中国人は一つの大きな家族という日本にない感覚

  1. 中国歴史・民族

日本人が中国に言って驚くのは、中国人は一つの大きな家族という感覚をもっていることです。日本は島国でお互いを気遣う文化ではありますが、見知らぬ日本人を家族とは見ていません。

中国人同士がお互いを家族と感じているのはどうしてですか?

中国人は一つの大きな家族という日本にない感覚

中国人は大家族

全く知らない女性がバスで隣の席に座ります。どうも自分より少し年齢が高い人のようです。その人の買い物したものが気になります。すると中国人は全く知らない人であるにも関わらずいきなりこう話しかけるのです。

ēijiějie

欸,姐姐

ēi)というのは、「ねぇ」とか「あのうさぁ」という誰か親しい人に話しかけるときの一言です。姐姐jiějie)というのは「姉さん」という意味になります。

全く知らない人なのに一つの家族のように感じているので、「あのう姉さん、その商品どこで買ったの?いくらだった?」と気軽に話しかけるのです。

「あーこれ?どこどこのスーパーでいまセールやってるのよ。いつも50元のところ今日は25元だったのよ」などとまるで家族のように知らない人と話し始めます。

緑のハートの周りに人々が集まっている、中国をテーマにした絵。

日本人にも家族のように

皮膚の色が同じである日本人にも、家族のように話しかけてきます。

40代男性である筆者は、見ず知らずの中国人から急に「欸,叔叔」(ēishūshu)と話しかけられます。

直訳すると「ねぇ、おじさん」となりますが、これは中年男性に対する軽蔑の意味は全くありません。中国人は親しみを込めて家族を呼ぶ時に使う「おじさん」という言葉を使ってくれているのです。

本当はまだ哥哥gēge)つまり「お兄さん」と呼ばれたい難しい年ごろなのですが、正直な中国人から「叔叔」(shūshu)と呼ばれて自分が中年オヤジであることを思い知る良い機会となります。

中国人は話している相手が日本人とわかったとしても、家族という意識を捨てるわけではありません。引き続き家族のように話してきます。中華民族だけでなく世界の人を家族とみる素敵な価値観を持っているのです。

なぜ中国人はお互いを家族とみなすのか?

これは昔からの習慣からかもしれませんが、教育の結果でもあるようです。中国では盛んにこのようなうたい文句が公共の乗り物で流されます

zūnlǎoàiyòushìzhōnghuámínzú de chuántǒngměidé

尊老爱幼是中华民族的传统美德

老人を敬い子どもを愛するのは中華民族の伝統的な美徳です

このように「中華民族たるものこうしよう!」という宣伝がいたるところでなされています。

さらに中国のニュースではお互いのことを同志(同志:tóngzhì)と呼び合っています。「毛沢東同志はこういいました」「習近平同志は〇〇を訪問し…」という感じです。毎日のように中華民族は一つの仲間、家族であるという意識を刷り込まれているのです。

しかしこれは国家としての連帯感を生み出しているのでよい成果でしょう。

中国で親指を立てるビジネスマンのグループ。

お互いの長所を認める

中国人は日本は清潔だ、日本のアニメはクオリティーが高いと日本の良い点を認めてくれます。日本人からすると「エッヘン、当然だ」と感じるかもしれません。

しかしお互い家族のように接し、知らない人とも距離を置かないという素敵な習慣は中華民族が誇りとしてもよい素敵な習慣です。日本人は中国人のことをもっとよく知り、お互いにそれぞれの文化の長所を認め合えるとよいですね。

中国人が奇妙なほど一致できる理由

国の対策で都市の隔離処置や移動規制がなされたとき、中国は驚くほど統制が取れていると感じる人は少なくありません。

日本人は共産党の力が強いからだと感じる人も多いでしょうが、実は力が強いだけではない中国ならではの方法があるからなのです。

中国人を一致させるポイント

中国で生活していると感じますが、一党支配の共産党はどんな時も権力にモノを言わせて国民を従わせているのではありません。

権力以外の以下の方法で中国人の考え方を一致させ、統制を保っているのです。

guànshūzhōngguóguómíndōushìyìjiārén de sīwéi

1、灌输中国国民都是一家人的思维

中国人は家族だという意識を持たせる

xuānyángzhōngguówěidà

2、宣扬中国伟大

中国は偉大だと繰り返し伝える

zhǎngwòzhōngguóguómín de xiǎngfǎ

3、掌握中国国民的想法

中国国民の考え方を把握している

これら3つの統制と保つ方法をみていきましょう。

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中国はひとつの大きな家族

以前中国人は一つの大きな家族という日本にない感覚」という記事でもお伝えした通り、中国国民は「自分たち中華民族は一つの大きな家族」という感覚を有しています。

これは知らない老人に対して自分の家族のように席を譲ったり、たまたま隣にいる人とも家族のように話せるなど、中国国民の独特の長所として表れています。

この「ひとつの家族」というのは他の国ではない中国独特の感覚です。ひとつの家族という感覚が全国民にあるので、国家が危急の時には一致団結して立ち向かおうとなるのです。

中国は偉大という感覚

「中国国民は自分たちの国は偉大だ」と考えています。でもそれは日本や韓国、アメリカ、どの国民でも一緒でしょう。自分が育った環境や文化を愛していて、母国語で意思を通わせることができる町や国民を素晴らしいと感じるのです。

ただ中国が他国と違うのは「中国は偉大だ!」という宣伝が繰り返しなされているのでその感覚が他国より強いことです。

中国でバスに乗るとテレビ番組で放送されているのは「伟大的中国」(wěidà de zhōngguó)、つまり「偉大なる中国」と繰り返し語り、中国の発展、文化、軍事力、結束力などがいかに優れているかを宣伝する番組です。

家に帰ってほっと一息、ドラマを見ようと思うと放送されているのは、以前日本軍の進撃に対して、偉大な中国軍が一致結束して立ち向かい勝利を収めたという「抗日」(kàngrì)と呼ばれるドラマです。

小中高大学では中国がどれほど他国より優れているのか教えられ、国をたたえる「红歌」(hónggē)と呼ばれる曲を共に合唱します。

こうして自然と国民に「中国は偉大」というイメージが植え付けることによって、「中国国民としての誇り」で一致団結させているのです。

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自国民の思考を把握

最後に取り上げるのは、中国政府が自国民の思考に沿って行なっているということです。中国政府は「この国民はどう言われたらよく従うのか」よく把握しています。

例えば、2021年の春節の時にウィルスが広がらないために大移動してほしくない政府はこう発表しました。

nóngcūnfǎnxiāngrényuánshíxíng 14 tiānjūjiājiànkāngjiǎncè

农村返乡人员实行14天居家健康检测

故郷に帰った人は14日間家で待機しなければならない

さらに自費でウィルス感染検査を受け「自分は陰性です」という証明書を発行してもらい、国の機関に提出することが義務付けられました。

検査にお金がかかる上、14日も隔離されるなら仕事に影響も出るうえ、ほとんど実家で過ごせないと判断した中国人はその年は帰るのを諦めました。

それだけではありません。「もし帰郷せずに自分の町に留まるなら、春節期間だけ使えるお年玉商品券をあげますよ」としたのです。

あんなに春節だけは故郷に帰ることを重要視していた中国人ですが、たくさんの金銭的なメリットをちらつかせることで、喜んで政府の指示に従わせることに成功したのです。

中国政府は「今年の春節は帰郷してはいけない」と命令を出すこともできたと思いますが、そうではなく中国国民の特性を掴み、自らの意志で今年は帰郷しないという選択をさせたのは知恵のある方法でしょう。

それぞれの国にはそれぞれの国のやり方が

今回は中国が上手に国民を統率させる方法を学びました。外国人からすると中国人の一致は奇妙に思えるかもしれませんが、上記のような方法で統率が取れているというわけです。

中国だけでなく、他の外国に行ったときもこのような独特の国民感覚というものに接することでしょう。中国政府同様それを掴むことが、その国で周りの人とうまくやっていく早道なのかもしれません。

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