中国の牛乳は腐らない!味の違いと保存方法を徹底解説

  1. 中国経済・社会

中国の牛乳は腐らない!味の違いと保存方法を徹底解説

中国の牛乳は常温保存?

中国で生活することになった日本人たちがなかなか受け入れられないもの、それは常温でも保管できる腐らない牛乳かもしれません。

中国人にとっては常温牛乳(常温牛奶:chángwēnniúnǎi)は当たり前なのですが、なぜ中国の牛乳は腐らないのでしょうか?

留学生寮で向かい側の部屋に住む九州から来た日本人留学生のAさんが、ある日あわてて飛び込んできました。

どうしたのかと思いきや、

姐 姐,这 个 牛 奶 太 难 喝 了 ,我 实 在 喝 不 下 去,但 是 我 已 经 买 了 一 大 箱 子 的 牛 奶,你 能 不 能 为 我 买 这 些 ?

jiě jie ,zhè ge niú nǎi tài nán hē le ,wǒ shí zài hē bu xià qù ,dàn shì wǒ yǐ jīng mǎi le yí dà xiāng zi de niú nǎi ,nǐ néng bu néng wèi wǒ mǎi zhè xiē

先輩、この牛乳まずくてとても飲めません。でも一箱まとめ買いしちゃったんです。代わりに残りを買ってくれませんか?

実は私もこの牛乳の味は知っていました。

申し訳なかったのですが、やんわり断らせてもらいました。

スーパーで売っている牛乳には何種類もあります。ビニールの袋に常温パック詰めされている牛乳は平均で消費期限が45日。

日本のスーパーで一般的に販売されている冷蔵紙パック牛乳とはずいぶん違います。

もちろん大都市のスーパーでは消費期限が一週間程度の牛乳も売られてはいますが、価格もご多分に漏れず1リットルあたり400円ほどと高めの設定です。

中国ではお見舞いや贈答品として牛乳を持っていくことがあります。

高級感のある紙パック入り牛乳で、価格は普通の牛乳の約2.5倍です。常温保存ですが消費期限が五か月から六か月ですから、保存料がかなり入っているはずです。これをお見舞い品にするとは驚かされます。

味はというと、一昔前の脱脂粉乳のような味がします。いわゆるココアやコーヒーと混ぜて飲めば気にならなくなるかなというくらいです。

纯牛奶 高钙 chún niú nǎi  gāo gài

纯牛奶tiáo zhì rǔに「高钙rǔ yín liàoと追加印刷されていれば、カルシウムが添加されています。          
调制乳」は成分調整済みですし、「乳饮料」なら乳成分を混合した飲み物ということです。

「中国」と書かれた草の袋が 2 つあります。

生牛奶 shēng niú nǎi

何かを混ぜているかどうかは成分表を見ると分かります。純粋に牛乳だけなら「生牛奶」のみの表示のはずですし、消費期限が短いかどうかを確認することで、長期保存するための防腐剤などを入れているかどうかを確認できます。

それ以外にもクルミ味牛乳、ピーナッツ味牛乳、干しナツメ味牛乳、五穀入り牛乳、氷砂糖と緑豆牛乳、黒ゴマ・黒大豆・黒米入り牛乳や、バニラ味、バナナ味、チョコレート味、トマト味、キュウリ味、紫イモ味、アロエ味の乳酸菌飲料なども売られています。

スーパーの牛乳売り場では、ビニールのパックや紙パックの牛乳を箱で積み上げて売っています。
不思議なのが箱売りになっているからといって安いわけではない事です。

例えば1箱16パック入りの牛乳の価格は、いくらかサービスされているわけではなく、そのまま16パック分の値段なのです。

もし安売りしている場合は消費期限が間近なことが多いので注意が必要です。

それぞれの商品の違いが分かりにくい時は、近くにいる牛乳売り場の専属店員に直接聞いてみることです。

这 种 牛 奶 和 那 种 有 什 么 不 一 样 的 呢 ?

zhè zhǒng niú nǎi hé nà zhǒng yǒu shén me bù yí yang de ne ?

この牛乳とその牛乳とでは何が違うんですか?

没 有 什 么 不 一 样 的 。

méi yǒu shén me bù yí yang de

別にそんなに違いはありませんよ。

它 营 养 调 理 好 ,比 那 种 包 含 的 营 养 更 丰 富 。

tā yíng yǎng tiáo lǐ hǎo ,bǐ nà zhǒng bāo hán de yíng yǎng gèng fēng fù

それは成分調整済みなので、あの手のものより栄養価が高いんです。

两 种 都 差 不 多 ,今 天 搞 活 动所 以 这 种 比 那 种 便 宜 。

liǎng zhǒng dōu chà bu duō ,jīn tiān gǎo huó dòng ,suǒ yǐ zhè zhǒng bǐ nà zhǒng pián yi

双方それほど違いはないですが、今日は特売なので、この方があれよりお得です。

街で見かけるのが「鲜奶吧」という看板を掛けたお店です。

農家から直接生乳を運び、店内で加熱殺菌したものを売っています。

こうした店の牛乳は成分無調整なので、その日の牛の体調によって牛乳の味も毎日変わります。その日、加熱殺菌したものをその一両日中に販売するので、割と安心です。

牛乳の質に自信をもっているお店なら、牛乳をそのままぐいっと飲むよう勧めてくれますし、スーパーで売っている添加物入りのものとは比べ物にならないおいしい牛乳を飲む事が出来ます。

お店によっては瓶入り牛乳を自宅まで配達してくれます。

さらに、その牛乳を使って「酸奶」(「ヨーグルト」)を作って販売していることもあります

。雑菌が混在すると途端にダメになるものですから、大抵の店は店内を清潔にすることや、殺菌消毒に気をつけています。
中国語の練習を兼ねて、お店の人と交流しながらおいしい牛乳を探してみるのも楽しいですよ。

中国のスーパー

日本のスーパーにもソーセージなど焼いて試食を提供してくれる店員がいるように、中国のスーパーにも試食を提供してくれる店員がいます。

しかし提供してくれるのは常温牛乳です。小さいコップに腐らない常温牛乳を注がれ、不愛想な顔ながらも「どうぞ」と配ってくれます。

中国人は「無料なら飲んでおこう」と考えゴクリと飲みますが、日本人は「なんで牛乳が常温なんだ!どれほど防腐剤(防腐剂:fángfǔjì)が入っているか怖くて飲めやしない」と考え、店員の横を笑顔でスルーします。

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なぜ中国の牛乳は常温なのか

なぜ中国の牛乳は常温保存なのか分からないと感じる人は多いのですが、実は日本でも乳製品業界の方は別に驚きません。それは日本にも常温牛乳があるからです。

実は常温でも牛乳を販売できるのは防腐剤を大量に入れているからではなく、常温牛乳というのは単に製造過程が違うからです。

常温牛乳を次のような方法で作ると中国語のサイトには載せられています。

shēngchǎngōngyìshìzài 135 ~ 150 shèshìdùxiàjiārè 2 ~ 3 miǎo

生产工艺是在135~150摄氏度下加热2~3秒

生産方法としては135~150℃で2~3秒加熱します

実は日本の乳酸業界でも同じように殺菌工程をしっかりして、その殺菌した牛乳を常温に耐えうるパーケージにすることによって作るそうです。

違いは提供量の差

日本人は牛乳と言ったら要冷蔵の低温殺菌のものだと思っていますので、スーパーの店頭に並べられるのは要冷蔵のものばかりです。

しかし中国人は牛乳は常温だと思っているので、常温のものばかり売られているというわけです。

常温牛乳と要冷蔵牛乳の差

結局は単に製造工程とパーケージ方法の差であった常温牛乳と要冷蔵牛乳ですが、実際どんな違いがるのでしょうか。

いずれも防腐剤などが入っているわけではないので、安全性という点では違いはないようです。

しかし低温殺菌で作った要冷蔵牛乳のほうが、本来の牛乳に含まれているミネラルが壊れていないので栄養価は高いので良いようです。

実際日本人はよく手作りヨーグルトを作りますが、中国で作るならスーパーでわずかに売られている要冷蔵牛乳を購入する必要があります。常温牛乳では菌が発酵せずにヨーグルトにならないためです。

こうした点を考えると、常温牛乳がいかに栄養価が失われているかわかりますよね。

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多様性の国中国

実は中国に行くと驚くのは常温牛乳だけではありません。その味の多様性です。日本では通常の牛乳以外にはせいぜいコーヒー牛乳くらいでしょう。

しかし中国では普通のものは価値が低いという観点があるので牛乳にいろんなものを混ぜて販売します。いくつか紹介しましょう。

xiāngjiāowèi

香蕉味

バナナ味

 

hóngdòuwèi

红豆味

あずき味

 

hóngzǎowèi

红枣味

干しナツメ味

 

huángguawèi

黄瓜味

きゅうり味

当然ですが中国人の友人がよく「これ飲む?」と変わった味の常温牛乳差し出してくれますが、日本人は生理的に受け入れないので笑顔で断ることになります。

実は日本だけ、要冷蔵牛乳が主流

中国に行って分かることは、中国人は常に常温牛乳を飲むという事だけではありません。実は中国にいる欧米諸国の人たちもみんな常温牛乳を買っています。話を聞くと自分たちの国でも常温牛乳が当たり前だという事です。

要冷蔵牛乳こそが牛乳だと思い込んでいたのですが、実はそれは日本だけの見方だったようです。

いままで常識だと思っていたことも、他の国にいけば非常識になってしまう、なんていうのはよくある話ですね。

郷に入れば郷に従え!勇気のある方はぜひ常温牛乳にチャレンジしてみてください。

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