日本人が大好きな饺子‘(jiǎo zi)「餃子」。発祥の地・中国、とくに東北地方では最も食卓に上る料理のひとつです。
しかも、日本のようにおかずやビールのお供ではなく、れっきとした主食。調理法も違います。
中国は餃子餡の種類が豊富
中国の餃子
日本の餃子はフライパンや鉄板で焼いた煎饺「焼き餃子」(shuǐ jiǎo)ですが、中国では茹でた水饺「水餃子」なのです。
中国人がわざわざ煎饺を作るのは、水饺が余って翌日食べる時ぐらいでしょうか。日式煎饺には“残り物”的なイメージがあるようで、お客様にお出しすることはほとんどありません。
餡の種類
ところで、中国の水饺は陷「餡」の種類も豊富。私たちからすればちょっと意外な具材もよく使います。
肉類
猪肉(zhū ròu) 豚肉
鸡肉 (jī ròu) 鶏肉
牛肉 (niú ròu) 牛肉
羊肉(yáng ròu) 羊肉
野菜
胡萝卜(hú luó bo) にんじん
西葫芦(xī hú lu ) ズッキーニ
茄子(qié zi) なす
番茄(西红柿)(fān qié(xī hóng shì)) トマト
その他
海参(hǎi shēn) なまこ
海米( hǎi mǐ) 干し(小)エビ
酸菜(suān cài) 葉野菜の発酵漬物
炒鸡蛋( chǎo jī dàn) いり卵
餃子の種類
定番の饺子と陷に使われる主な具材をいくつかご紹介しましょう。
1.三鲜(陷)饺子 (sān xiān (xiàn))
主な具材:肉類、野菜類、海鮮類の三鲜から1品ずつ具材が選ばれます。
2、酸菜饺子
主な具材:酸菜、猪肉
3、羊肉饺子
主な具材:胡萝卜、羊肉
4、牛肉番茄(西红柿)饺子
主な具材:番茄(西红柿)、牛肉
個々の餃子の名称は、「饺子」が「水饺」だったり、陷に加える具材で変わることがあります。
たとえば、「牛肉番茄(西红柿)饺子」では、「牛肉」の変わりに「炒鸡蛋」が入れば「番茄(西红柿)鸡蛋饺子」となります。
注文方法
さて、いよいよレストランで注文する段に至ったとき、やはり日本とは異なる習慣に戸惑いを感じるでしょう。
日本のように「一皿」「一人前」と注文するのではなく、重さで注文します。
重さの単位は「斤」(jīn)か「两」(liǎng)です。「斤」は500グラムで、「两」は「斤」の10分の1の50グラムです。
でも、私たち外国人には、重さで注文するといっても、実際に何コぐらいの「餃子」が出てくるのか、おなかがいっぱいになるか分かりません。そんなときは、
yī jīn sān xiān jiǎo zi yǒu duō shao gè
一斤三鲜饺子有多少个?
500グラムで三鮮餃子は何コありますか?
yī jīn jiǎo zi, wǒ men sān gè chī gòu ma
一斤饺子,我们三个吃够吗?
餃子500グラムは、三人で食べるのに十分な量ですか?
一斤でだいたい餃子は60コぐらいありますので、いける! と思ったら注文しましょう。
餃子は持ち帰りも◎
仮に食べきれなくても、持ち帰りできるので便利です。ただし、気温が高いときは食中毒に要注意!
nà me lái yī jīn ba
那么,来一斤吧
それじゃあ、餃子500グラムください
shèng xià de (jiǎo zi) jiù dǎ bāo ba
剩下的(饺子)就打包吧
余った餃子は持ち帰ります
と伝えると、お店の人は餃子をパックに詰めてビニール袋に入れてくれます。
春节には餃子
ところで、中国で一番重要な行事・春节(chūn jié)「お正月」を迎える際も饺子は欠かせません。
春节の午前0時までに一家で饺子を包み、正午0時になるのを待っていただくという伝統があります。
つまり、子の刻(午後11時―午前1時)の真ん中の午前0時は新旧交わる時刻。
「春节」(jiāo zǐ)でいえば旧年に別れを告げ新年を迎える時刻で「交子」。「交子」の発音が饺子に通じるため、家族で饺子を作って食べて新年を祝い、家族団らん、子孫繁栄を願います。
中国に行ったときは、ぜひとも本場のさまざまな餃子を味わい、中国人情緒を体感してみてくださいね。