中国人が日本に行ったら買って帰るものの一つに電気炊飯器があります。もちろん中国にも炊飯器があるのにどうして日本製を欲しがるのでしょうか?
それはお米を炊く以外のある方法で使うためなのでした。
中国人は日本で買った炊飯器を意外な方法で使う
炊飯器は日本語、中国語は?
炊飯器をそのまま中国語読みして炊饭器(chuīfànqì)と発音したところで中国人は何のことかわかりません。炊飯器を中国語で何と言うと思いますか?
shāofànjī
烧饭机
炊飯器
となります。
中国語の「烧」(shāo)は日本語で「燃」「焼」という漢字に当たりますが、文字通りの「火で燃やす」以外に「炒める」「水炊きする」という意味もあります。
机(jī)は日本語の「機」という漢字に相当し、電気で動く機械類全般につく言葉です。中国語の「器」(qì)には 基本的に「器」(うつわ)という意味しかありません。
中国語と日本語は同じ漢字でも含まれる意味が違うので注意しましょう。
場所によっては炊飯器のことを电饭锅(diànfànguō)という場合もあります。
日本製の炊飯器と中国製の炊飯器
日本製の炊飯器をこぞって買いたがる中国人ですが、中国製の炊飯器は日本製とどこが違うのでしょうか?
yīnwèizhìliànghǎoyíngdéxìnlài
因为质量好、赢得信赖
質が良いので信頼を勝ち得ている
理由は単純です。日本製を欲しがるのは質がいいからです。
日本製炊飯器への信頼
中国人は日本製商品に厚い信頼を寄せています。日本性の製品を使った中国人はその商品性能や丈夫さを認めているので、信頼を「赢得」(yíngdé)つまり「勝ち取っている」のです。
近年中国は自国製品も日本製品と同じ質になったと盛んに強調しますが、それは日本製品は高品質だと思っている裏返しでもあります。
同じように質が高いはずの中国製があるのに、それでも日本製を買うのは実は心の中では本当は日本製のほうがいいと思っている表れでもあります。
実際日本の炊飯器は釜の作り、材料などがすべて「どうすればおいしくご飯を炊けるか」を追求したものなので、そうした日本の企業姿勢に信頼を寄せているのかもしれません。
炊飯器はお米を炊くとは限らない
厚い信頼を寄せて中国人は日本に来たら必ずと言っていいほど炊飯器を買って帰ります。しかしその炊飯器で炊くのはお米とは限りません。何を炊くのでしょうか?
jīròu
鸡肉
鶏肉
お米ももちろん炊くのですが、多くの中国人が口をそろえているのは「日本製の炊飯器で鶏肉を炊くとおいしい」という事です。
炊飯器に水、醤油、塩を入れて、その中に全鸡(quánjī)といわれる「鶏肉一匹」(皮をはぎ内臓をとりのぞいたもの)を放り込みます。
日本製の炊飯器だと鶏肉はきれいに炊きあがり、できたスープは絶品だと中国人の間では評判です。
そう、このように日本製の炊飯器は釜全体にしっかりと圧がかかって、おいしく出来上がるようです。
日本製のものはしばらく売れ続ける
このように日本製の質の高い製品は、世界中で思わぬ方法で愛用されているものです。その根底には「日本製の製品を使えば一番いいものができるに違いない」という信頼を勝ち得ていることにあるでしょう。
中国製の安くて高品質の商品が世界を席巻していますが、日本メーカーも最高品質のものを作るというポリシーさえ捨てなければ。まだまだこれからも購入され続けることでしょう。