中国語の単語を覚えるのは英単語を覚えるよりも簡単かもしれません。漢字や構成から意味をイメージできるからです。
中国語の中でも漢字から意味をイメージしやすいのが野菜の名前でしょう。次の中国語単語、何の意味か分かりますか?
いくつ分かる?中国の野菜や果物の名前
初級編
まずは初級編です。漢字からある程度イメージできると思いますが、何の野菜だとおもいますか?
qiézi
1、茄子
juǎnxīncài
2、卷心菜
dàbáicài
3、大白菜
tǔ dòu
4、土豆
yáng cōng
5、洋葱
xiāng gū
6、香菇
初級編答え合わせ
初級編の答え合わせをしていきましょう。
【1番目・茄子】
1番目の茄子(qiézi)ですが、これは日本語では普段ひらがなやカタカナで書くことが多いのですが、漢字で書いてみると中国語と全く同じになります。答えは「ナス」。夏のお野菜ですね。
【2番目・卷心菜】
続いて2番目の卷心菜(juǎnxīncài)ですが、どんなお野菜をイメージしますか?心(しん)があり、巻かれているようにできている野菜。答えは「キャベツ」です。
【3番目・大白菜】
3番目の大白菜(dàbáicài)も日本語の漢字ではほぼ一緒です。そう「白菜」のことです。
野菜の重さで売る値段が決まる中国では、日本の白菜よりも大きく育った状態で出荷されるので、白菜の前に「大」という漢字がつくのかもしれません。
【4番目・土豆】
4番目の土豆は別名、「马铃薯 mǎ líng shǔ」とも書き、日本人にとってはこちらの方がなじみ深いかもしれませんね。正解は「じゃがいも」です。
【5番目・洋葱】
つづいて5番目の「洋葱」も日本人にとって分かりやすいといえるでしょう。「たまねぎ」のことですね。
なお「葱」だけだと中国では一般的に「葉ねぎ」の意味になります。余談ですが、中国で野菜市場に行って適当な野菜を買うと「葉ねぎ」をタダでもらえます。
【6番目・香菇】
最後の「香菇」も「菇」の漢字が使われているのでわかるかもしれませんね。正解は「しいたけ」です。
中級編
つづいて中級編。中級編はすべて「瓜」という漢字が付きます。何の野菜を指すのでしょうか?
nánguā běiguā
7、南瓜(北瓜)
dōngguā
8、冬瓜
kǔguā
9、苦瓜
huánggua
10、黄瓜
「瓜」という漢字がついているとおり全部ウリ科の植物です。
中級編答え合わせ
【7番目・南瓜 / 北瓜】
南瓜(nánguā)と北瓜(běiguā)は北と南で全く方向が違うのですが、実はいずれも「かぼちゃ」の事です。
どちらかというと「南瓜」の方が広く一般的に使われています。日本でもかぼちゃの事を漢字で「南瓜」と書くのでわかった方もいるかもしれません。
【8番目・冬瓜】
冬瓜(dōngguā)は「トウガン」の事です。日本語の漢字でも「冬瓜」と書きますね。
私は日本で「トウガン」をあまり食べたことがありませんが、中国では家庭料理によく使われ、スープなどによく入っている野菜の一つですね。
【9番目・苦瓜】
苦瓜(kǔguā)はその名の通り「にがいうり」、つまり「ゴーヤ」のことです。日本語でもゴーヤのことを「苦瓜」と書くこともあるのでイメージしやすいですね。
【10番目・黄瓜】
最後の黄瓜(huánggua)は少し難しいかもしれません。決して黄色ではないのですが「きゅうり」のことを指します。
日本語できゅうりを漢字で表すと「胡瓜」となりますが、もともとは中国語と同じで「黄瓜」と書いていたようです。それが江戸時代に今の表記である「胡瓜」と書くようになったと言われています。
「黄瓜」と呼ばれていたのに、「胡瓜」になった背景や、そもそも「胡」が意味するところなどを深堀して調べていくと、新しい発見につながり漢字の面白さに気づくかもしれませんね。
【その他の瓜】
他にも果物に数えられている、「スイカ」は中国語でも日本と同じく西瓜(xīguā)と書きます。同じウリ科の植物ですね。
ここまでで「北瓜、南瓜、西瓜」と出てきましたが、では「東瓜」はあるのでしょうか。「東」の発音が「冬」と同じことから、「冬瓜」の別名と言われることもあるようですが、正式には「東瓜」という中国語はないようです。
上級編
最後に上級編です。これは日本語のイメージだけでは答えが分からないかもしれません。
xīhóngshì
11、西红柿
luóbo
12、萝卜
hóngluóbo
13、红萝卜
xī lán huā
14、西兰花
lú sǔn
15、芦笋
いずれもとっても有名なお野菜ですが、何の野菜か分かりますか?
上級編答え合わせ
【11番目・西红柿】
西红柿(xīhóngshì)は西の紅い柿と書きます。この漢字から何をイメージしますか?中国語において西(xī)という漢字は「西洋」を指します。
西から来た紅い柿とは「トマト」の事です。世界中でトマトの事を「TOMATO」と発音しないのは中国だけかもしれませんね。
他にもトマトの事を蕃茄(fānqié)ということもあります。日本でもトマトを漢字にすると蕃茄と書くようです。
中国の代表的な家庭料理の一つに「トマトと卵の炒め物」がありますが、この料理を中国語で書くと「番茄炒蛋 fān qié chǎo dàn」になります。
【12番目・萝卜】
続いて萝卜(luóbo)ですがこれは全く分からないかもしれませんね。萝(luó)というのはツル科の植物を指すようです。
卜(bo)は似ていますが、カタカナの「ト」ではありません。萝卜(luóbo)とはツル科の植物の一つ「だいこん」を指します。
【13番目・红萝卜】
では红萝卜 (hóngluóbo)は何を意味するのでしょうか? 赤いダイコンのようなものとなると、何となくイメージできるかもしれません。そう「にんじん」のことです。
にんじんの別名で「胡萝卜」と呼ばれることもあります。ここでも「胡」という漢字が出てきましたね。
なお、日本語で書く「人参」は中国語で朝鮮ニンジンのことを指しますので、混同しないようにしましょう。
【14番目・西兰花】
最後の「西兰花」はなかなかイメージがわかないかもしれませんが、ブロッコリーのことです。
「芦笋」は「笋」の漢字が使われていることから、タケノコをイメージするかもしれませんが、「アスパラガス」が正解です。漢字から直感でイメージするには難しい野菜の名前ですね。
ここまで紹介してきたように、日本人であれば漢字を見ることで、ある程度の意味が分かるかもしれません。
ただ、スーパーに行っても野菜コーナーで漢字の名前を見る機会も少なくなりました。中国語を学び始めて、初めて日本語の漢字の由来などに気づくこともあるかもしれませんね。
「土豆 tǔ dòu(じゃがいも)」や「青椒 qīng jiāo(ピーマン)」などの野菜の名前は、レストランなどのメニューなどにもよく使われますので、代表的な野菜の名前は早めに覚えておいて損はないでしょう。
ちなみに「野菜」を中国語で読んでも通じませんので注意しましょう。中国語で「野菜」を意味する言葉は「蔬菜 shū cài」となります。
中国語の単語は関連性で覚える
日本人の単語を覚える方法といったら、机に座って中国語単語と日本語訳がたくさん書かれた教科書の日本語部分を隠して、「これはナス」「これはトマト」…と覚えてきたかもしれません。
でもそうやって詰め込んで覚えた単語はやがて忘れてしまいます。
単語を覚えるコツは関連させながら覚えること。萝(luó)はツル科の植物という意味で、何も色が書かれてないから白いダイコン、それが赤くなったらニンジンという風にです。
また、例えば「菠菜 bō cài(ホウレンソウ)」のように野菜の名前に「菜 cài」とついていたら、葉物野菜をイメージしてみるなど、ただやみくもに覚えるよりは効率がいいですよ。