スマートフォンの普及にともない、自分撮りが今やすごい人気ですね。
うんとかわいくとれるアプリもたくさん出て来て、若い女の子にも大人気。かつてのプリクラに完全にとってかわったと言えるかもしれません。
中国の若者文化と自撮り:ブームの背景と写真修正の一般化
中国人の写真事情
修整ありが当たり前
中国でも、以前から写真の修正はほぼあたり前でした。
北京で外国人が開く合コンパーティでは、時々「入り口に応募していただいた女性の顔写真を貼っておきます。写真と実物があまりに違う方は入れません」という但し書きがあったりしました。
女の子なら、自分をうんと可愛く撮りたいというのは当たり前。中国の人気キャスター柴静、ハリウッドのジュリア・ロバーツがフォトグラファーと結婚した気持ちもわかるというものです。
自分をきれいに撮ってくれる男性に、女性は弱いのでしょうか。
デートで写真撮り
中国ではデートの時に、よく男性がカメラを首からぶらさげています。女性を撮ってあげるのが普通のデートスタイルなんですね。
しかし一眼レフはプリクラではありません。昨今のカメラは解像度が高く、ハイエンドであればあるほどシワもくっきり、シミもくっきり。
目をつぶっちゃったなんてのはいいほうで、二重あご、つりあがった目、たるんだほうれい線、よっぽどの技術がないかぎり、彼女の満足する写真などとうてい撮れません。
qiān wànbu ýào ràng nán péng you gěi nǐ pāi zhào
千 万 不 要 让 男 朋 友 给 你 拍 照!
絶対彼に自分の写真をとらせちゃダメ!
それでなくても女は鏡に映った自分の顔を30%くらい修正して見ているのです。
中国は自分撮りが主流
というわけで、今は中国の女性も自分撮りが主流、自分撮りは
zì pāi
自 拍
といいます。
以前腾讯というウェブサイトが開発した魅拍という自分撮りアプリは大人気でした。
měi bái, shòu lián, mó pí, fēng xióng, fàng dà yǎn jīng
美白,瘦脸, 磨皮,丰胸, 放大眼睛
美白、顔やせ、肌のゴミ取り、豊胸、ぱっちりおめめ
日本なら、これにまつ育も加わるところでしょうか。
写真と本物のギャップ
ネット上には、あごが細くておめめぱっちり、ななめ上から撮られたリカちゃん人形そっくりの自分撮りの写真があふれています。
しかしこの自分撮り、あまりはまると精神病になってしまいます。これを、
zì pāi shàng yǐn
自 拍 上 瘾
と言います。この”上瘾”というのは中毒という意味で、お酒、タバコ、ネット、麻薬、脱法ハーブなど、習慣性のあるものに溺れてしまうことを言います。
”自拍上瘾”は、あまりに自分をかわいく撮ってしまうため、本物とのギャップに耐えられなくなったり、失敗した作品への幻滅から、自殺まではかる人もいるのです。
ネットでの注目度を集めるためにやるのかもしれませんが、一番大切なのは生身の自分なのだ・・・ということを忘れないようにしたいものです。