中国屋台に欠かせない羊肉串

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中国に数ある「露天摊子」(lùtiāntānzi 露店屋台)の中でも欠かせない料理は何といっても羊肉串です。

焼き鳥より少し大きめのサイズに切った羊の肉を串に刺して炭火で焼いたものですが、一度その香ばしさを味わうと病みつきになること請け合いです。

中国屋台に欠かせない羊肉串

本場は中国北西部

炭火に炙られた「羊肉」(yángròu)の香ばしい煙、燻された肉の油と香辛料の独特の香りが漂ってくるだけで、摊子のある通りへ引き寄せられていく、これが「烤羊肉串」(kǎoyángròuchuàn 羊肉の串焼き・シシカバブ)の魅力です。

もちろんビール好きにはたまりません。「羊汤」(yángtāng 羊肉の寄せ鍋スープ)などの煮込み料理にすると気になる羊肉独特の臭みも、「烧烤」(shāokǎo 炙ったり焼いたりする肉料理法)にすると幾分気にならなくなる場合が多いようです。

とりわけ「新疆烤羊肉串」(Xīnjiāngkǎo yángròuchuàn)は中国全土にその名を馳せるほど有名で、各地にある「新疆特色料理店」(Xīnjiāngtèsèliàolǐdiàn 新疆ウイグル料理店)の看板メニューでもあります。

また「中医」(zhōngyī 中国医学)では羊肉に体を温める働きがあるため、秋から冬に食べると良い食品だとしています。

本場ならではの新疆烤羊肉串を求めて「新疆」(Xīnjiāng 新疆ウイグル自治区)へ旅行する人も少なくありません。

中国の木製テーブルの上のボウルにさまざまなスパイスが入っています。

味の決め手は「孜然粉」

羊肉独特の臭みを消し、香ばしさを極限まで引き出す決め手が香辛料です。

厨师」(chúshī 料理人)は羊肉串を炭火で焼きながら「孜然粉」(zīránfěn)をメインに「辣椒粉」(làjiāofěn 唐辛子)や「花椒粉」(huājiāofěn 山椒の粉)を肉の両面全体にたっぷりと何度もふりかけるのです。

この「孜然」(zīrán)は「维吾尔语」(Wéiwú’ěryǔ ウイグル語)です。中国語では「安息茴香」(ānxīhuíxiāng)または「小茴香」(xiǎohuíxiāng)といい、日本ではクミンシード(クミンの種子)として知られています。

この孜然を主に「大料」(dàliào)や「大茴香」(dàhuíxiāng)とも呼ばれる「八角」(bājiǎo スターアニス)、「桂皮」(guìpí シナモン)などを粉末にして調合したものが孜然粉なのです。

好みの「孜然粉」を作ってみよう!

中国では「市场」(shìchǎng 市場)の香辛料店や「超市」(chāoshì スーパーマーケット)で孜然粉を購入できます。

実は日本でも一般のスーパーで調達できる身近な材料で、自家製の孜然粉を好みの配合で作ることができます。一例をご紹介しましょう。

Yàozhǔnbèizīránsìshíkè,dàhuíxiāngsìkè,guìpísìkè,bā diàopí de huāshēngmǐshíkè。

要准备孜然40克,大茴香4克,桂皮4克,拔掉皮的花生米10克。

Bǎ guōshāokāixiǎohuǒ,jiāngzīránhédàhuíxiāngfàngrùgěitāchǎoxiāng,

把锅烧开小火,将孜然和大茴香放入给他炒香,

dàgàiliǎngfēnzhōng,shíjiāndàojiùlāochūzìránliángliáng。

大概两分钟,时间到就捞出自然凉凉。

Liáng le yǐhòujiāngcáiliàoquándōufàngrùdǎfěnjīlǐbian,

凉了以后将材料全都放入打粉机里边,

háijiā le liǎngdàosānkè de yánhébáishātáng、shìliàng de hújiāofěn、gālífěnshíkè,

还加了2-3克的盐和白砂糖、适量的胡椒粉、咖喱粉10克,

ránhòudǎfěnjīkāiguān。

然后打粉机开关。

クミンシード40g、八角4g、シナモン4g、皮を取った落花生10gを用意します。フライパンを弱火にかけ、クミンシードと八角を入れて香りが出るまで約2分炒めます。時間が来たら取り出して自然に冷ましましょう。

温度が冷めたらすべての材料をミルサーに入れ、2-3gの塩と砂糖、適量の胡椒、カレー粉10gを加えてミルサーのスイッチを入れます。

中国でグリルで串を準備している人。

自家製の孜然粉で烤羊肉串はいかが?

もし手に入るなら冷凍ではなく新鮮な生の羊肉を用意しましょう。

豚のバラ肉や鳥のモモ肉でも代用できます。ボールにためた清水で肉をていねいに洗います。脂の多い部分の肉と脂の比較的少ない肉に分けて、一口大サイズに切り分けてください。

串切りにした「洋葱」(yángcōng タマネギ)、「大葱」(dàcōng 長ネギ)、「生姜」(shēngjiāng ショウガ)の千切りを肉と一緒に混ぜ合わせ、好みの量の塩少々と醤油、少量の水を加えて15分ほど「腌渍」(yānzì 漬け込み)ます。

できればステンレス製の長めの串を用意し、脂身の多い肉と少ない部分の肉を交互に刺していきましょう。

焼き方に一工夫

バーベキューの要領で羊肉串を焼いていきますが焼き方に工夫があります。

串を1本ずつ並べるのではなく、10本ほどをまとめて手に持ち、扇形のように先をわずかに広げて網に載せます。肉同士が少々くっついていても構いません。

肉の表面が乾燥しすぎてしまわないように、焼きながら刷毛で油を塗っていきます。肉から油が滴るくらいまで焼けてきたら、自家製の孜然粉辣椒粉花椒粉をたっぷりふりかけ、裏面も同様にします。

最後にもう一度仕上げの孜然粉辣椒粉花椒粉をふりかけて完成です!

まとめ

残念ですが、中国では「烧烤の煙が大気汚染の要因になる」とか、「屋台販売は不衛生だ」などの声が上がったために、各地で路上販売が制限されることもありました。

「看板に偽りあり」で、実は羊肉ではない別の肉を使っていると批判されることもあります。でもいつか本物を食べに行きたいですね。

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