中国人が日本人よりもお金が大好きなのはよく知られていることでしょう。歴史の中の華僑だけでなく、今の中国の方もお金を稼ぐアイデアにあふれていて、あらゆる方法でお金持ちになっています。
そして中国人は信じられないほどたくさん使うことでも有名です。
中国人のお金の使い方
中国人のお金の使い方
中国人のお金の使い方を理解するためには、日本のファーストフード店と中国のファーストフード店のお金の使い方を見るといいでしょう。
【日本はセット注文】
日本人がファーストフード店に行ったときにまず考えるのは、割引キャンペーンやクーポンの利用です。もしも昼休みだけのお得なセットがあるなら必ずセットを頼むでしょう。
ところが中国人は日本人ほどお得なセットに興味を示しません。
例えばハンバーガー(汉堡包:hànbǎobāo)とポテト(薯条:shǔtiáo)とコーラ(可乐:kělè)で18元(250円)というセットがあるとします。中国にいる日本人なら必ずセットを頼むしょう。
【中国は単品注文】
しかし中国人は单点(dāndiǎn)つまり個別注文で、好きなものを頼んでいきます。「あのハンバーガーと、ポテトと、コーラ」というように。
後ろで辛抱強く並んで待っている日本人からすると「それならセットにしたら得じゃん!」と心の中で叫びたくなりますね。
ところがレジの店員も「セットにするとお得ですよ」なんて言わず、平気で「30元です」と言っています。そして平気で30元払っています。
あまり考えずにドンドンお金を使うこの中国人の傾向は、日本に来て爆買いしてくれる中国人を見てれば分かりますよね。
たくさんのお金を使う理由
中国人のほとんどは、どうしてそんなにお金を使おうとするのでしょうか?理由を中国語で述べてみましょう。
hěnduōrén làngfèiqián shì yìzhǒng pínqióng shídài de fǎnzuòyòng
很多人浪费钱是一种贫穷时代的反作用。
很多人(hěnduōrén)は「多くの人」という意味になります。浪费(làngfèi)は「無駄遣いする」という動詞で、钱(qián)は「お金」という名詞ですね。
贫穷(pínqióng)は「貧乏」という意味で、一种(yìzhǒng)は貧乏に付く「一種の~」という量詞になります。反作用(fǎnzuòyòng)は漢字のままの意味です。
つまり全体の意味として「多くの人は昔貧乏だった時代の反動で、お金を無駄遣いする」という意味合いになります。
お金をたくさん使う親の気持ち
中国人がお金を無駄遣いしたがるのなぜですか?今40,50代のお父さんお母さんは自分が子どもの時に、家にお金がなくてそれはそれは苦労しました。
自分が苦労したので、自分に子どもができたときは子どもにはお金のことで苦労させたくない、買いたいものを買わせてやりたいという気持ちが働いているわけです。
ファーストフード店では子どもが食べたいものを制限なく買わせ、少し大きくなれば子どものために家さえも買ってあげます。
ところで、子どもは感謝しているでしょうか?
お金をたくさん使える子どもの気持ち
今40.50代でお父さんお母さんをしている人は、貧しくても自分を育ててくれた親に深く感謝しています。ところが子どもは自分が生まれたときから親にはお金がありました。
自由に物を買うことができる子どもの気持ちはこのようなものです。
wǒ bàba māma wèi wǒ huāqián shì yīnggāi de
我爸爸妈妈为我花钱是应该的。
我(wǒ)は「自分」、爸爸(bàba)は「お父さん」、妈妈(māma)は「お母さん」という意味ですよね。
为我(wèi wǒ)というのは「自分のために」という意味、花钱(huāqián)は「お金を使う」という意味です。
「是~的」(shì ~ de)というのは、その間に挟まれた言葉を強調する文法となります。应该(yīnggāi)は「当然」「絶対」と意味になります。
つまり意味をまとめると、「お父さんお母さんが自分のためにお金を使うのは当然じゃん!」と、今の中国人の若者は思っているわけです。
まとめ
自分の人生経験から、お金をたくさん使わせてあげれば子どもが幸福になると思っても、実際には子どもは高慢で自分勝手になるだけという事態が生じています。
これは中国だけでなく日本でも見られる傾向かもしれませんね。
中国には知足常乐(zhīzú chánglè)というすばらしいことわざがあります。お金があってもなくても「満足することを知っていればいつも幸せだ」というものです。
幸福はお金をどう使うかではないようですね。