中国を知るということは中国語を知ることだけにとどまりません。中国人が歩んできた近年の歴史を知ることでもあります。
日本にいながら手っ取り早く中国の近代歴史を知ることはできないでしょうか?できます。中国の映画を見ればいいのです。
映画で学ぶ中国の歴史:必見の中国近代史映画ガイド
目次
中国の生活を知る映画
中国人の生活はどういうものなのか、日本にいるだけでは何もわかりません。
中国人の爆買いなどがよく報道されていますが、中国人すべてがお金持ちなのではありません。
お金持ちは1割程度で、その他の多くの人は貧乏です。とくに農村部の生活は貧乏なうえ、教育さえ十分受けられません。
そんな様子がよく理解できる映画がありますので、中国語の名前で紹介しましょう。
あの子を探して
yī ge dōu bùnéng shǎo
一个都不能少
これは中国の有名な中国の导演(dǎoyǎn)、つまり映画監督の张艺谋(zhāng yìmóu)が1998年に作った映画です。
中国の農村部の様子が見事に描かれており、本当の中国の生活、物がない生活がよく分かります。
一个都不能少(yī ge dōu bùnéng shǎo)は日本語では「あの子を探して」という映画のタイトルになっているのですが、中国語のもともとの意味とはまったく違います。
では一个都不能少(yī ge dōu bùnéng shǎo)はどういう意味なのでしょうか?
一个都不能少の意味
一个(yī ge)は「1つ」という意味です。都(dōu)は全部という意味。
不能少(bùnéng shǎo)「減らしてはいけない」という意味になり、「1つといえども減らしてはいけない」という意味合いになります。
映画を見れば分かりますが、13歳の女の子は農村部の学校に連れてこられ、一ヶ月の間小学生たちを教える代理の先生をしなくてはいけません。
給料支払いの条件
村長が口約束で「一ヶ月の間、生徒を一人も減らせてはいけない。一人も減っていなければ50元やる」と言います。
途中一人の男の子がいなくなったのでその子を農村部から街に探しに行くという内容です。
なぜ中国語の主題が「一个都不能少」だと思いますか?これが50元(日本円で750円)の月給をもらうために条件だというところがポイントです。
働いても支払われない給料
映画の中で何度も主人公は50元をいろんな人に請求しています。それでもなかなかもらえないので、この条件を満たすために必死になっているわけです。
このように中国では、働いた当然のお給料さえも払われないことがよくあります。そのため労働者は自ら何度も請求する必要があるのです。
日本企業で働いている中国人がよく上司にお金の話をして嫌がられますが、あれはお金にがめついからではありません。こうした生活背景があるからなのです。
中国の歴史を知る映画
今の中国の日本・台湾に対する距離感はどうして生まれたのか。どうして今の中国共産党が出来上がったのかなどがよく理解できる映画があります。
近代中国の歴史を理解するには最適な映画、その名が…
宋家の三姉妹
sòng jiā huángcháo
宋家皇朝
これは中国の近代歴史を描いた日本と香港の合作映画で、どこかの国に偏ることなく中国の歴史を忠実に描いている優れた映画だからです。
映画の内容はすべて史実です。宋(そん)家の3人の娘は中国の近代歴史に関わる人物と結婚します。
長女は中国歴史に大きな影響を及ぼした大富豪の孔祥熙(kǒng xiángxī)と、次女は中国革命の父、孙中山(sūn zhōngshān)と、三女は有名な蒋介石(jiǎng jièshí)と結婚します。
この3姉妹の歴史から、中国という国がどういう苦しみの中生まれたのか手に取るように分かるでしょう。
日本語の題名は「宋家の三姉妹」です。早速ツタヤなどで借りてみてはいかがですか?
映画は中国語の勉強にも
中国人の先生と勉強するとき、相手の出身地、中国という国を知っているのも重要です。よって、中国語の勉強に疲れたときは、ちょっと息抜きに日本語でこれらの映画を見るのもいいでしょう。
中国語の聞き取り能力を上げるという目的なら、中国語で聞くのもいいでしょう。最初は日本語の字幕付き、自信がついたなら中国語の字幕に挑戦してみるのです。