中国では細かい著作権は気にされません。外国ではモラルの問題でNGなことでも、中国では法で厳しく罰せられない限り問題ないとされ、チャイナリスクといわれます。

今回は中国人がどのようにお金をかけずに外国のゲームをしているのか見てみましょう。

中国人がお金をかけずに外国のゲームを楽しむ方法とは？

お金をかけずに違法にゲームする中国人の心情

中国人大学生の多くは、いわゆる違法（违法:wéifǎ）な方法でお金をかけずにゲームをします。しかしお金がないわけではありません。

中国人は合理的なので、お金をかけずにゲームできる方法をあるのに、無駄にお金を払う意味が分からないのです。

彼らはどのようにお金をかけずにゲームをするのでしょうか？

中国には中古ゲーム機やソフトを売っているショップのようなところはありません。そこでウインドウズより前のPC98シリーズやファミコン、スーパーファミコンなどの往年のゲームをしたいときはどうするのでしょうか？

中国には模拟器（mónǐqì)と呼ばれる、ウインドウズ上で以前のゲーム機を作動させてしまうソフトウェアがたくさんあります。日本語ではエミュレーターといいます。

学生たちは当たり前のように違法ソフトをダウンロードし、エミュレーターを使って往年のゲームを無料で楽しみます。

しかしできれば往年ゲームより最近流行りのゲームを行ないたいことでしょう。どうするのでしょうか？

世界の常識ではIOS系のゲームはアップルショップ（苹果商店:píngguǒshāngdiàn）にて、Android系のゲームはGoogle Play（谷歌play:gǔgē Play）で購入するのが基本です。

著作権を守ることが当たり前である日本では、お金をかけずに有料ゲームをするという発想さえ浮かびませんが、中国人学生たちは特殊なアプリを使って下記のことをしてしまいます。

不通过app store、直接安装IOS应用程序
アップルストアを通さずに直接IOSアプリケーションプログラムをダウンロードする

そう、中国ではアップル社のアプリでさえ、無料でダウンロードされてしまうのです。

ある時日本語を教えていた中国人学生とアメリカのあるソフトの使い方について話していました。その時生徒が自慢げにこう言いだしました。

「先生知ってますか？こうやってアップルストアを通さずにダウンロードする方法があるんです。お金がかからないですよ」

驚きましたが、著作権を守ることが当たり前と思っているので、正義感に駆られ「それはアメリカのものを泥棒するのと一緒だよ」と注意しました。

生徒は鼻で笑い「中国にこういうソフトが公然と存在していて、それを国が罰していないという事は合法という事なんです」と述べ、むしろ外国人である先生が中国のことをよく分かっていないという論議を始めました。

そうです。多くの中国人はモラルとしてどうかではなく、これをしたら罰せられるか、これをしたら得かどうかという合理的な考え方をしているのです。

最近のほとんどのゲームはWIFI環境が必要です。しかし家にいない時は無制限WIFIがないでしょう。携帯のデザリング（热点:rèdiǎn）も最近のネットゲームは通信量をそれなりに消費するので、できれば使いたくありません。

そこで使うのがこれです。

mìmǎwànnéngyàoshi
密码万能钥匙

密码（mìmǎ）はパスワード、万能钥匙（wànnéngyàoshi）は万能キーという意味です。これは「パスワード付きのWIFI電波を拾ってつないでしまうアプリケーション」の総称です。

ただ一つ決まりがあって、パスワードを解読して他人のWIFIに勝手に繋いでくれるものの、その解読したパスワードはアプリ上に表示されることはありません。

「内緒であなたのWIFIにつながせてもらうけど、パスワードは分からないからいいでしょ」という中国独特の良心感覚なのです。

もちろんそのようなアプリでも複雑なパスワードは解読できません。中国に行くとき自分の家のWIFIパスワードは、アルファベットの大文字小文字数字に記号も含めた複雑なものにしましょう。

今回は、中国人学生がどのように無料でゲームを行なっているかを紹介しました。

ですがこれは、中国で今のところ罰せられることがないだけの方法です。日本で同じことを行なうと立派な犯罪なので注意しましょう。

しかしどうでしょう。ゲームのやり方ひとつをとっても中国人の合理的思考が垣間見れるのではないでしょうか？