中国十大料理のような名物料理として名を連ねるわけではないものの、中国各地には美味しいものがたくさんあります。とりわけ食へのこだわりで名を馳せるのが天津人です。
租界跡などの景勝地もありますが、天津ではぜひ「食」を楽しんでいただきたいものです。
中国・天津人の食へのこだわりの秘密
全国的にも認知されている?
少し古い言い回しですが、中国ではそれぞれの都市の特徴を表すこんな言い方が今でもよく知られています。
Chuān zài Shànhǎi,wán zài Běijīng,chī zài Tāinjīn,
穿 在 上海,玩 在 北京,吃 在 天津,
yìsi jiùshì Shànghǎi de yīfu shíshàng hǎokàn,Běijīng míngshèng gǔjì duō,Tiānjīn hāochī de duō。
意思 就是 上海 的 衣服 时尚 好看,北京 名胜 古迹 多,天津 好吃 的 多。
着るなら上海、遊ぶなら北京、食べるなら天津。これは、上海のファッションは流行のもので体裁もよい、北京には名所旧跡が多くあり、天津には美味しいものがたくさんあるという意味なのです。
またこんな言い方もよく知られています。
Běifāng yǒu jù súhuà,jiào zuò“jīng yóuzi、wèi zuǐzi”,
北方 有 句 俗话,叫 做“京 油子、卫 嘴子”,
qízhōng“wèi zuǐzi”zhǐ de shì Tiānjīnrén,yě dàibiǎo le Tiānjīnrén de liǎng ge tèzhì,
其中“卫 嘴子”指 的 是 天津人,也 代表 了 天津人 的 两 个 特质,
yī shì néng shuō,èr shì néng chī,jiùshì zhǐ Tiānjīnrén tèbié jiǎngjiu chī。
一 是 能 说,二 是 能 吃,就是 指 天津人 特别 讲究 吃。
中国北方地方には「京油子(海千山千の北京人)、卫嘴子」ということわざがあります。
その中の「卫嘴子」は天津人を指していて、天津人の二大特徴、よくしゃべり、よく食べることを表しています。確かに天津人は食べることにとりわけこだわりがあります。
どうやら随分前から天津人の食へのこだわりは全国的に認知されているようですね。
外食の消費額も全国第一位!
収入の多い少ないにかかわらず、食をこよなく愛する天津人の特徴は外食の年間消費金額でも明らかです。
2016年度の中国外食産業の年度報告から一人当たりの年間外食消費金額を比較してみましょう。
- 天津:5363元(日本円で約96500円)
- 上海:4432元(日本円で約79700円)
- 北京:4226元(日本円で約76000円)
何と上海人に16000円以上もの差をつけて、見事に断トツで天津人が第一位ですね。
美味しいだけじゃない-量が多くて激安!
上海出身の朱さんが旅行で天津を訪れた時のエピソードを話してくれました。
天津出身の友人から、美味しいものはいろいろあるけれど、天津ではぜひ「天津早点」(Tiānjīn zǎodiǎn 天津の朝ごはん)を食べるよう勧められていたようです。
Péngyou hái gàosu wǒ,zài Tiānjīn chī zǎodiǎn búyòng qù zhǎo shénme zhùmíng de wǎng hóng diàn,
朋友 还 告诉 我,在 天津 吃 早点 不用 去 找 什么 著名 的 网 红 店,
jiù suíbiàn zài jūmín shèqū lǐ zhǎo yī jiā kànqilai hěn pǔbiàn de zǎocān diàn,
就 随便 在 居民 社区 里 找 一 家 看起来 很 普遍 的 早餐 店,
rúguǒ kàn jiàn hěn duō dāngdì rén zài lǐmiàn chī jiù gèng hǎo le,
如果 看 见 很 多 当地 人 在 里面 吃 就 更 好 了,
zài zhèyàng de zǎocān diàn lǐ chī zǎodiǎn,jì piányi yòu dìdao。
在 这样 的 早餐 店 里 吃 早点,既 便宜 又 地道。
友人は更に、天津で朝ご飯を食べるなら何もネットで有名になっているような店を探すには及ばない、むしろ適当に一般居住区の見たところ普通に見える朝食を提供する店に入ればいいと教えてくれました。
もし大勢の地元の人が店内で食べているなら、なおさら良い、そういう店で食べるほうが安くて地元の本当の味だからというのです。
朱さんは「油条」(yóutiáo 中国風長揚げパン)を一本、「豆浆」(dòujiāng 豆乳)と「天津锅巴菜」(Tiānjīn guōbā cài)をチョイスしました。
「天津锅巴菜」は緑豆と粟を原材料にした太めの平面に胡麻ベースの濃いタレをかけ「香菜」(xiāngcài 中国パセリ)などを混ぜて食べます。
そのあまりの量の多さに朱さんは昼ごはんもいらないと思うほどでした。
しかも「结帐」(jié zhàng お勘定)の際には上海でなら12~13元(日本円で230円前後)はする量だったのに、たったの5元(日本円で約90円)だったため、なおビックリ。リーズナブルな天津早点の虜になったようです。
まとめ
天津早点はなんと30日間、毎日違うメニューを食べても食べ切れないほど種類があると言われています。いったいどんなメニューがあるのでしょうか?
おすすめメニューを紹介している「これは食べておきたい天津早点のおすすめメニューその1」もご覧ください。