日本を出て海外に行くと驚きの連続です。日本の常識は世界の常識ではないと感じるでしょう。中国で生活すると日本との違いに驚くことばかりですが、その一つが「中国の美容室」での体験かもしれません。
美容室でどんなことが待ち受けているのでしょうか?
中国で美容室に驚く!異文化体験と現地で使える中国語フレーズ
目次
中国の美容室と理容室
まず確認したいのが、「美容室」という言葉の違いです。
中国で美容(měiróng)といえば、エステのことです。つまり中国語では美容店(měiróngdiàn)というのは「エステサロン」を指します。
美容室という中国語は存在せず、髪を切る場所は男性であっても女性であっても、理发店(lǐfàdiàn)となります。
しかし日本と同じく、主に男性を対象にした理发店と、主に女性を対象にした理发店とに分かれています。今回は女性を対象にした、いわゆる日本で言う美容室の様子を見てみましょう。
中国の美容室で驚く3つの事
中国の美容室でも、髪を切る(剪发:jiǎnfà)、髪を洗う(洗发:xǐfà)など基本的なことをしてくれます。さらにパーマ(烫发:tàngfà)、縮毛矯正(拉直:lāzhí)も中国で問題なくできます。
よって中国で美容室に行っても仕上がりはほぼ日本と同じです。驚くのは「髪を切り終わるまでの過程」です。お客さんとして美容室にいる時間、どんなことがあるのでしょうか?
xǐfāshíyìzhílòuliǎn
洗发时一直露脸
シャンプーの時に顔丸出し
chuīfēngjīfàngdìbǎn
吹风机放地板
ドライヤーは地面に置く
yǒutiàowǔhuódòng
有跳舞活动
ダンスイベントあり
これらがどれほど日本人にとって驚くことなのか見ていきましょう。
シャンプーの時に顔接近
日本では美容室でシャンプーをするときには、顔にタオルをかけてくれます。しかしタオルのクリーニング代もコストの一部と考える中国の美容室は、シャンプーの時に顔にタオルをかけることはしません。
するとどんな事が起こるのでしょうか?シャンプーをする方は何とも思っていませんが、店員の顔が20㎝以内に接近している状態が数分続くのです。日本人にとってはちょっと違和感がありますね。
ドライヤーの置き場
髪を洗ったら乾かすためにドライヤーです。ところがこのドライヤーどこにあると思いますか?
放地板(fàngdìbǎn)つまり「地面に落ちている」のです。
しかも拾いやすいように、座席と座席の間に放置されているため、時々店員に蹴られることもあります。ゴミや髪にまみれていますが、電源入れたら使えるので問題なしです。
洗ったばかりの髪に、地面から拾われたドライヤーが当てられますが、衛生面を問題視しているのは日本人だけで、中国人のお客さんにとっては普通のことです。
ダンスのサービス
中国の美容室ではある定刻になると、店長がやってきて笑顔で次のようにお客に告げます。
qǐngdàjiāxiǎngshòuwǒmen de tiàowǔ
请大家享受我们的跳舞。
どうぞわたくしたちのダンスをお楽しみください!
日本人は「・・・???」となりますが、店員たちはすべて手を止めて整列し、音楽開始とともに手や腰をクネクネさせて踊りだします。
彼らが満足して踊り終わるまで10分ほど待つしかありません。
美容室のお値段と質は?
男性用の理容室は20~30元(350~500円)と安いのですが、女性用の美容室の値段は日本とあまり変わりません。平均月収が3000~5000元(5~8万円)の中国人でも、矯正縮毛のために300~600元(5000円~1万円)平気で使います。
美しくなるためにはお金を使うというのはどの国でも一緒ですね。
中国の矯正縮毛もパーマも工程はすべて日本に倣ったものです。よって質に関してはさほど日本と違いを感じないでしょう。
中国に行ったら、旅行イベントの一つとして美容室に行ってみるのも面白いかもしれませんね。
美容院に行ったときの中国語
いささか唐突な話ではありますが、海外への旅行と、駐在または留学の大きな違いのひとつに、「現地で美容院に行く」機会があるか否か、ということが挙げられるのではないでしょうか。
そこで今回は、美容院に行ったときの中国語会話を学習してみたいと思います。
欢迎光临,今天您想理什么样的发型?
(いらっしゃいませ、本日はどのようなヘアスタイルにいたしましょうか)
「欢迎光临」(いらっしゃいませ)は、いまでは日本でもよく耳にする言葉になりましたね。
とくに東京の秋葉原など中国人観光客が数多く訪れる街では、店内放送でも「欢迎光临」で始まる案内メッセージが流れているようです。
「理什么样的发型」は、「理发型」(理髪する、髪型を整える)という単語の「理」と「发型」を切り離して、その間に「什么样的」(どのような)を挟み込んだ文です。
離合詞
このような形式の文を、「離合詞」といいます。
「離合詞」の例文には、以下のようなものもあります。
我帮他的忙。
(私は彼を手伝います)
これは、「帮忙」(手伝う)の「帮」と「忙」を切り離して、間に「他的」(彼の)を入れたものです。
快要夏天了,所以请剪短点儿吧。
(もうすぐ夏なので、短めに切ってください)
「快要~了」は「もうすぐ~になる」の意味です。
「了」がついていますが、「夏になった」ではないので、注意しましょう。
请把额前头发剪短至眉上。
(前髪は眉の上まで切ってください)
「把」は、動詞が補語を伴う場合に、名詞(目的語)との語順を逆にするために用います。
上の文ですと、動詞「剪」(切る)が、その目的語である「額前头发」(前髪)の後ろに置かれ、動詞の後ろにその補語「短至眉上」(眉の上まで)が続いています。
人間の体のなかで、何もしなくても勝手に伸び、お手入れが必要なのが髪と爪です。
爪は特別な技術がなくても自分でさっと切れますが、髪の方はなかなかそうはいきません。
伸びてきたら美容院に行って、カットをお願いしなくてはならないでしょう。
しかし、意思疎通がうまくいかないと、とんでもない髪型にされる恐れがあります。
そうならないために、基本的な会話フレーズを身に付けておいて、自己防衛を図ることをおすすめします。
中国で行く理容室
中国旅行でわざわざ髪を切るという方はいないかもしれませんが、長期出張では理容室に行かなければいけないことも。
そこで、中国で剪发つまり散髪する時のことや中国の理容室について紹介します。
女性も理容室でカット
中国では、髪を切るところは理发店(理容室)となります。一方、美容院(美容室)はエステをするところになります。
中国的话一般男女都在理发店里剪发
中国では普通、男性も女性も理容室で髪を切ります。
一般というのは、一般の~ということではなく、普通は~という意味です。
我一般早上吃面包
私は普通朝にはパンを食べます
一般(普通は~)というのは良く使い便利な言葉なので覚えておくと便利です。
中国では、男性も女性も同じ店で切るという光景が見られます。
一般剪发师是男的
普通理容師は男性です。
理容師は”先生”
面白いのは、中国では理容師のことを先生と呼ぶことです。
有没有指定的老师?
もう決まっている先生はいますか?
と店に入ると聞かれます。
中国語で学校の先生は老师です。自分よりも立場が高い人に対して使いますが、理容師にも老师を用いるのが興味深いです。
中国語で先生は、男性に対して用いる敬称になります。日本語の先生ではありません。
在中国理发店里人太多,也有客人,但大部分是员工的。洗发员也很多。
中国の理容室では、人がとても多いのです。客も多いですが、大部分は従業員です。頭を洗う係りの人も多いです。
やたらと従業員が多いのは中国流です。
料金を聞く
中国の理容店では料金は様々ですが、店の中では上手な人とそうでない人とで値段が異なっています。
安い料金ですと、10元くらいです。日本円で120円ですから格安です。
中国の物価は上がってきていて日本と変わらないものも多いのですが、散髪代に関してはかなり安いと感じるはずです。
もちろん高級美容室に行くと日本と変わらない値段になります。
散髪をする前に値段を尋ねておくのは大切です。例えばこう言います。
你好,剪发多少钱?
すみません、カットいくらですか?
比較的安いので、1月以上滞在する場合には、行ってみましょう。
理容室で使う中国語
次に、店で使われる言葉を幾つか紹介します。
洗一下吧,请那边 洗いましょう。どうぞあちらへ。
烫 パーマ
染 染める
刘海 前髪
洗发 髪を洗う
剪发 髪を切る
发型 髪型
中国の理容室での注意点
理容室に行くときの注意点です。
一般中国人喜欢有个性的发型。
中国では、普通、個性的な髪型が好まれます。
それで、散髪する前に自分の希望についてはっきりと伝えておくのがベストです。
要不然你的发型会变得很独特
そうでないならあなたの髪型はとても独特なものになってしまいます。
女性ですと、前髪が斜めに切られてしまうこともあります。中国では、それが個性的でかわいいとされているからです。
先ほどの要不然ですが、「そうでないと~になる」というときに使います。中国人が日常でよく使う言葉です。
明天一定要去超市。要不然我们家没有吃的东西。
明日は、絶対スーパーに行かないと行けない。そうでないと私たちの家には食べ物がなくなる
という感じです。「そうでないと~になってしまう」ということでよくないことに使います。
現地の理容室に行くと中国に来たという気持ちになります。中国の髪型と日本の髪型はやや異なるので違いを体験してみるのもいいでしょう。
中国の文化を理解するためにも現地にいくことは役立ちますその前に、中国人の先生と会話を練習しておくと役立つことは間違いないです。中国人の先生たちと会話の練習を始めましょう。
中国で、ヘアカットの体験と美容院事情
美容院の質が高い日本では。美容院に行くのが好きだという人も多いのでは?髪のカット以外にも、トリートメントや、リラックス効果を期待するからです。
では、中国の美容室はどのくらいの技術があるのでしょうか。調べてみましょう。
異様に多い従業員
お店にはたくさんの人がいます。とても混んでいると思いがちですが、実はすべて従業員です。
実は中国では人口が多いからなのかわかりませんが、一つの店に多くの従業員がいます。暇を持て余し、携帯でゲームをしているのが普通の光景です。
韓国ブーム!?
韓国の芸能人がブームの昨今、髪形を真似する人が増えてきています。剃りこみを入れたり、片方を多く残したりするなど韓国ファッションが人気です。
そのため美容室の中にいる多くの従業員も普通の中国人とは異なり非常に斬新な髪形をしています。
費用はどのくらい
カットは大体30元くらいです。レートが一元16円で計算すると、大体480円程です。ワンコインでカットできるのはとてもお得です。
また、パーマやカラーも120元程でできるところもあります。そうすると、二千円しないという計算になるでしょう。
日本では、カットだけでなくパーマやカラーリングをセットにするという人がいます。もし中国でできたら格安で済むかもしれません。
美容院用語
zhèlǐfadiànhǎobuhǎone
这个理发店好不好呢?
この美容室はどうですか?
jiǎntóufaduōshǎoqiǎn
剪头发多少钱呢
カットはいくらですか?
nǐdefāxíngzhēnhǎokàn
你的发型真好看
あなたの髪型とてもいいですね
nǐfēichángshìhezhègefāxíng
你非常适合这个发型
あなたのヘアスタイルとても似合ってますね
“适合”は似合っている。そして“ 发型”は髪型、またはヘアスタイルの事です。
もし、“理发店”という看板がなくても“发型”と書かれていればそれは美容室または、床屋の事です。
実際技術は?
繊細さより数をこなす
一日に何人もの人のカットをしているため安定した技術を持っている人がいるのは事実です。
しかし、日本ほど複雑な髪形に挑戦したり、繊細なカットをしてくれたりするところは少ないと言ってもいいと思います。
中国の人は大陸に住んでいるからか小さいことは気にしません。その分繊細な作業というよりは数をこなすというほうがたけていると言えるでしょう。
もし気に入らなかったら…
髪を洗ってくれているとき日本ほど丁寧ではありません。水が顔に飛んでくることはよくあるでしょう。
しかし、そのような時は嫌そうな顔をすれば大丈夫です。中にはそのことに気づいて気を付けてくれる人もいることでしょう。
また、完成した髪型が気に入らないという事もあるかもしれません。そのような場合は、あまり気に入っていないのでもう少し調整してください、と言えば無料で何度も直してくれます。
butàimǎnyì,xīuyixìa
不太满意,修一下
しかし、もし気に入ったのであれば…
xìexìenǐ,hěnmǎnyì
谢谢你 ,很满意!
「ありがとうございます。とても気に入りました。」と伝えましょう。
中国の美容室は日本ほど繊細なおもてなしを受けることはないですが、それでも貴重な体験をすることはできます。
つぶやき
私たちの頭の中にはたくさんの言葉の引き出しがあります。
単語の引き出し、文法の引き出し、文章の引き出し…….けれども、3年以上中国語を勉強したにもかかわらず、突然誰かに中国語で質問されると簡単な答えさえすぐに出てこない理由は何でしょうか?
コミュニケーションは卓球のように、「打っては返し、返しては打つ」をリズミカルに行わなければいけません。
簡単な単語一つでもすぐに答えられると会話がグンと楽しくなります。
今まで単語や文法の引き出しからパズルのように一つ一つ探してははめ込もうとしていませんでしたか?
これからはぜひ文章の引き出しを作ってみてください。
「文章まるごと暗記」を実践していくうちに、いつのまにか口ごもらずリズミカルに会話している自分を発見するでしょう。
勉強すれば、あなたも中国語が話せるようになりますよ。