中国に行って買い物をするときイライラしてしまうのが、レジが混んでいることです。スーパーで買い物をしているときも、ファーストフード店で注文するときも、なかなか自分の番が回ってきません。
どうしてお客さんをうまくさばけないのでしょうか?
中国の買い物ストレス解消法!レジ混雑の原因と対処法
目次
レジが混む原因
中国のレジが混む原因は3つあります。中国語で原因を述べましょう。
bùshǎo rén chāduì
1,不少人插队.
dìyīpái cái kāishǐ xuǎn
2,第一排才开始选.
zhīfù fāngshì tài duō
3,支付方式太多.
さっそく一つ一つの原因を解説していきたいと思います。
不少人插队
不少人(bùshǎo rén)というのは「少なからずの人」という意味ですが、彼らが何をするのでしょうか?それは插队(chāduì)です。
插队というのは队(duì)つまり「行列」に插(chā)「差し込む」こと、つまり「割り込み」のことです。
せっかく列に並んでいても陽気にオジさまオバさま方が割り込んでくるので、なかなかレジが進みません。
それでも自分も急いでいるときは、割り込みをしようとしている人の背中をトントンと叩き、「排队吧」(páiduì ba)つまり「列に並んでくださいよ!」とお願いしてみましょう。
大抵は「ちっ、ダメだったか」という表情で後ろに並んでくれます。中国は普通のいい人が単に割り込んでいるだけなので、注意してもケンカにはなることはほとんどありません。
第一排才开始选
これはケンタッキーやマクドナルドで感じることです。第一排(dìyīpái)というのは「行列の一番前」という意味です。才(cái)「今頃やっと…」「ようやく…」という意味になります。
列に並んでいた中国人は、自分がレジで行列の一番前、つまり注文するときになってようやく何を始めるのですか?开始选(kāishǐ xuǎn)つまり「選び出し」ます。
列に並んでいるときにあれだけ時間があったのに、店員を目の前にしてはじめてメニュー表を見はじめ「え~、何にしようか?」と考え始めます。
おもむろに店員に「あれはいくらなのか?それは?」などと聞きながら選んでいきます。日本では一人当たり30秒ほどで済むこともあるレジ注文が、中国では3~5分かかります。当然レジは進みません。
支付方式太多
やっと何にするか決まったかと思いきや、今度は支払いにまた時間が掛かります。なぜですか?中国は支付方式(zhīfù fāngshì)つまり「支払いの方式」が太多(tài duō)「多すぎる」からです。
現金で支払う人はあまりいません。中国は日本より支払い方法が発達していて現金以外にも、銀行カードのデビット払い、クレジット払いはもちろんのこと、電子マネーで支払えます。
電子マネーも微信支付(wēi xìn zhīfù) ・支付宝(zhīfù bǎo) ・翼支付(yì zhīfù)とあり、レジ周りはどの支払い方式にも対応できるように端末でごちゃごちゃしています。
中国の電子マネーはチャージ式ではなく、ネットにつないで始めて支払える方式なので、電子マネーを選んだ後、「ネットにつながらな~い」とこれまた時間が掛かるケースもよく見受けられます。
このように支払い方式の複雑化もレジが進まない原因のひとつとなっています。
日本人だけがイライラする理由
なかなか進まないレジの後ろに並んでいて、日本人はストレスがたまっていきます。しかし不思議なことに列で待たされている他の中国人や一部の外国人はイライラしていません。どうしてでしょうか?
それはいつもスムーズに進む日本のレジと、知らず知らずに比べているからです。東南アジアの国から来ている方は、レジの進み方が自国と同じなので、平気な顔で並んでいます。
日本は時間厳守の国ですし、他の人の時間を無駄にしない国なので、レジの列で待たされるとストレスを感じてしまうようです。
レジがなかなか進まないと日本人が感じるのは、文化差异(wénhuà chāyì)つまり文化の違いに過ぎないみたいですね。
イライラするのではなく、外国に行ったらこういうもんなんだ受け入れてしまうことが重要のようです。
中国のスーパーで注意すること
大都市で都心部には外資系の超市(chāo shì:スーパー)が多く進出しています。
よくお世話になったのが华堂(huá táng:イトーヨーカ堂)や沃尔玛(wò ĕr mǎ:ウォールマート)、家乐福(jiā lè fú:カルフール)。品揃えが豊富で、買い物が楽しめました。
しかし、少しでも中心部を離れると、地元のスーパーがやはり主力。そこで、お店に入るときに、日本では経験できない対応を受けることがあります。
それは、警備員なのかただの見回りなのか、お店のスタッフに呼び止められ、こう言われます。
chāo shì bù ràng nǐ dài zhe tí bāo jìn qù,nǐ yào bǎ tā cún dào fú wù tái
超市不让你带着提包进去,你要把它存到服务台。
スーパーには手提げを持って入れません。手提げはサービスカウンターに預けてください。
バッグは禁止
そうです。入店する際は、バッグや手提げを持って入れないのです。
財布やその他貴重品を抜き取って、サービスカウンターに預けるか、コインロッカーに入れなければならないのです。
まだ中国に来たばかりのある日の夕方、時間があったので、お店を何件も梯子して、良いものがあれば買おうかなあとぶらぶらしていました。
最初のスーパーでちょっと買い物をして、そのときは、その塑料袋子(sù liào dài zǐ:ビニール袋)をぶら下げてお店に入ってしまいました。
そのときはたまたま、塑料袋子を持って入店する人物の姿は、管理員の目に留まらなかったのでしょう。
万引き防止
すると、あるときから、黙って私の後ろを着いてくる中年の服务员(fú wù yuán:スタッフ)がいました。
気になったので「你跟着我干么?」(nǐ gēn zhe wŏ gàn me?:なぜ私に付いてくるの?)と聞いたところ、
「看着你的」(kàn zhe nǐ de:あなたを見ているの)と言われ、上述のようなことを言われたのです。
以下、そのときの会話をちょっと再現してみます。
shì ma? bù hǎo yì sī, wŏ jiù bù zhī dào zhè shì。nà xiàn zài wŏ zĕn me bàn hǎo?
客 户:是吗? 不好意思,我就不知道这事。那现在我怎么办好?
そうなの?そのことは知らなかった。それなら今、私はどうすればいいですか?
dài zǐ lǐ de dōng xī zŏng gong duō xiǎo qián? nǐ yīng gāi zài jiāo gēn tā tóng yang de jià qián
服务员:袋子里的东西总共多小钱? 你应该再交跟它同样的价钱
ビニールの中の物は全部で幾ら?同じ価格をもう一度支払ってください。
jiāo gĕi shéi?
客 户:交给谁?
誰に払うの?
jiāo gĕi wŏ men chāo shì
服务员:交给我们超市
私たちスーパー側に払ってください。
wéi shén me?
客 户:为什么?
どうしてですか?
nǐ néng bù néng zhèng míng zhè xiē dōng xī bù zài zhè lǐ mǎi de?
服务员:你能不能证明这些东西不在这里买的?
あなたはこれらの物をここで買わなかったと証明できますか?
nǐ shuō wŏ bǎ zhè xiē dōng xī zài zhè lǐ tōu?
客 户:你说我把这些东西在这里偷的?
あなたは私がこれらの物をここで盗んだというのですか?
というところまで状況が発展して、最後は、「こんな失礼なことを言う店は、世界中探してもココしかない!」と怒鳴って、お店を後にしたのでした。
あまりにも頭に来たので、日本に暮らす中国人の友達にその話をしたら、「うん。そう。中国だけじゃないよ。イタリアも同じだった。入境问俗」と言われました。
郷に入っては…
入境问俗(rù jìng wèn sú)
日本語の「郷に入っては郷に従え」に該当することわざです。
他国では、間違いを犯さないように、まず禁止されている事柄や風俗習慣を聞く、という意味です。
なぜ、カバンや手提げを持ってスーパーに入ってはいけないのか。
それは、お店側のリスク回避作戦にほかならず、お客さんが商品をこっそり手提げに入れて持ち帰れないようにするためです。
méi yŏu bǎ qián bāo zhuāng hǎo de tí bāo,tài wēi xiǎn le,rú guŏ diū le qián bāo zĕn me bàn?
没有把钱包装好的提包,太危险了,如果丢了钱包怎么办?
財布を包む手提げがなければ、とっても危険です。財布を落としたらどうしますか?
と言ってもダメでした。
レシートチェック
スーパーによっては、レジを済ませたお客さんの小票(xiǎo piào:レシート)をチェックするところもあります。
レシートを見て、「はい、確かにお買い上げの商品とレシートを照合しました」ということで検印を押してもらいます。
その検印済みの小票を服务台に提示して、預けたカバンや手提げを受けとります。
お店の規則に従って!
日本なら名誉棄損と言われそうな対応ですが、お店のリスク管理で一律にすべてのお客さんを疑ってかかるから問題ないのか、なんて解釈しようとと努めたものです。
ただし、地元のスーパーの全部が全部、手提げを持って入れないわけではありません。
コンビニを一回り大きくしたぐらいのスーパーでは、全体を見回せるぐらいの広さだからなのか、バッグを持って入っても咎められません。
ある程度の規模で、店員の目の届かない“死角”が多いスーパーではこのような措置が取られている、と今では勝手に解釈しています。