中国の上海ガニの旬と美味しい調理法

  1. 中国歴史・民族
今年、螃蟹(páng xiè:カニ)はもう召し上がりましたか?

中国の上海ガニの旬と美味しい調理法

中国のカニ

河蟹=上海ガニ

螃蟹はカニのことで、大きく分ければ淡水域にいる河蟹hé xiè:モズクガニ、淡水ガニ)と海域にいる海蟹hǎi xiè:海ガニ)があります。

中国で螃蟹といえば河蟹。いわゆる、私たちが上海ガニと呼んでいる類のカニのこと。

正式名称は中华绒螯蟹zhōng huáróng:チュウゴクモクズガニ)で、レストランでは「大闸蟹」(dà zhá xiè)とメニューに載っていたりします。

旬と値段

毎年、中秋節を迎える前に螃蟹は市場に出始めますが、このころはまだ数が少ないのでお値段は高め。

本格出荷となる9月下旬になると、値段もじょじょに落ち着き始めます。成熟度も増しますから、慌てずにちょっと待った方が賢明かもしれませんよ。

大量の当たり年なら、お値段は通常より20~30%は安くなることもあるそうです。中秋節以降は、1杯110グラムあたり15元。ブランドにもよりますが、最安値で1杯5元なんて螃蟹もあるようです。

wò ĕr mǎ mài páng xiè shí wŭ yuán yì zhī bù guì ba?

沃尔玛卖螃蟹15元一只,不贵吧? 

ウォールマート(米系スーパー)でカニが1杯15元なんて、高くないでしょ?

レストランによって、螃蟹が入った生簀を店内に置いているところもあって、客人はそこから気に入った螃蟹を選ぶこともできます。

海鮮市場では、買ったばかりの螃蟹をその場で料理してくれます。スーパーでは手足を縛った状態で売られています。

カニの生産地

海鮮市場やスーパーでは、自分の目利きでブランドを選ぶことになります。どのブランドがいいのか、詳しくないと迷ってしまいます。そんなときは、スタッフにおススメを聞いてみましょう。

qǐng wèn,nǎ gè pái zǐ hǎo chī ne?

请问,哪个牌子好吃呢?

すみません。どのブランドがおいしいですか?

nín tuī jiàn de shì nǎ gè ?

您推荐的是哪个? 

あなたのおススメはどれですか?

ブランドは主に産地別で、その次に生産者別になります。有名な産地は次の通りです。

1、 阳澄湖

yáng chéng hú

螃蟹といえばココ! というぐらいの名産地。江蘇省蘇州市の東北部に位置し、蘇州市昆山市常熱市に跨る湖です。

2、 沙家浜

shā jiā bāng

阳澄湖湖畔にある沙家浜というzhèn:農業地区の町)で、観光地として有名です。

3、 太湖

tài hú

安徽省太湖県にある長江三角州の南に位置する湖で、中国五大湖の1つ。近年は藻の大量発生で騒がれた重要な水源でもあります。

4、 溱湖

zhēn hú

江蘇省泰州市姜堰区にある湖で、こちらもやはり国家レベルの湿地公園です。

カニの選び方

オスとメス

さて、選ぶ段階での注目点は公蟹gōng xiè:オスガニ)か母蟹mŭ xiè:メスガニ)かということ。このことについては、「九月团脐十月尖」(jiŭ yuè tuán qí shí yuè jiān)という言葉があります。

团脐」は「丸いお腹(臍)」=母蟹を指し、「尖脐」は「とがったお腹」=公蟹を指します。

それぞれの旬

すなわち、旧暦の9月(10月ごろ)に母蟹を食べて、旧暦10月(11月ごろ)に公蟹を食べるという意味です。

なぜなら、旧暦9月はメスの消化腺と卵巣が大きくなり「蟹黄」(xiè huáng)となり、冬を越し来年の産卵に向けた準備に入るからです。みなさん、ここを狙っているのです。

公蟹は成長が母蟹に比べてゆっくりで、旧暦の10月ごろに脂肪がたまります。公蟹の場合は「蟹膏」(xiè gāo)がポイント。

蟹膏とは精嚢と精液などがある部分。男性の象徴(?)であるこの部分が大きいほど良いのだとか。

ただ、一緒に螃蟹を買いにいった中国の友人は、みんな時期を問わず、ことごとく母蟹ばっかり買っていました。

gĕi wŏ tiāo mŭ xiè !

给我挑母蟹! 

メスのカニを選んでください!

とにかく、この時期になると中国のみなさんは螃蟹にくぎ付けというか、半狂乱しております。

その分、偽物も大量に出回っています。偽物とは、産地を偽るのですね。だから、本物には甲羅にレーザーの刻印があったり、蟹爪に指輪(タグ)をしていたりしいます。

レモンと生姜を添えたまな板の上に 2 つの烹饪カニ。

調理方法

さて、いよいよお料理です。主な調理法は、清蒸qīng zhēng)か、水煮shuǐ zhŭ)です。水煮のほうは「大闸蟹」という名称にもつながるんですよ。

大闸蟹の名の由来

その昔、蘇州のカニ売りは「sa蟹大sa蟹」と叫んで沿道を歩いていたそうです。

蟹は煮て食べるので、お湯で煮るという意味の方言は「(=zhá)」ですが、訛って「sa」となります。「zhá)」も訛ると「sa」という音になり「」と通じます。

さらに、蟹を捕獲するときに竹製のやなを使います。これを「竹闸」(zhú zhá)というので「闸蟹」。

清蒸

ただ、今は素材のうまみが丸ごと味わえる清蒸で食べる方が圧倒的に多いでしょう。

きれいに洗った螃蟹をセイロに入れて約15分蒸すだけ。甲羅の色が変色したらOKです。お酢に砂糖を加え、針生姜を浮かべたつけダレも添えましょう。これなら自分でも簡単に作れますね。

【カニを自分で調理するなら中国へ!】

ただ、残念なことに、日本ではレストランでいただくしかありません。生きた中国産螃蟹の日本への輸出は禁じられているからです。

自分で選ぶ・調理する楽しみは中国で。螃蟹は例年、年明け1月ごろまで楽しめます。

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