらいいね」という希望日時にすぎません。
これは日本企業が製造を中国企業に頼むときに必ずといっていいほど生じる問題です。日本企業が「いついつまでに商品を納入してください」と頼みます。中国人はこう答えます。
yīnggāikěyǐ
应该可以
絶対大丈夫
この答えを信じてはいけません。これは「その日に商品を渡すという目標で私たちも頑張ってみるよ」という程度の返事なのです。
应该(yīnggāi)は「ほぼ100%に近い確率で大丈夫」という中国語ですが、それでも信じてはいけないのです。これは100%を表す绝对(juéduì)を使っていたとしても結果は同じです。納期には商品は収められないでしょう。
中国人に納期を守ってもらうためには
「納期を守ってもらわないとクライアントさんの信頼を失うんです」と説得したところで、中国人からするとそっちの都合で知ったことではないので、まったく効果がありません。
中国人に納期を守ってもらうようにするには次の方法をとるしかありません。
shèzhìhétóngdāngzhōngwéiyuēfájīn
设置合同当中违约罚金
契約書の中に違約金制度を設ける
中国式の納期の守らせ方はこれです。口約束や説得は意味をなさないので、契約書の中に「納期を一日遅れるにつき〇〇の違約金が発生する」という内容を織り込むのです。契約書に書き込んでおけば、もしも裁判となった時でもこちらに有利に働きます。
それでも納期は守らないうえ、違約金を反故にしようと交渉してきます。訴えることも匂わせて違約金を一度払わせれば、次回からは納期から遅れることが少なくなるでしょう。一歩も引いてはいけません。
ほかにも「納期が遅れることを見越して納期を設定する」とか、日系関連会社なら「日本から管理者を送り込む」等の方法が取れるかもしれません。
中国のやり方に合わせてビジネス
中国のやり方を日本人が変えようと思っても、それは不可能です。それは中国人が日本で起業して日本人の考え方を変えさせようとしてもできないのと同じです。
中国の会社とビジネスを行なうのであれば、日本の常識を当たり前として要求するのではなく、中国の常識を理解したうえで中国式対処を行なうほうが賢明ということですね。