日本ではありえない中国の子供服

  1. 中国歴史・民族

日本へ遊びに来ている中国人の子どもたちの服装に「おや?」と感じる日本人は少なくありません。

普段着はきちんと身体を包み動きやすいシンプルなもの、というのは日本の概念にすぎません。中国の子供たちは思いもよらぬ服装で毎日を過ごしているのです。

日本ではありえない中国の子供服

中国の子供たちの服装

日本の感覚とはちょっと違う中国の子供たちが、何を着ているのかを中国語で表現するとこうなります。

nánháizi chuān kāidāngkù

男孩子穿开裆裤。

nǚháizi hǎoxiàng nǚ gōngzhǔ yíyàng

女孩子好像女公主一样

それぞれどんな服を着ていると言っているのでしょうか?

男の子は股割れズボン

合理的な国である中国の「男の子」(男孩子nánháizi)は何を「着る」(穿chuān)のでしょうか?

それは开裆裤kāidāngkù)です。裤()は「ズボン」という意味で、dāng)は「股の部分」を指す言葉です。

それがkāi)つまり「開いている」わけです。つまり开裆裤はいわゆる「股割れズボン」の事を指します。

小学生に入るくらいまで「股割れズボン」を履いている子どももいます。なぜ股の部分が開いているのでしょうか?

そう、それは「いつでもどこでも」(随时随地:suíshísuídì)用が足せるようにするためです。

子どもたちは国内のすべての道路で用を足すことが文化として許されているのでズボンを下ろす暇がいらずとても便利というわけです。

実は男の子だけでなく女の子も2歳くらいまでは「股開きズボン」を履きます。

女の子の場合はさすがに少し大きくなると履いている子はいなくなりますが、たとえ「股開きズボン」を履いていなくても小学生の低学年くらいまでは女の子も用を足したくなったらどこでも用を足せるというのは同じです。

中国の緑のテーブルにピンクのバラと真珠の花束。

女の子はシンデレラ

どこでも用を足す精神力を持った女の子たちですが、同時に頭の中では女の子らしい考えも育っており、それは服装に表われます。

女の子(女孩子nǚháizi)の服装は日本とはどのように違うのでしょうか?

それは「女公主」です。女公主nǚ gōngzhǔ)というのはいわゆる「お姫様」のことです。

日本にもお姫様にあこがれる女の子が多いように、中国人の女の子もシンデレラストーリーに憧れています。

その夢物語を普段の生活で体現してしまうのが中国です。「好像hǎoxiàng~一样yíyàng)」というのは「まるで~のようだ」という文法になります。

つまり中国の女の子は「まるでシンデレラのような服装」、具体的に言うと、フリフリのついたスカート、頭にはティアラまでつけてスーパーに買い物に出かけたり、近所で遊んでいたりします。

腰をクルクル回しながら女の子は幸せそうに、お姫様気分に浸っていますが、日本人の親の感覚では洗濯の事を考えるとこんな服着せられないですよね。

洗濯されない子供服

「でもちょっと待ってください。シンデレラ服は洗濯機で洗えないですよね。子どもの服は汚れるものなのにどうするんですか?」

このような心配を抱くのも日本の感覚ですが、その心配はいりません。中国では少々の汚れは汚れにカウントされません。

見た目大きな汚れがなければシンデレラ服はそのままおもちゃセットと一緒に箱に丸めて入れられます。基本、洗濯されないのです。

いよいよ汚れてしまったときは「洗濯機不可」と書いていても構わず洗濯機で洗う、それが中国です。洗濯後はゴワゴワになりますがそれでもしわしわになったシンデレラ服を着て女の子たちは幸せそうにしているのです。

中国の白い背景にギフトボックスを持った小さな女の子。

服装は文化

「女性は夏場でも正式な場所ではストッキングをはかないといけない」など、日本人は当然と思っていることでも、実は日本だけの常識で、他国からは異様に映っていることも少なくありません。

日本人からすると中国の子供服は「ありえない」と感じるかもしれませんが、意外と日本のほうが外国からはありえないと思われているのかもしれませんよ。

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