中国産。何となく買いたくないという人も少なくありません。安全ではないイメージがあるからです。
安全でないといっても、農薬がたくさん使われているからという理由くらいしか思いつかないかもしれません。じつは知られていないこんな理由があるのです。
日本人は知らない中国食品が危険な理由
目次
中国野菜の販売期限
商品を効率的に売るには、できるだけ長い時間店頭における状態にすることが重要です。日本でもそのことは行われています。塩漬けにされたり、真空パック処理されたりするのです。
しかし中国ではできるだけ店頭に長く置くために、日本人の予想を超えた対策がなされています。
今回は幾つもある消費期限を長くする方法のうち、トマト(西红柿:xīhóngshì)、スイカ(西瓜:xīguā)、バナナ(香蕉:xiāngjiāo)の消費期限を長くする方法を見ていきましょう
トマトを長持ちさせる方法
中国のスーパーでは何か月も同じトマトを店頭に並べることができます。なぜでしょうか?
yīnwèiyuánláishìlǜ de xīhóngshìbǎizàipùzi
因为原来是绿的西红柿摆在铺子
本来緑のトマトを店頭に並べてるから
トマトというのは赤くなる前は緑です。中国では長い時間売るために、まだトマトが緑色の時に収穫します。しかしある方法を使ってそれを赤くしてしまうのです。こう解説されています。
zàiqīngsè de xīhóngshìshàngtú ” yǐxīlì” cuīhóngwèichéngshú de shēng de xīhóngshì
在青色的西红柿上涂”乙烯利”催红未成熟的生的西红柿
まだ青いトマトに”乙烯利”を塗る。するとまだ熟してないトマトも赤くなるのだ
なにやらあやしい乙烯利(yǐxīlì)というものを塗るといいらしいのです。
バナナを長持ちさせる方法
続いてバナナです。どうして長持ちさせるのでしょうか?実は全く同じ方法のようです。
つまり「本来ならまだ緑のバナナを収穫し店頭に並べる」ため販売期間を長くできるのですが、どうやって緑のバナナを黄色くするのでしょうか?
yǐxīlìcuīshúfǎ
乙烯利催熟法
“乙烯利”早熟法を使う
また出ました。乙烯利(yǐxīlì)です。どうも中国人はこの物体でまだ熟してないものを熟した状態にするようです。
スイカを長持ちさせる方法
最後にスイカです。どうして長持ちさせるのでしょうか?くどいですが、中が赤いスイカがずっと長く店頭に並べられるのは「本来は赤い状態ではないもの」を並べているからです。
どうやって熟していないスイカを赤くするのでしょうか?
xīguāyòng 100 – 300 mg / kg yǐxīlìróngyèpēnsǎyǐjīngchángzú de xīguā
西瓜用100-300mg/kg乙烯利溶液喷洒已经长足的西瓜
スイカに1㎏あたり100-300㎎ほどの”乙烯利” 溶液を吹きかければ立派なスイカになるのだ
またまた出ました。乙烯利(yǐxīlì)です。どうもこれが中国食品を長持ちさせるカギのようです。
乙烯利とは何もの?
本来店頭に並べることができない熟してない状態のものを、見かけだけ熟させることができるこの乙烯利(yǐxīlì)とはいったい何なのでしょうか?
yǐxīlìshìyìzhǒngréngōnghéchéng de zhíwùjīsù
乙烯利是一种人工合成的植物激素
乙烯利とは人工合成された植物ホルモンである
やっぱり怪しい代物でした。乙烯利(yǐxīlì)の英語名はethrelで化学式はC2H6CIO3Pだそうです。
化学式を日本語サイトで検索しても日本語名は出てこず、中国語のサイトばかりが紹介されます。つまり日本では使われておらず、中国では日常的に使われている薬剤のようです。
しかし頭文字2つの乙烯(yǐxī)は「エチレン」というものなので、なにかエチレン系の薬品なのでしょう。
身体への影響
心配なのは身体への影響です。盛んに中国サイトで言われているのは「少量であれば問題ない」というものです。しかし逆を言えば量が多くなれば危険ということでしょう。このような警告が与えられています。
guòliàngyǐxīlìbèishíyònghòu , kěfǔshíxiāohuàdào , zàochéngxiāohuàdàokuìyángděngjíbìng
过量乙烯利被食用后,可腐蚀消化道,造成消化道溃疡等疾病
乙烯利を摂取しすぎると、消化器系に悪影響を与え、潰瘍などになるよ
日本の八百屋に並べられている中国食品の危険性
上記のように頭の良い中国人は、できるだけ食品が見かけの良い状態で維持できるよう工夫を行ないます。日本の八百屋に並べられている中国産の野菜やフルーツは大丈夫なのでしょうか?
どうしてはるばる中国からコストが安めの船便で長い時間をかけて日本にやってきたのに、まだ店頭に並べられる状態なのかを考えると答えは明らかでしょう。
消費期限が長い食品には理由があるのです。
ゾンビ肉、ダンボール餃子、ホルマリン飼育のウナギなど、毎日のように中国食品の安全問題に関するニュースが報道されています。
これらのニュースは本当なのでしょうか?中国食品はどこまで危険なのでしょうか?
食品安全問題・中国人の反応
日本で報道されているニュースはほぼ事実です。しかし心配して中国人に「こんな報道があってるけど本当なの?」と聞いてみると、必ず下記のような返答が帰ってきます。
xiànzàizhōngguózhèngfǔ de guǎnlǐhěnlìhaiyīdìng bǐ yǐqián hǎo
现在中国政府的管理很厉害,一定比以前好。
いまは中国政府の管理が素晴らしいから、以前よりよくなっている
日本人が中国食品について話すと、多くの中国人は上記のような保守的な意見を述べます。
「日本のほうがすごいだろ」と自慢しているわけではないのですが、日本人が中国の食品問題を述べると、中国が批判されていると受け取るようで、反対の意見を述べたがります。
日本人より中国人が知っている
日本人が中国の食品安全を取り上げるのは快く思われませんが、中国人は中国に住んでいる日本人に中国食品には気を付けたほうがいいと教えてくれます。
ある日「今日は安いお店でビーフンを食べた」と話すと中国人が下記のようなアドバイス(提醒:tíxǐng)をくれました。
yǒusùliào zuò de mǐxiàn xiǎoxīn tài piányi de
有塑料做的米线,小心太便宜的。
何をアドバイスしてくれたのでしょうか?
米线(mǐxiàn)というのは「ビーフン」のことです。小心(xiǎoxīn)というのは「気を付ける」という動詞になります。太便宜(tài piányi)というのは「安すぎる」という意味になります。
安すぎるビーフンはどんな危険があるので気を付ける必要があるのでしょうか?
塑料做的(sùliào zuò de)は「プラスチックでできた~」という意味です。つまり「プラスチックで作っているビーフン麺があるから、安すぎる店は気をつけろよ」と注意してくれたわけです。
安すぎる麺類には気を付けましょう。
比較的安全な食品の見分け方
中国に行ったなら、中国の食品を食べるしかありません。比較的安全な食品を選ぶ方法を知っておきましょう。中国には安全な食品を見分ける表示があり、下記のようなものです。
lǜsèshípǐn
绿色食品
国が認定した安全食品
この表示があるのは国の衛生基準を合格したものとされています。スーパーで買い物するときはこの表示があるのを選ぶといいでしょう。
しかし賄賂がまかり通っている国ですから、この表示があるからといって必ず安全とは限りません。実際には自分の目で確認するのが一番確実な方法です。
安全な食品を入手方法
利益第一主義の中国ですから、スーパーで売っているものは、防腐剤、抗生物質、農薬、遺伝子組み換えなどの点で問題がある製品ばかりだと思ったほうがいいでしょう。
では中国人が安全な食品を手に入れたいときにどうするのでしょうか?
zìjǐzhòngcài
自己种菜
自分で野菜を育てる
自分で無農薬野菜を作るのです。もしくは親族や友人が無農薬で作った野菜や豚肉などをもらうのが確実な方法です。
そうした家族や友人がおらず、野菜を買うしかない場合はどうしたらいいですか?
その場合は時々農村からおじさんおばさんたちが野菜をもってきて路上で売っているのを見かけるので、その中から「虫に食われている野菜」を探して買うといいでしょう。
中国の農薬は強力すぎるので、農薬を使った野菜は全く虫に食われておらず見分け方は簡単です。
まとめ
これらの話を聞くと、日本人は「なんで中国は安全な食品を作れないんだ!」と批判したくなるでしょう。
でもこれは国の発展のため、生産性を第一にした中国がとった道なのでどうしようもないことなのです。国民性をよく理解している中国人も自国の安全問題についていつも嘆いています。
批判しても日中関係上何のプラスになりません。食品安全問題は事実として受け入れ、批判するのではなく中国の他の長所に注目するといいでしょう。