中国の歴史は何年でしょうか?
日本人はことあるごとに中国4000年の歴史と言います。日本人の感覚では一種の尊敬の意味も込めて「中国には4000年もの受け継がれた歴史がある」という意味で使っているのですが、なぜかこれを言うと中国人は怒るのです。
中国が4000年の歴史と言われる興味深い理由
目次
中国の歴史は5000年だ
日本人が中国の歴史が4000年ということを何気に話すと、中国人は必ずこう言います。
zhōngguó yǒu wǔ qiānnián de lìshǐ
中国有五千年的历史
中国には5000年の歴史があります
「何言ってんだ日本人!中国の歴史は5000年だぞ」と中国人は怒るのです。どうやら中国人は中国の歴史は5000年だと習っているそうです。
誰が決めるか中国の歴史
中国の歴史は4000年だ。いや5000年だ。最近の考古学者はいやいや3000年だとかいろいろ言う人がいます。
正直、何千年も前の昔のことは正確には分かりません。では、中国という国の歴史はどれくらいの長さかという問題において、誰の意見が採用されるべきなのでしょうか?
私たち日本人は日本の歴史は縄文時代からで、次は弥生時代だと習っていますが、ある中国人から「日本にそんな時代は存在していない、せいぜいと天皇が存在したと言われる古墳時代くらいだろう」と言われたらどう感じるでしょうか?
こう反論したくなるでしょう。
zìjǐ de shì zìjǐ juédìng
自己的是自己决定
自分たちのことは自分たちで決める
そうです。実際のところよく分からない日本の歴史の長さは日本人が決めるように、中国の歴史の長さも中国人が決めるのです。
中国の歴史の長さの争点
中国人が5000年と言っているのであれば中国の歴史は5000年なのです。争点となっているのは夏王朝(夏朝:xià cháo)が存在したのかどうかという点とその始まりはいつかという点のようです。
まずはアメリカの意見を見てみましょう。アメリカのウェキペディアには夏王朝は存在したかどうか分からないが、夏王朝が存在したとすれば西暦前2070年だとしています。
つまり中国の歴史の長さのアメリカの見解は、夏王朝が存在したと仮定して4000年とちょっとだという事です。
続いて中国の公式ネット辞書である百度百科(bǎidù bǎikē)で中国の公式見解を見てみましょう。
もちろん夏王朝が存在したとしています。しかもその始まりが西暦前2146年からとしています。つまり中国の公式見解では中国の歴史は4200年ほど前からということになります。
ちょっと待ってください。四捨五入すると4000年なのに、なぜ中国人は中国の歴史は5000年と言うのでしょう。
中国人の見解・中国の歴史5000年の理由
それは中国の子供たちが中国の歴史を学ぶための本の題名が、次のようなものだからです。
zhōngguó shàngxià 5000 nián
中国上下5000年
1979年に子供向けに発表された「中国上下5000年」という本は、中国人が中国の歴史を学ぶための代表となるような本です。内容がとても分かりやすいこの本は今でも教育の場で用いられています。
その本の主題が5000年となっているので「中国の歴史=5000年」が中国人の頭に刷り込まれているというわけです。
刷り込みだろうが何だろうが中国人が5000年と思っているのであれば、中国の歴史は5000年です。
おそらく夏王朝が西暦前2146年からあったということは、それを形成する中国人たちがそのかなり前からいただろう、それを加味して5000年という論理なのかもしれません。
日本人の見解・中国の歴史4000年の理由
では続いて日本人が中国の歴史は4000年と思っている理由に注目しましょう。なぜ日本人は4000年だと感じるのでしょうか?
それは1981年に販売されたインスタントラーメン「中華三昧」のCMの影響のようです。
コピーライターの糸井重里さんの考えだした以下のフレーズが、当時のCMによって日本人の頭に刻み込まれました。
中国4000年の幻の麺 中華三昧
そう、日本人が中国の歴史が4000年だと思っているのも、単にインスタントラーメンのCMの刷り込みのようのです。
相手に対する尊重で生まれる平和
中国人が中国の歴史は5000年だと思っているのは、単に本の題名の影響で、日本人が4000年だと思っているのは、単にCMの影響というわけです。結局中国の歴史はどれほどあるのかは大昔ことなので分かりません。
少なくとも言えるのは、世界が平和であるために基本的に必要なのは、「相手の国の意見を尊重する」ということです。よって中華三昧CMの影響を受けていた筆者も今後は中国人たちの考えを採用し、中国の歴史は5000年としたいと思います。