中国医学は古いものと決めつけてはいけません。中国医学の中にも、現代生活に役立つ考え方がたくさんあり、あらためて見てみるととても参考になるものがあります。
今回は中国では当たり前のように浸透している中国医学の3つの考え方に注目してみましょう。
中国医学で健康を維持する方法!簡単に実践できる考え方と習慣
目次
日本でも効果がある中国医学の考え方
中国医学には人間の身体のつくりを研究したものです。そのためそこで発見された不変の原則は今の生活でもとても役立ちます。
ではいまも中国人がいつも勧める中国医学に基づく考え方を3つ紹介しましょう。
duōduō hē shuǐ
多多喝水。
bú yào hē bīng de
不要喝冰的。
yòng rè shuǐpào jiǎo
用热水泡脚。
それぞれどんなことを勧めているのでしょうか?
たくさん水を飲みなさい
中国人がいつも口にする言葉なのでに聞いたこともあるかもしれません。「多多喝水」という言葉ですがどういう意味なのか見ていきましょう。
喝(hē)は「飲む」という動詞です。多(duō)は日本語の意味と同じで「多く」という意味ですが、「多多」と繰り返すことによって,「とにかく多く飲みなさい」と強調の意味になります。
中国人に「体調が悪い」と言おうものなら、体調がどう悪いかも聞ききもせず、とにかく「多多喝水」と言います。
しかしこの意見をバカにしてはいけません。なぜなら本当に水(shuǐ)は身体にとって一番必要なものだからです。
中国医学だけでなく世界の医学界の一般常識として「人間は一日2ℓ水を飲まないといけない」そうです。
水は身体に無毒であるだけでなく、身体の自然の機能で、デトックス(排毒:Pái dú)してくれます。実際日本人はもっと水を飲んだほうがいいでしょう。
日本人が見習うべき水を飲む中国の考え方
日本の子どもたちは学校から帰ってきたらジュースを飲む事が多いでしょう。お客さんが来た時も水を出すことがありません。
なぜ日本人は水から離れてしまったのでしょうか?日本では水道水が飲める影響もあるでしょう。日本では「水=ただで手に入る価値のないもの」と思われているようです。
しかし中国では「水=大事で価値の高いもの」と思われています。飲み水はお金を出さないと買えません。
多多喝水は「身体によい価値の高いものをたくさん取り入れて元気になってね」という中国人の愛情表現が込められているのです。
冷たいものは飲んではいけない
続いて中国医学に基づいて中国人が口うるさく言うのが「不要喝冰的」です。冰的(bīng de)というのは「冷たいもの」を指します。不要(bú yào)は「~をしてはいけない」という禁止を表わす言葉となります。
つまり中国人は何かにつけて「冷たいものを飲んじゃダメ」といつも口うるさく言うのです。
もし日本人が中国で冷たいビールを飲もうしようものなら必ずこう言われて厄介なのですが、退けてはいけません。これは「道理に合う」(很有道理:hěn yǒu dàolǐ)考え方だからです。
日本でも「冷えは万病のもと」と言われるように、多くの病気は体が冷えることから生じます。体が冷えるのは冷たいものを摂取してしまうからでしょう。
日本人は風邪をひけばすぐに病院に行って治療を受けられますが、中国人は医療費が高くなかなか病院には行けません。そこで無駄に体を冷やさないのです。
足を暖める
最後の参考になる中国医学の考え方は「用热水泡脚」です。泡脚(pào jiǎo)は「足を洗面器につける行為」を指す言葉です。
なぜわずかに2文字の中国漢字にこれほど長い説明が必要になるかというと、日本にはこの習慣がないため、泡脚(pào jiǎo)を表す専門単語すらないためです。
熱水(热水:rè shuǐ)を使用(用:yòng)して足を暖めるのですが、これはなめてはいけません。水を最大限に利用した健康法だからです。
中国人にとって水は大切なので、日本のように毎日浴槽にお湯をためるのは良心が痛みます。そこで、洗面器に40度前後のお湯を入れて足を長くつけながら本を読んだり、テレビを見たりするのです。効果はいかほどでしょうか?
じつはこれ、効果が絶大なのです。15分もすると身体全体が暖かくなります。足を長い時間お湯につけると毛細血管が広がり血流が良くなります。
日本では身体を温めるために浴槽にたくさんのお湯をためて入浴しますが、中国では泡脚(pào jiǎo)の習慣で、普段着のままわずか数リットルのお湯で全身ポカポカです。効率がいいですよね。
中国4000年の歴史から学ぶ
確かに中国医学には眉唾物のものの情報もあるかもしれません。しかし、さすが4000年の歴史、医療費を掛けなくても健康を保つために役立つ知恵もたくさんあるのです。
私たち日本人も節約しながら身体の健康を保つために、上記の中国医学の考え方を実践してみてはいかがでしょうか。