車は優れた交通手段です。自分で好きな時に出発して自分の望む目的地に直接到達できます。しかし中国人が車を買う主な動機は、便利だからではありません。
日本人からするととても意外な理由で車を購入しようと思うのです。
中国人が車を購入する意外な動機
経済的でない車
日本人が車を買うのは車が便利で経済的だからです。東京から横浜まで電車で行くと500円近くかかりますが、ガソリンですと27㎞の道のりなのでリッター10キロの車でも300円ほどで着いてしまいます。
中国において車(汽车:qìchē)に乗るのは決して経済的なことではありません。なぜなら他の交通手段で言ったときのほうが値段が安くつくからです。
中国でもガソリン代は日本と同じですが、先ほどの東京から横浜くらいまでの距離を地下鉄(地铁:dìtiě)で行くとわずか5元(75円)で行けます。バス(公交车:gōngjiāochē )ならわずか片道2元(30円)しかかかりません。
明らかに経済的ではないのに中国人は車で行動したがるのです。
中国人が車を購入する動機
中国人が車を購入するときの主な動機は日本人とは違って以下のようなものです。
gòumǎiqìchējiùshìdìwèigāoguì de xiàngzhēng
购买汽车就是地位高贵的象征
車を購入するのはステータスシンボルのため
車を持つと自分が好きなところに乗り換えなしに直接行けるから便利ではありますが、むしろ中国人が車を購入する主な動機は、自らのステータスを保持するためです。
「自分は車を維持できる経済力があります」と世間に知らしめるために、みんな車を購入します。
しかし中国人といっても自分を大きく見せたい人ばかりではありません。謙虚な人でも車を購入しなくてはいけないお国事情があるのです。
結婚するための条件
中国人女性が結婚する相手に求める条件として「有房有车」(yǒufángyǒuchē)というものが良く挙げられます。
房(fáng)は「家」を表す「房子」の「房」で、车(chē)は「車」という意味です。つまり持ち家と自家用車がないと、一人前の男として認めてもらえず結婚できないというのが中国文化なのです。
それで中国人男性は必死になってどうにか車と家の頭金だけを稼ぎ、それはそれは効率の悪い長期ローンを組んで購入し、人生借金の奴隷になります。
そう、中国人が車をローンを組んでまで購入する理由は「結婚したいから」なのです。
中国人が車を購入新たなる動機
上記のようにすべての男性が経済力に見合わずとも必死で車を買うので、中国には車が溢れるようになりました。
しかも中国人がステータスのために購入するのは2000CC以上の排気量が高い車なので、最近はそのせいで大気汚染が深刻化しました。
この問題に対処すべくしばらく前から都市政府は以下のような法律を打ち出しました。
qìchēxiànhàoyígejīshùhuòyígeǒushù
汽车限号一个奇数或一个偶数。
車のナンバーを奇数もしくは偶数に限定する
今日はナンバープレートの末尾が偶数の車だけ走ってもいい。明日は奇数の車だけ…
主な目的は大気汚染の深刻化を防ぐためだったのですが、この規制が中国人に新たな購買意欲を沸かせます。
車の2台所持
お金を持っている中国人は政府がそういう規制をするならばと、ナンバープレートの末尾が偶数と奇数の車を2台所持するようになりました。
すでに車があるにも関わらず、毎日乗るためだけにもう一台車を買うというのは日本人では理解できない購買動機です。
しかし当の中国人は「いやいや困ったよ。こんな規制があるから2台所持しなくちゃいけない」と言いながら顔は嬉しそうです。そう、車2台持ちは自分が金持ちをアピールできる絶好のチャンスだからです。
購入動機は文化の違い
このように何かの商品を買おうという思うのにも中国人と日本人では全く動機が違います。
中国人を理解し喜んでもらうためには、日本人の感覚だけではなく、この中国人独特の上記のような考え方に立つことが助けになることでしょう。
※2021年1月の情報です。