中国人が自分たちは勤勉だと思う理由

    1. 中国経済・社会

    日本人は自分たちのことを勤勉な国民だと思っています。見えないところでも懸命に働くからです。

    見えないところでは仕事をしなさそうな中国人ですが、実は彼らも自分たちを大変勤勉な国民だと思っているのです。どんな理由でそう感じているのでしょうか?

    中国人が自分たちは勤勉だと思う理由

    日本人は勤勉

    世界的に見ても日本人は確かにまじめで勤勉(勤奋:qínfèn)とみられています。欧米諸国の人から見ると日本人は家族の時間よりも仕事を優先させる傾向があるとみられているようです。

    まだまだ日本には「仕事>家族」という構図があり、子どもの運動会よりも仕事の会議を優先させるのは当然と思われているでしょう。

    育児休暇がまだまだ取りにくいとみなされているのも、仕事が第一というのが日本の社会観念である証拠です。

    日本でサービス残業(免费加班:miǎnfèijiābān)が問題視されていますが、自分に任されたプロジェクトを完成させるために、自ら進んで残業するのは当然とも思われており、ほとんどの勤勉な日本人は普通にサービス残業しています。

    そう、日本人は「会社のために人生を捧げる国民性」ゆえに勤勉なのです。

    日本の勤勉さに対する中国人の反応

    中国人に「日本人はこんなふうに勤勉なんですよ」と話すと決まってこう言われます。

    zhōngguórényěhěnqínfèn

    中国人也很勤奋。

    中国人も勤勉ですよ

    これは中国人お決まりの思考過程「中国vs日本」から来たものです。同じようにアメリカのことを褒めると「中国vsアメリカ」のスイッチが入り、「中国も…」と反論してきます。

    別に中国と競争しようと思って日本の状況を話したわけではありませんが、中国4000年の歴史の思考パターンなのでしょうがありません。

    しかし中国に住んだことがある日本人はどうしても解せません。「じゃぁ分かった。どうして中国人は自分たちも勤勉だと感じるのか」と質問したくなります。なぜなら…

    説明: 上に 1 本の鉗子が付いています。
关键词:中国

    中国人が自分は勤勉という理由

    日本人からするととても勤勉とは感じない中国人の労働態度

    中国のニュースでよく話題になっているのが中国人の労働態度です。

    中国では老板lǎobǎn)といわれる経営者がいるときは、しょうがなく働きますが、経営者がいなくなったら、みんなネット上で自分の個人的な商売を始めることが問題になっています。

    日本人からすると会社からお金をもらっている時間なのに、個人的な自分の商売を行なうのは倫理違反だと感じますが、中国人の考え方は全く違うのです。

    guòláigōngsījiùshìwǒ de gōngzuò

    过来公司就是我的工作

    会社に来ることこそが自分の仕事だ

    会社に来てタイムカードを押せば給料は発生し始めます。中国人にとってはこれこそが仕事なのです。もともとお金のためだけに会社に来ているのですから、目的は達成しています。

    合理的な中国人従業員のほとんどには「見えないところでも勤勉に働く」という概念はありません。むしろタイムカードを押してお金が発生している状態で他の仕事をして、さらにお金を稼ぐことが合理的なのです。

    中国人を働かせるために

    この社会的な問題を防ぐために中国企業の多くは会社内に監視カメラシステム(监视控制系统: jiānshìkòngzhìxìtǒng)を導入し、いろいろな角度からカメラで従業員が仕事中に他のことができないように監視をしています。

    こんな仕事への態度なのに、中国人はそれでも自分たちは勤勉な国民だと感じているようなのです。

    日本人からすると、失礼ですがどの口がそうおっしゃるのですか?と感じてしまうので、次の質問をすることを禁じえません。

    nǐjuédewèishénmeshuōzhōngguórénhěnqínfèn

    你觉得为什么说中国人很勤奋?

    どうしてあなたは中国人が勤勉だと感じるのですか?

    その答えを聞くと、中国人が堂々と自分たちのことを勤勉だと感じる理由があることに気づきます。

    時計の周りに人が立っている画像。

    中国人の勤勉さとは?

    中国人はこう答えます。

    yīnwèizhōngguóréntiāntiānjiābān , pīnmìngzhuànqián

    因为中国人天天加班,拼命赚钱。

    なぜなら中国人は毎日残業して、命を削って金儲けするからね。

    なるほど、中国人にとって勤勉さとは「機会を逃さずお金儲けをすること」なのです。

    世界的に見ても中国人は長時間残業する国民です。それは会社のためというよりかは時間を無駄にせずにお金儲けをするためなのですが、ここまでお金のために努力している自分への評価が「あー自分は何て勤勉なんだ」となるわけです。

    すべては考え方の違いが生んでいる誤解なのですね。

    グローバル視点もいいかも

    今回は勤勉とは何か?という考え方の違いを考えました。

    日本人は自分たちの仕事へのまじめな考え方が正しいと信じていますが、中国人だけでなくアメリカ人やヨーロッパ諸国の人に「いずれリストラされるかもしれないのに、日本人はそこまで会社に忠節を尽くしてどうするの?」と思われているようです。

    すこしグローバル視点から、自分の仕事への考え方を見るのもいいかもしれません。

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