マクドナルドの中国産期限切れ肉の問題が発覚し、日本のファストフードチェーンは大わらわ。
中国でも今やファストフードは若年層を中心に食生活に深く入り込んでいて、手軽な反面、脂肪分や糖分の摂り過ぎも問題になっています。
中国のファストフード店で注文する方法:便利な中国語フレーズ
目次
ファーストフードで注文
さて、このファーストフード店でのオーダーですが、これが意外にとまどうのです。
というのも、客との応対がすべてマニュアル化されているため、店員が言葉をはっきり発音せず早くしゃべり、周りもうるさいので非常に聞き取りにくいのです。
それで、ある程度店員のフレーズ典型パターンをこちらも覚えておいて、予想しながらオーダーするとスムーズです。
店内で?持ち帰り?
まず、一番聞き取りにくく、しかも必ず言われるフレーズがこれです。
zài zhèr chī hái shi dài zǒu
在这儿吃还是带走?
店内でおめしあがりですか、お持ち帰りですか?
北京の儿化が激しくべらんめえ調の語気で早くしゃべられると、「ざちゃ〜ろろ〜」のように聞こえる時もあります。
オーダーの前に聞かれることも、オーダーが終わってから聞かれることもあります。
zhèr chī
这儿吃
ここで食べます
dài zǒu
带走
持って帰ります
ファストフードはカウンターにメニューがあるのでそれを見て指差して注文できるので便利ですね。
ドリンクは?
ドリンクはたいていコーラですが、別のがいい時は、
yǐn liào néng huàn ma
饮料能换吗?
ドリンクは替えられるの?
と聞いてみましょう。たいてい
kě yǐ kě lè xuě bì fēn dá
可以,可乐,雪碧,芬达
はい、コーラか、スプライトか、ファンタ
などの定番ドリンクを教えてくれます。炭酸やだな〜と思う時は一応
kā fēi (hóng chá) néng huàn ma
咖啡(红茶)能换吗?
と聞いてみてもいいでしょう。けっこうOKのところが多いです。
セット?単品?
でも、あんまりたくさん食べたくない時とか、セットメニューに食べたいものがないときは単品オーダーしたいですよね。
tào cāng
套餐
セットメニュー
dān diǎn
单点
単品
チーズバーガー1個注文したとたんに、店員は「套餐」をすすめてきます。全部聞き取る必要はないので、「套餐」と聞こえたら、
wǒ jiù yào dān diǎn
我就要单点
私単品がいいんです
と言えば大丈夫です。
地域別の利用者層
ファストフードの利用層にも地域によって差があるようで、広東人の友人は北京に来て大人がファストフード店で食べているのを見てびっくりしたと話していました。
食の広東では、大人はファストフードなんかに目もくれず、でも子供がどうしても食べたいというからしょうがなく子供に食べさせて、親はそれを向かいに座ってただ見ているだけだそう。
ところが北京に来てみると、大の大人が喜々としてファストフードで食べているのを見て、すごくショックを受けたんだそうです。
「北京の食べ物はまずいからよ」と前置きして、
guǎng dōng shi hǎo bu hǎo chī běi jīng shi néng bu néng chī
广东是好不好吃,北京是能不能吃
広東(の食べ物)はおいしいかおいしくないか、でも北京(の食べ物)は食べられるか食べられないか
と言い切る彼女に、北京をこよなく愛する私もこればっかりは反論できませんでした。だって・・・・そう思うもん・・・・・
中国で人気な日本のファーストフード
世界遺産に登録された日本料理。中国にも、都心部には本格的な日本料理のお店から軽食チックなお店もたくさんあります。
ただ、“日本ブランド”なだけに高い!それでも“やめられない、止まらない”、お手軽で人気の日本版ファーストフードをご紹介します。
日本式ラーメン
日式拉面 (rì shì lā miàn)
ベンツを駆って中国人のお金持ちが食べに来るのが日式拉面。拉面の発祥の地は中国ですから、逆輸入となりますね。
日本に拉面が伝えられたのは江戸時代。明国から亡命した儒学者である朱舜水(zhū shùn shuǐ)が、水戸光圀翁がうどんでもてなしてくれたお礼にと、中国の「汤面」(tāng miàn:汁麺)を振舞ったといいます。
中国語で面
中国語で「面」(miàn)は、小麦粉などを使った“粉もの”を指すことはみなさんご存知だと思います。
その面が長くなると「面条」(miàn tiáo)となり、製造方法や原料のちょっとした違いで「拉面」、あるいは「抻面」(chēn miàn)と呼ばれ、スープでいただく汁麺は汤面と言います。
中国、汤面の種類
中国でもよく食べられる汤面は、「兰州・牛肉面」(lán zhōu・niú ròu miàn:蘭州の牛肉麺)、「四川・担担面」(sì chuān・dān dān miàn:四川の担々麺)。
「西红柿鸡蛋面」(xī hóng shì jī dàn miàn:トマトと玉子の麺)、「河南・烩面」(hé nán・huì miàn:河南の餡かけ麺)等々、その種類は豊富です。
ラーメンスープ
では日式拉面は何が特徴かというと、濃厚な「面条汤」(miàn tiáo tāng:スープ)だといわれます。
確かに、「汤底/汤汁」(tāng dǐ/tāng zhī:スープの素、出汁)は手間暇かけますね。
猪骨(zhū gŭ:豚骨)や鸡骨(jī gŭ:鳥ガラ)、海米(hǎi mǐ:干しエビ)、鰯鱼干(ruò yú gàn:乾燥鰯)、鲣鱼节(jiān yú jié:鰹節)などをふんだんに使い、そのままでもイケる猪骨汤など。
さらに「味噌」(wèi cēng:みそ)、「酱油」(jiàng yóu:醤油)を加えた基本の味噌汤と酱油汤、辛味を加えた激辛スープの「地狱拉面」(dì yù lā miàn:地獄ラーメン)も人気です。
回転寿司
回转寿司(huí zhuǎn shòu sī)
日本では回转寿司の登場で、高級料理だった寿司が庶民のものになったというイメージがありましたが、中国ではやはり高い!
「一碟两个」(yī dié liǎng gè:一皿2貫)9元~となっています。
中華のファーストフード・ランチ「青椒肉丝盖饭」(qīng jiāo ròu sī gài fàn:青椒肉絲掛けご飯)や「鱼香肉丝盖饭」(yú xiāng ròu sī gài fàn:魚香肉絲掛けご飯)など「盖饭类」(gài fàn lèi:丼もの類)の一食7元~と比べて圧倒的に高いです。
種類
寿司の種類は、大きく分けて「握寿司」(wò shòu sī:握り寿司)と「卷寿司」(juǎn shòu sī:巻き寿司)。
卷寿司はさらに、「细卷」(xì juǎn:細巻き)、「里卷/反卷」(lǐ juǎn/fǎn juǎn:裏巻き)。
「军舰卷」(jūn jiàn juǎn:軍艦巻き)、「太卷」(tài juǎn:太巻き)、「手卷」(shŏu juǎn:手巻き)と分けられます。
里卷・反卷以外は日本語そのまんまです。
人気のネタ
人気のネタは「鳗鱼」(màn yú:ウナギ)。ウナギとアナゴを区別しているのか、という疑問はいまだ解けていないのですが、念のため、アナゴは「星鳗/海鳗」(xīng màn/hǎi màn)です。
近年、中国人の富裕層を魅了してやまないマグロは、金枪鱼/鲔鱼/吞拿鱼(jīn qiāng yú/wĕi yú/tūn ná yú)。
独特の風味を醸し出す稲荷寿司は、腐皮油扬寿司/豆皮寿司(fŭ pí yóu yang shòu sī/dòu pí shòu sī)。
日本では見られないような、红酒烩牛肉寿司(hóng jiŭ huì niú ròu shòu sī:牛肉の赤ワイン煮込み寿司)は、中国ならのお寿司でしょうか。
盛り合わせ
なお、寿司の盛り合わせは、寿司摆盘/寿司拼盘(shòu sī bǎi pán/shòu sī pīn pán)です。
おでん
好炖(hǎo dùn)
好炖は北京オリンピック前に日本の「七十一便利店」(qī shí yī biàn lì diàn:7-Eleven)が大挙中国に進出してから、とてもポピュラーな食べ物になりました。
品揃え
具材は、日本の定番で、「萝卜」(luó bo:大根)、「海带」(hǎi dài:昆布)、「鸡蛋」(jī dàn:玉子)、「维也纳香肠」(wéi yĕ nà xiāng cháng:ウインナー)。
牛筋串(niú jīn chuàn:牛筋串)、小结魔芋丝(xiǎo jié mó yù sī:結びしらたき)、「八珍豆腐饼」(bā zhēn dòu fŭ bǐng:がんもどき)など、結構、満足の品ぞろえ。
ちょっと変わり種となると、「扇贝柱串」(shān bèi zhù chuàn:ホタテ貝柱串)、「菠菜蛋糕」(bō cài dàn gāo:ほうれん草入り厚焼き玉子)、「海苔鸡肉棒」(hǎi tāi jī ròu bàng:つくねの中央に海苔を巻いたもの。
「培根金针菇」(péi gēn jīn zhēn gū:えのきのベーコン巻)、「紫菜豆腐包」(zǐ cài dòu fŭ bāo:海苔きんちゃく)と、いいお出汁が出そうなラインナップです。
【セブンイレブンのおでんとおにぎりでランチ】
七十一便利店では、饭团(fàn tuán:おにぎり)もありますから、ランチに「七十一便利店」の前で好炖をおかずに饭团を頬張る中国人も結構見かけますよ。
ためしてみたい芥末凤爪
最後に一つ、日本料理ではないのですが、日本の調味料を作った小吃(xiǎo chī:小料理、軽食)をご紹介します。
芥末凤爪(jiè mò fèng zhuǎ)です。
凤爪はいわゆる鳥足、“もみじ”です。中国人は大好きですが、外国人は、見かけがグロなので、避けたがる人も少なくありません。
でも、コラーゲンたっぷり、美肌にはもってこいの食べ物。普通は酱油や酢、胡椒などで味付けしますが、芥末味の凤爪を出しているお店にときどきぶつかりました。
機会があったら是非挑戦していただきたい逸品です。
中国でも気軽に日本食を
海外に出ても、気軽に日本食が味わえるとうれしいですね。それに、世界三大料理の一つを擁する中国に、日本の食文化が浸透していくというのも、誇らしくありませんか?