自宅に友人を招いて食事をするという事は、日本ではかなり仲がいいという証拠なのではないでしょうか。
では、もし中国の友人を食事に招待したいならどのようなことに気を付けたらいいでしょうか。また、逆に中国の友人が招待してくれるときはどうでしょうか。
中国で友人を招く時と招かれた時に直前で確認すべきこと
目次
招く時
直前に要確認
言葉と行動でどのようなことを注意した方がいいのか少し考えてみましょう。
少し前から自宅に来てほしいという事を伝えておいても、約束を忘れてしまう中国人は多くいます。予定を立てるという習慣がないからです。
それで、直前に何度も確認することをお勧めします。例えば、「来週の何曜日」「今週の何曜日」「明日」「今日」という具合です。楽しみだという事を伝える手段にもなるでしょう。
日本と同じで、どのような食べ物が好きで、どのようなものが苦手なのかを聞いてみると喜ばれるかもしれません。
いらっしゃいを中国語で
来了(láile)
日本語でいらっしゃいと言いたいなら「欢迎」(huānyíng)と言えるでしょう。これはようこそという意味です。どんな相手でも初めの場合使うことができるでしょう。
しかし、同じ友人に何度もは使えません。いつまでも「欢迎」(huānyíng)を使うと関係が遠いと思われてしまうからです。仲のいい人には礼儀がいらない中国では言葉の使い方が重要です。
では、親しくなった人にはどのすればいいのでしょうか。「来了」(láile)この言葉で十分です。これは文字通り「よく来たね」という意味です。
自分が招かれた時でも「来了」(láile)、「我来了」(wǒláile)「私来たよ」とフランクに言えるかもしれません。
家に来た人を歓迎
lùshàngdǔbudǔchē
路上堵不堵车
道混んでなかった?
nǐzěnmeláidene
你怎么来的呢
どうやってここまで来たの?
qǐngzuò,xiānxiūyìhuìerba
请坐,先休一会儿吧
どうぞ、座って休んでいてください
招かれた時
手土産
もし招かれたならば何を持っていきますか。多くの場合、中国人はたくさんの果物を持っていきます。招かれた側もそこで寛大さを示すのです。
また、ビールなど飲み物を持っていく人もいるでしょう。料理を持っていく人も中にはいますが、初めてのお呼ばれでそれは少ないでしょう。しかし、特別な料理ならば相手に喜ばれます。
相手の家を誉めよう
私たちも初めての家を誉めることがあるかもしれません。同じ調子で伝えることができます。
Nǐmenjiāzhēngānjìng
你们家真干净
あなたたちの家はとてもきれいですね
Nǐmenjiāhěnshūfu
你们家很舒服
居心地がいいです
Kètīnghěndà
客厅很大
居間がとても大きいですね
料理は残す?
中国人がもてなしてくれた時は必ず料理を残すのがマナーという話を聞いたことがある人は多いかもしれません。しかし、実際はどうなのでしょうか。
基本的に食べられないほど料理を出してくる中国人がほとんどです。全部食べたくても種類と量が多すぎて確実に残してしまうのです。それは、中国人の寛大さを表しているからです。
特に新しい友人と初めて食事するときなどは特にそうだと言えるかもしれません。しかし、それは面子とも関係があります。
【ご飯ではなく料理を残す】
もちろん、もともと寛大な中国人ですがそれでも面子を非常に重んじるため、人の面子も守らなければなりません。それで、一番理想なのは、ご飯を全部食べても料理は残すことです。
料理を食べられないほど出してくれたという意味で「あなたは寛大な人ですね」という事を伝えることができます。
しかし、本当に全部食べられるなら食べても大丈夫です。なぜなら、日本ではそれがマナーですから。
帰る時
招かれた側は、
xìexìenǐmenyāoqǐngwǒ
谢谢你们邀请我
jīntīantèbiekāixīn
今天特别开心
招いた側は、
huānyíngxiàcìzàilǎi
欢迎下次再来
このように基本的には日本と同じマナーと言えるかもしれません。それでも、中国の場合初めの人には気持ちのいいくらい寛大なもてなしをします。
しかし、慣れた人には気兼ねなく付き合うことができるように硬すぎる言葉使いをしないという事を覚えておくといいでしょう。
中国人は言葉と行動一つで近しさや距離を感じます。出来るだけ、フランクな中国語を使えるようにするのもおすすめです。
海外赴任は大企業に勤めていれば多くの人が通る道です。外国に一歩足を踏み入れたその時から日本人は自国との違いを感じるでしょう。
もちろん中国人が日本へ出張になることもあります。そのとき彼らは母国とは違うある特別な寂しさを感じるのです。
中国での歓迎
中国は外国人を出迎える場面では、必ずある態度を前面に押し出します。それが…
rèliè huānyíng
热烈欢迎
熱烈歓迎
実際中国語で書かれた「热烈欢迎」という文字を見たことがある人もいることでしょう。人目をはばからず旗を振り、よく来てくれた!と肩をたたいてくれたりします。
日本人は少々なれなれしい態度にかなりとまどいを感じますが、歓迎されて悪い気持ちはしないことでしょう。
これは中国文化なのですが、中国人の熱烈歓迎は空港だけでは終わりません。
しばらく続く熱烈歓迎
中国人は日本人が母国に来てくれると、空港で熱烈歓迎してくれるだけでなく、早速ご飯を食べに行こう誘ってくれます。
中国に到着した最初の週末は、自分たちの休日も返上して、観光地に連れて行こうと言ってくれることも少なくありません。
そう!中国人はおもてなしの態度(好客精神:hàokè jīngshén)を惜しみなく示してくれる国民性なのです。
しかし当の日本人はというと、異国の地中国で慣れない熱烈歓迎を受け疲れてしまいます。
笑顔で「せっかくのお誘いではありますが、ちょっと疲れておりますし、片付けなどもありますのでご遠慮いたします」と中国人のもてなしを断ってしまうというのがよくあるパターンです。
そう、日本人はプライベートを大切にし、国際的にも熱烈歓迎をしない国民性なのです。
中国人が日本に行くと
こういう背景を考えると、中国人が日本に到着したときにどんな感じ方をするのかがわかるでしょう。中国人の気持ちになって、日本勤務となり日本の空港へ降り立った時の様子をご想像ください。
飛行機の中で、一緒に働くことになる日本人の仲間が迎えに来てくれているという情報を知ってうれしく感じています。
空港から出ると、確かに日本人社員が迎えに来てくれてはいますが、どうも熱烈歓迎という雰囲気はありません。持っているものに書かれているのは何ですか?
「〇〇会社〇〇様」という事務的なものです。
作り笑顔で深々とあいさつされ、「お待ちしておりました。今後よろしくお願いします。こちらですどうぞ」と社交辞令(客套话:kè tào huà)を述べられます。
そのすぐ後に話されるのは、日本での業務に入るための段取りの話です。
中国人はまったく歓迎されてないと感じ、寂しい思いになってしまうのも理解できますね。同時に「日本では仕事が一番大事なんですよ!」という見えないプレッシャーを感じることにもなります。
文化の違いを受け入れる
今回は日本と中国の歓迎の違いについて考えましたが、もちろんどちらの歓迎の方が良いというわけではありません。
歓迎は最低限のものにしておいて、仕事仲間はあくまでもプロジェクトを成功させるために集まっているという距離間だからこそ、日本の会社は良い製品を生み出せているのでしょう。
しかし中国のように歓迎を熱烈に行った場合、会社の中でビジネスパートナーとして困ったときには助け合う精神が醸し出されます。
文化の違いに直面したときは、それぞれの長所に注目し違いを受け入れることを意識するとコミュニケーションが円滑に進む可能性がグンと上がりますね。