日本でよくある割り勘ですが、中国には割り勘という考えがほとんどありません。日本の様に割り勘にすると中国人はどう思うのでしょうか。
今回は中国人の普段の習慣、また今後中国人と食事に行く場合どのようにすればよいのか考えてみましょう。
中国では割り勘はありえない!?
“AA制”とは
AA(zhì)制とは、日本語の割り勘を指しています。そのAAはどこから来たのでしょうか。それは英語の「Algebraic Average」からきています。
直接的な意味としては、代数平均という意味になります。簡単に言うと費用を各自が均等に分担するということでしょう。
中国人の習慣
中国人は基本的に、全額おごるかおごられます。日本の“AA制”は自分が食べたものを自分の責任で払うというものです。
多くの人はとても公平だと考えるかもしれません。しかし、その点中国人もとても公平です。
今回は自分がおごった、だから次回はあなたの番と考えます。つまり、毎回おごる人が交代するわけです。
もし中国人に食事をおごられた場合、次回はあなたがおごるというのがマナーです。これは、中国人と付き合うときの注意点と言えるでしょう。
中国人に“AA制”にしようと言った場合
美味しいご飯を食べた後、「一人○○円だね」という事があるかもしれません。
しかし“AA制”にするとなったら、中国人は「なんてケチな人だ」と思うことでしょう。大した額でもないのに割り勘にするなんて、と驚かれます。
また、もしも大の大人が自分の親と割り勘にしていたら、中国人はその人のことをとても小さな人間と思うだけでなく、親子の情がないように感じてしまいます。
気を付けましょう。
お返しに何をおごるか
基本的におごってもらった時と同じ費用のものをご馳走します。
例えば、前回“自助 餐(zìzhù cān)”つまり食べ放題をごちそうになったなら、次回は違うお店の“自助 餐”に連れて行ってあげるといいでしょう。
また“奶茶(nǎichá)”つまり紅茶をおごってもらった場合「じゃあ、私はケーキ買うね」ということはやめましょう。もしそうしてしまうなら「紅茶だけじゃ足りないよ」という意味になってしまいます。
相手がごちそうしてくれるときは、それに合わせ、次回自分が同じ金額のものをごちそうすればいいのです。
ご飯に誘いたいとき
“咱们一起吃饭吧(zánmenyīqíchīfànba)”。「一緒にご飯に行きましょう」という意味です。
中国人をご飯に誘うと彼らは必ず喜んでくれるでしょう。なぜなら中国人にとって一緒にご飯を食べるということは、友達である証拠だからです。
そのとき、私がご飯をごちそうするから何も気にすることないよという意味で、“我请客你(wǒqǐngkènǐ)”ということができます。
もっと簡単な言い回しとして“我请你(wǒqǐngnǐ)”でもいいでしょう。
習慣の違いを考えて
中国では、ご飯を誘った人がおごるというのが暗黙の了解です。
“我请你(wǒqǐngnǐ)”と言わなくても“咱们去 吃饭吧(zánmenqù chīfànba)”と言えば、それは自分がおごるという意味になることが多いです。
それで、中国人をご飯に誘うときは自分がおごるという覚悟で言いましょう。
しかし例外として、日本に住んでいる中国人、日本の習慣を理解している、もしくは理解したいという中国人であればどちらが声をかけても大丈夫でしょう。
そういった中国人に対して、もし割り勘にしたいならば“咱们来AA 制吧(zánmenlai zhìba)”と言っても、大きな誤解を招かず日本の習慣として受けとってもらえるでしょう。