ネイティブのようなきれいな発音の中国語を話せる人もいれば、日本人なまりがひどくとても聞いてられない発音の人もいます。
どうして発音が上手な人と上手でない人の違いが出るのでしょうか?
中国語の発音を磨く-ネイティブの発音に近づく練習のコツ
目次
発音が下手な人がやっていること
発音が下手な人が勉強する方法は、まず参考書を買ってきて、机の上で本を見ながらひたすら単語や文法を覚えようとするものです。
そして何度も「えーと、日本人はリーベンレン、リーベンレン」と知らず知らずのうちに決して通じない発音を口の筋肉に覚えさせてしまいます。
文法は後で修正が効くのでいいのですが、発音は勝手に自主学習するとあとでいくら中国人の先生が日本人(rìběnrén)と正確な発音を復唱させようとしたところで、一度口に筋肉が覚えてしまった変な発音の「リーベンレン」としか言えません。
問題はどこにあると思いますか?
それは中国語学習では決してはしてはいけない「発音軽視」です。言語の勉強とは単語を覚えることだ。文法を覚えることだ。という思い込みが先行しているので、発音が下手になるのです。
発音が上手な人がやっていること
中国語発音が上手な人に聞きます。どうやって勉強していますか?
次のような答えが返ってきます。
yǐngzǐgēndúfǎ
1,影子跟读法
シャドーイング
tīngzìjǐ de lùyīn
2、听自己的录音
自分の録音された発音を聞く
上手な人は文法は本から勉強しても、発音は決して自分では勉強しません。おそらく聞いたことがない人も多いと思われる「シャドーイング」という方法を使うのです。
今回はシャドーイングという効果的な発音向上方法を解説しましょう。
シャドーイングとは
シャドーイングの英語はShadowingです。Shadowつまり「影」のように、聞こえてきた音声のすぐ後を追って発音するという練習方法です。
ネイティブが「我是日本人 (wǒshìrìběnrén)」と発音したら、すぐその後を追って耳で聞こえた発音と音程で繰り返すのです。
カエルの歌を歌うときだれかが「カエルの歌が~♪」と歌うと、別の人がすぐに「カエルの歌が~♪」と復唱するイメージです。
このシャドーイングをするときに、できれば耳に聞こえてくる音だけに頼って、「我是日本人」という文字を追わないほうがいいでしょう。文字を見ると文字に気を散らされるからです。
シャドーイングはなぜ良いのか
それは赤ちゃんが言語を覚える方法と一緒だからです。赤ちゃんは耳から聞いたお母さんの言葉をそのまま真似るという方法だけで言語を習得します。人間というのはそうやって言語を取得するように本来造られているというわけです。
シャドーイングで言語を勉強すると、正しい発音しか耳に入らないようになるため、脳裏に正確な発音のフレーズ、イントネーションがインプットされます。インプットされる前に変な思い込みを脳裏に入れてはいけないのです。
例をあげましょう。
猫の鳴き声は?
シャドーイングが重要な理由を例に挙げて説明しましょう。
日本人に「猫の鳴き声ってどんな鳴き声ですか?」と聞きます。おそらくみんなの答えは「ニャー」でしょう。しかしそれは日本人の思い込みです。
中国人に同じ質問をします。すると中国人はみんな「ミヤオ」を言います。中国人は猫の鳴き声は「ミヤオ」だと思い込んでいるのです。
しかし日本の猫と中国の猫の鳴き声が違うわけではありません。いずれの国の人も先入観で発音しているだけです。
最も正確に発音する方法は何ですか?先入観に縛られず、猫の鳴き声を聞いてまねることです。
動物の鳴き声で有名だった江戸屋猫八さんを知っていることも多いでしょう。彼は様々な動物の正確な鳴き声を身に着けるために、よく動物園に行っていたと語っています。
つまり動物の発する音をシャドーイングをしたのでリアリティーな発音ができたのです。
正確な発音は
中国語は声調言語です。発音の正確さが重要な位置を占めます。
上手な発音の中国語を身に着けたいのなら、自分で発音して勉強したい気持ちを押さえて、耳に正確なネイティブ発音を流すことにしましょう。耳に聞こえてきたものをそのままリピートするのです。それを効果がわからなくても続けるのです。
自分の録音された声を聴く
日本語においても自分は上手に話せていると感じていても、他の人からすると聞きづらい発音というケースは少なくありません。
声調言語である中国語はなおさらです。伝わる中国語の発音が身につくように努力が必要です。
発音が上手な人がやっていること
中国語の発音が上手な人は普通の人はなかなかしない以下のことをよくやっていました。
yǐngzǐgēndúfǎ
1,影子跟读法
シャドーイング
tīngzìjǐ de lùyīn
2、听自己的录音
自分の録音された発音を聞く
「シャドーイング」という耳に聞こえたネイティブ発音をそのまま真似るという方法を考えました。思い込み発音を避けるうえで重要な過程です。
今回は2番目の「自分の録音された発音を聞く」という方法を考察しましょう。
なぜ録音された自分の声を聞くのか
なぜ発音向上のために自分の録音された声を聞くのがいいのでしょうか?
それは自分が発音した声が、他の人に聞こえるのと自分に聞こえるのとでは大きな違いがあるからです。
知っておいたほうがいいことですが、自分に聞こえる声にはある程度満足していても、他人にはおかしな声に聞こえているということがありうるのです。
気道音と骨導音
自分が発生した声は、自分に2種類の音として伝わります。「気道音」と「骨導音」です。
気道音とは空気を通して伝わる音です。誰かが話すと空気に波が生じて、それを自分の鼓膜が感知し声として認識します。
骨導音とは自分が発生する際に声帯が揺れるのですが、その声帯の揺れが自分の骨に振動を与えて耳に伝わる音です。
骨導音を理解するために、ちょっと指で両耳の穴をふさぎ、「あいうえお」と発音してみましょう。結構大きな音で耳の中でこもった「あいうえお」が聞こえることでしょう。それが骨導音です。
自分が発声した時は、他の人には聞こえていないこの骨導音が耳に影響するために、周りの人とは違う形で聞こえるのです。
自分の録音された声を聴いてみると
自分で自分の声を録音し聞くと普段は聞こえている骨導音がない状態で耳に伝わります。
たいていの人が自分の声を聞いた感想は不好听(bùhǎotīng)つまり「変に聞こえる」ことでしょう。「自分の声はこんな風に聞こえていたのか…」とショックを受ける人が大半です。
つまり自分では上手に発音できているつもりの中国語も、録音されたものを聞いてみると聞いてられないという人は少なくないのです。
上手な人は繰り返し自分の声を聞いては訂正する
自分の発音を録音して聞くと落ち込みますが、上手になっている人は録音した自分の発音が満足いく領域になるまで、自分の声を録音しては訂正し、録音しては訂正しを繰り返します。
自分で録音した中国語の発音がある程度満足できる域に達したなら、きっと他の人も満足できるレベルになっていることでしょう。
面白いことに、中国語が上手でない人でも、他の人の話す中国語が上手かどうかは正しく批評できているケースが多いのです。実は自分の発音した中国語に対しても同じ批評を行えば、上手になります。
自分の発音を録音するときには忍耐が必要
今回は中国語発音を向上させる秘訣として「自分の声を録音する」という方法を考えました。
録音した自分声を一度聞いたら、この練習法はやめたくなりますが、忍耐してそれを乗り越えると確実に発音能力は上昇することでしょう。