中国で中国人と仕事をしているときに、とことん困ってしまうのが、中国人が間違いを認めようとしない時かもしれません。
誰がどう見てもその人が失敗したことは明らかですが認めようとしません。こういう時はどうすればいいのでしょうか?
明らかに中国人が間違いを認めない時の対処法
なぜ中国人は間違いを認めないのか?
言い逃れができないと感じるほど自分が失敗したことが明らかな状況でも、どうして多くの中国人は間違いを認めないのでしょうか?
日本人は誤解しがちなのですが、理由はひとえに以下の通りです。
wénhuàyǐngxiǎng
文化影响
文化の影響
中国人が間違いを認めたがらないのは、その中国人が高慢(高傲:gāoào)だからというよりは中国文化の影響を受けているためです。
中国はゆとり教育ではないので、子供の時から間違いをしてしまうと常に罰を受ける文化の中で生活してきました。中国や台湾、香港の青春映画では何か悪いことをしたことが見つかった生徒がよく腕を上げた状態で廊下に立たされたりするなど罰を受けている様子が映し出されています。
ですから大人になっても「間違いをしたらひどい罰を受けるので、間違いを隠そう」という考え方は抜けません。
実際中国において仕事をするときにある人が失敗を認めると、減給や降格などの多大の不利益を被ることになるのです。よく間違いを認めたと評価されることはほとんどありません。
中国ビジネスで失敗を認めると
中国は自分のミスも誰かに責任を押し付ける文化です。
例えば中国でよく話題に上がるのが、倒れているおじいちゃんをある若者が助けると、そのおじいさんから助けた人に「この人に倒されたんだ!」といちゃもんをつけられ、結局その助けた若者が賠償金を払うことになるというケースです。
中国人は自分さえ得すれば他の人はどうなってもいいと考える傾向があるので、誰かに責任を押し付けることさえできれば、すべてその人のせいにしてしまおうと考える文化の中で生きています。
ある人が自分で間違いを認めようものなら、自分の間違いだけでなく、あれもこれもそれも全部自分のせいにされてしまうと考えるわけです。だから間違いを認めようとしません。
中国人に間違いを認めてもらうには
でも日本人的にはビジネスで問題が生じたとき、問題の原因を確かめる必要があるので、正直にどこで間違いをしたのか言ってほしいことがあることでしょう。どうすれば中国人に間違いを認めてもらえるのでしょうか?
中国の間違いを認めたがらない文化は根強いので、正直に話してもらうようにするには時間がかかります。一番良い方法は…
kuājiǎngfàncuòzhǔdòngchéngrèn derén
夸奖犯错主动承认的人
進んで間違いを認めた人を褒める
「いやぁ〇〇さんが正直に申告してくれた。おかげで問題が早期解決できた。正直に自分の間違いを言うのは簡単なことではない。私も含め誰でも失敗はするものだ。〇〇さんは誠実で素晴らしい社員だ」
とにかく失敗をしたことを一切責めずに、正直に申告したことをみんなの前で褒めちぎるのが効果的なようです。
単純な中国人は「こういう上司なら…」と考え、次回からは正直にあれこれ失敗したと申告してくれるようになります。
人付き合いは文化を考慮
こうした文化を知らないと、表面上の事柄だけで「この人は謙遜じゃない、この人とは仕事ができない」と感じてしまうものです。
日本文化でも間違いを認めるのは簡単ではないでしょう。ましては間違いを認めると自分とは関係ない責任まで負わされかねない中国文化では間違いを認めるのは本当に容易でないのです。
ぜひ中国人とビジネスをするときは上記の点をよく理解したうえで接するといいでしょう。