中国の次品(cìpǐn)文化:不良品の扱いが明かす中国のビジネス哲学

    1. 中国経済・社会

    同じ言語が話せても、中国人とは考え方が合わないと感じる日本人は少なくありません。

    日本人が大切にしている製品の質も外国ではさほど重要視されることではないのです。それはある中国語の表現からわかるのです。

    中国の次品(cìpǐn)文化:不良品の扱いが明かす中国のビジネス哲学

    日本製品の質

    製品の品質(质量:zhìliàng)の高さは日本の魂とも言えるものでしょう。日本人が嫌いと言っている外国人でも日本製品の品質の高さだけは認めているというものです。

    日本製品の質の高さは当たり前のように感じる「不良品」という言葉に現れているかもしれません。

    製品を作る過程で、一部の機能は果たしますが、完璧な商品ではないもの。それを日本では「不良品」と言います。

    日本社会において不良品は世に出されることはありません。不良品は廃棄の対象です。

    しかし中国においては問題のある商品、つまり不良品は廃棄対象ではないのです。それは不良品に当たる中国語から読み取れます。

    中国で男性が虫眼鏡で山積みの箱を調べている。

    不良品の中国語

    工場で大量生産すると必ず、検品(检点物品:jiǎndiǎnwùpǐn)の段階ではねられる商品が出てきます。

    日本では不良品として廃棄処分となるわけですが、中国ではなりません。なぜなら検品で引っかかった商品は次のように呼ばれるからです。

    cìpǐn

    次品

    不良品

    不良品のことを中国では「次品」(cìpǐn)と呼びます。日本語の漢字のイメージから次品と見てどんなイメージがありますか?

    「最良品ではないけど、その次の品」というイメージでしょうか。そう、そのイメージ通りなのです。日本語で表現すると一等品ではない「二等品」という言葉に合うかもしれません。

    中国の工場で検品に引っかかったものは次品と呼ばれ、正規ルートではない方法で販売されます。見かけに問題がないのであれば、裏ルートで安い価格で売られることも少なくありません。

    紙幣の上にある中国の通貨のロール。

    なぜ廃棄しないのか?

    日本人からすると「そんな不良品を市場に流したら会社の評判が下がるだけなのに、なんで廃棄しないのか」と感じることでしょう。

    でも中国人からすると「まだ商品価値がありお金になる可能性があるのに、なぜ廃棄する必要があるのか」なのです。

    すべては考え方の違いであり、中国人はなぜお金を儲けるのが上手なのかを説明する理由にもなるでしょう。

    中国のネットショッピングで、公式サイト(官方网站:guānfāngwǎngzh)ではないところで、正規品のように見えるけど、正規品の半値以下で売られているもの。それは上記のような次品、もしくは偽物の模倣品(伪造品:wěizàopǐn)である可能性がかなり高いわけです。

    中国では中国流

    日本の企業が中国の工場でモノを生産するときに、不良品をどうするのかという問題が必ず生じます。

    中国人が管理者の場合、どんなに日本企業の理念を教育しても、常に隙あれば不良品、中国流でいうと二等品の品をどうにか金銭に変えようと考えることでしょう。

    日本企業としての日本の品質を保たせたいのであれば、どうする必要がありますか?そう、日本人を管理者として送り込むほかはないのです。

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