中国の大気汚染:PM2.5の驚異的な数値とその背景

    1. 中国経済・社会

    PM2.5でもっとも空気が汚れている世界中の都市10が発表されました。そのうち7つはなんと中国の都市だったのです。

    どうして中国はあれほど大気が汚れてしまうのでしょうか?その原因には中国ならでは特有の考え方があるからでした。

    中国の大気汚染:PM2.5の驚異的な数値とその背景

    中国のPM2.5の量

    中国でPM2.5(微小粒子物質)は、人知を超えた数値を記録しています。PM2.5による大気汚染度は1㎡あたりの数値によってが表されます。

    • 0~50健康
    • 50~100 影響少
    • 100~150 軽度汚染
    • 150~200 中度汚染
    • 200~300 重度汚染
    • 300~ 深刻汚染
    • ~500 (通常の計測地の上限)

    まさかPM2.5が500を超えることはないと考えられていましたので、世界中にあったPM2.5測定器はメモリが500までしかありませんでした。

    ところが予想を大きく超えてきているので500以上でも計測できる機械に変わっています。

    さて、中国での大気汚染度どれくらいだと思いますか?中国語で表現しましょう。

    zài běijīng wùmái de wèntí hěn yánzhòng měinián dōngtiān PM èrdiǎnwǔ chāoguò liùbǎiwǔ

    在北京雾霾的问题很严重 每年冬天PM2.5超过650.

    雾霾wùmái)という単語は最近の辞書にしか載っていません。「PM2.5による大気汚染」を指す新単語です。

    严重yánzhòng)は程度を表す言葉で「深刻」という意味になります。冬天dōngtiān)は季節の「冬」を表す名詞となり、超过chāoguò)は「~を超えてしまう」という意味です。

    つまり全体で「北京では大気汚染の問題がとても深刻で、毎年冬はPM2.5が650を越してしまう」という意味になります。

    北京より東にある沈阳市(shěnyángshì)では2013年にPM2.5の値が1400という記録を打ち立てました。

    PM2.5が500を超えると、呼吸困難になるだけでなく、あまりに空気が汚れすぎて5mより先はぼやけて見えません。予想を超えた桁違いの深刻度なのです。

    説明:中国北京のCCTV大楼。

    PM2.5が高い理由

    中国の都市はどうしてそんなにPM2.5の数値が高くなってしまうのでしょうか?中国特有の2つほど理由があげられます。

    中国人は高級車好き

    zhōngguórén xǐhuan háohuá qìchē

    中国人喜欢豪华汽车

    一つ目の理由から考えていきましょう。喜欢xǐhuan)というのは「~が好き」という意味ですよね。豪华汽车háohuá qìchē)というのは高級車のことです。

    つまり「中国人は高級車が好き」というのが大気汚染の主な原因です。どういうことでしょうか?

    日本と中国、売れる車の違い

    日本では5ナンバーのつまり車の2000cc以下の車が主体で、660cc以下の軽自動車も良く売れていますよね。これらの車は非常に燃費がよく、節約を重視する国日本では売れ筋の車となります。

    ところが中国では軽自動車を売り出したところで誰も見向きしません。中国では汽车尾气qìchē wěiqì)つまり排気量が大きくなくては車ではないからです。

    ほとんどの中国人が車を購入するのは便利さを求めるためでもありますが、むしろお金持ちになったステータスとして購入します。

    排気量が大きいほどお金があるイメージがあるため中国で走っている車の9割以上は2000cc以上の日本で言う3ナンバーの車です。

    人口が多い上、排気量が多いと当然大気汚染はいっきに進むでしょう。続いて2つ目の中国で大気汚染が進む理由を考えましょう。

    中国

    汚染物質の停留

    chéngshì zhījiān de kōngqì liúdòng bù duō

    城市之间的空气流动不多

    城市chéngshì)というのは「都市」という意味ですね。之间zhījiān)は「~の間」という方位詞です。

    空气流动kōngqì liúdòng)漢字を見たら分かると思いますが「空気の流れ」という意味で、不多( duō)は「多くない」という意味になります。

    つまり「都市の間の空気の流れが少ない」のも大気汚染を深刻化させる要因です。

    島国である日本や平地が平がるヨーロッパでもPM2.5は発生しているのですが、都市間に空気の流れがあり、大気は汚染されても風で流されある程度浄化されます。

    しかし中国の都市の多くは四方が山で囲まれているので、大気中に溜まった汚染物質が停留してしまうのです。

    中国がとる興味深い対策とは

    中国政府も今汚染対策には大量の金を費やし対策を練っています。環境保護の専門機関には大量のお金がつぎ込まれ、画期的な解決法の開発に力が注がれています。

    その1つに导弹雨dǎodàn )というものがあります。雨水を集める金属をミサイルの中に積んで大気中で爆発させるという方法です。

    これによって人工的な雨が降ります。さすがは中国考えることが画期的ですね。

    中国旅行では必ずマスクを

    上記のように中国の大気汚染はとても深刻化しています。

    現実主義であると同時に感覚で行動する中国人の方は、よっぽど目に見えて空気が汚れていないと防塵マスクをしようとしません。しかし目に見えなくても危険物質は確かに蔓延しています。

    中国旅行に行ったときは、現地の人がしてもしていなくてもしっかりとマスクしていたほうがいいでしょう。

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