友人を大切にするためにお土産をもって行くのは中国にもある習慣です。
しかし日本人が良かれと思って持って行ったお土産でも、当の本人が喜ばなくては意味がありません。中国人に渡してはいけないお土産をみていきましょう。
中国人に渡してはいけないお土産
目次
中国人の分かりやすい反応
日本人にお土産を渡したときは、嬉しくても嬉しくなくても「これはこれは、たいそうなものをいただきまして、ありがとうございます」と十分の感謝を示してくれるものです。
ある意味本当にうれしかったのか、実は大して喜んでいないのかわからないこともあるでしょう。
中国人にお土産を渡したときは、喜んでいるのか喜んでいないのかすぐにわかります。
中国には社交辞令というものは基本存在しません。顔の表情やもらった時の第一声から、本心がすぐわかります。ある意味付き合いは簡単でしょう。
いろいろなお土産を中国人に差し上げた結果、渡さないほうがよいお土産が分かってきたのでお知らせいたします。
中国人に渡さないほうが良いお土産
次の2つが中国人に喜ばれないお土産です。
rìběnqīngjiǔ
1、日本清酒
gāojídiǎnxīnhé
2、高级点心盒
これらはどんなお土産で、なぜ渡さないほうが良いのでしょうか?
日本酒
中国人にあげないほうがいいお土産の1つ目は、日本清酒(rìběnqīngjiǔ)つまり「日本酒」です。
実は日本酒を飲んでみたいと中国人は思っているのですが、ひとくち日本酒を飲んだ後、中国人は必ずこう言うので渡さないほうが良いでしょう。
méiyǒushénmewèidào shuǐyíyàng。
没什么有味道。水一样。
何の味もしない。水と一緒じゃないか
そしてそのあと決まって「なに?日本酒のアルコール度数は17度前後だって?中国のお酒のアルコール度数は40度以上あるんだ。いつも中国のお酒に慣れていると、この程度のアルコール度数だと…」
せっかく日本から持って行ったのに、感謝の言葉はほとんどなく、中国のお酒の自慢話へと突入するケースがほとんどです。
でも誤解しないようにしましょう。中国の友人は感謝していないのではありません。
飲んだことのない日本酒を飲ませてくれたことは嬉しいのですが、正直な感想として「水みたい。中国のお酒のほうがおいしい」と言っているだけなのです。
本当に中国人は日本酒をおいしいとは思いません。日本人が中国の蒸留酒 (白酒:báijiǔ) を飲んでもおいしく感じないのと同じです。
よって日本酒をお土産にするとしても試し飲みができる程度の小さい瓶にし、お金のかかる名酒などはもっていく必要はありません。
高級菓子
日本人にヨックモックなどの高級菓子(高级点心盒:gāojídiǎnxīnhé)をもって行くと喜ばれるでしょう。しかしその感覚で中国人に日本の高級菓子をお渡しするとガックリする結果となります。なぜでしょうか?
ヨックモックなどを中国人はおいしいと思うのですが、必ずこう言います。
zhōngguóyěyǒulèisì de
中国也有类似的。
中国にもあるよ、似たようなのが
高級菓子をバクバク食べておいしそうな顔をしてはいますが、中国人は「おいしい」という言葉より先に、上記の「中国vs日本」を意識した発言をします。
別に日本の自慢をするために日本の高級菓子を差し出したわけではないのですが、これは国民性なのでしょう。中国が世界に劣らないお菓子も作れる国であることをアピールしたくなるようです。
確かにスーパーで似ている中国菓子が売っています。違いがいまいち分からない中国人はまるでポテチを食べるように、30枚入りのヨックモックを次々と消費していきます。
日本人は「二度と中国人にヨックモックは渡すまい」と心に誓うことでしょう。
中国人にあげておくとよいもの
安い模造品ばかりがあふれている中国では残念ながら高級なものと安いものの違いが分かりません。よって中国人へのおすすめのお土産はなんですか?
「100円均一の横綱あられ」くらいがおすすめです。かさばるので大勢へのお土産になりますし、なによりも中国人がおいしいと感じます。
しっかり模造品もあるので「中国にもあるよ」というお決まりのセリフを満足げに言っていただくこともできます。喜んでもらえてお金がかからない。コスパ最高なのです。
中国人に渡してはいけない3つのもの
外国でその国の文化を知らないと大きな問題となることがあります。
日本で外国人が病院にお見舞いに来てくれた時に、鉢に入ったお花を持ってきたら日本文化では失礼と感じるでしょう。同じようにこれを渡したら中国人は失礼と感じるものがあるのです。
中国人は語呂を大切にする
以前の記事でも触れたように中国人は語呂を大切にします。
例えば日本でも「八」という数字は末広がりで良い数字といわれていますが、中国人は「お金が発生する」という意味の「发」(fā)という中国漢字の発音と八(bā)という発音が似ているという理由だけで、八という数字を好みます
何か人に送ったりする時に、語呂合わせで8個送ったりするのと同じように、実は語呂が悪いがために送ってはいけない贈り物というのがあるのです。
中国文化の勉強としてどんな贈り物が良くないのか見ていきましょう。
中国文化で送ってはいけないもの
中国人の間では常識ですが、海外から来た日本人はこんな文化を全く知らないので、善意で中国人にあるものをプレゼントして常識知らずと思われます。
それは以下の3つです。
lízi
1、梨子
梨
sǎn
2、伞
傘
zhōngbiǎo
3、钟表
時計
なぜこれらのものを送るのはNGなのでしょうか?
中国人に梨を送ってはいけない理由
中国人に梨を送ってはいけないのは、中国語の発音が梨(lí)発音が、「離れる」「別れる」を意味する离(lí)と同じだからです。
例えば「離婚する」を中国語では离婚(líhūn)といいます。それだけlíという発音が中国語では縁起が悪いとされているのです。
中国人にうっかりおいしい梨を見つけたという理由でお呼ばれした時などにプレゼントしてしまうと、離婚を引き起こす不吉なものを持ってこられたととられかねません。気をつけましょう。
中国人に傘を送ってはいけない理由
次に考えるのは傘です。これも単純な理由で傘の中国語の伞(sǎn)が、「バラバラになる」を意味する散(sǎn)と同じ発音だからです。
中国人に傘を送ることは「あなたのご家族バラバラになるといいですね」という意味になってしまうので気をつけましょう。
中国人に時計を送ってはいけない理由
中国人に時計を送るのもタブーとされています。なぜなら時計を送ることを表す中国語が送钟(sòngzhōng)が、「人の死を見届ける」事を意味する送终(sòngzhōng)と同じ発音だからです。
日本で買った素敵な時計を中国人の友人が喜ぶだろうと思って送ったりしたら、必ず浮かない顔をされることでしょう。それだけ中国人にとって時計を人から送られるのは、不吉なことなのです。
同じような理由ですが、日本ではなんてことのない可愛いキャンドルを中国人の友人に送るのもNGです。中国人にとってキャンドルはアロマでも何でもなく、人の死の時に供養するときにもっぱら使うものだからです。
うっかりキャンドルを送ろうものなら「おたくのどなたか早く死ぬといいですね」という意味にとられかねません。
中国文化を知って上手にお付き合い
病院にお見舞いに行くときは鉢ではなく差し花など、日本文化を理解してくれると日本人も嬉しいですよね。同じように中国人と接するときはある程度上記のような中国文化を知ったうえで付き合うと喜ばれます。
中国文化にはなかなか理解できないものもあると思いますが、相手の文化に合わせることは一種のリスペクトでもあります。ぜひ上記の点を気を付けることにしましょう。