「中国」を主張するお土産は、結構あります。
中国からのお土産ガイド:選び方とおすすめ商品
目次
一昔前のお土産は?
一昔前、中国を旅行した友人などからいただくお土産の定番は、织绣品(zhī xìu pǐn:刺繍を施した布製品)が割と多かったかも。
とくにシルクは日本よりもはるかに安く手に入るし、当時はシルクロードが流行していたこともありましたから、刺繍を施したシルクのハンケチなどはお土産としてはちょうどよかったのです。
このほかにも、水墨字画(shǔi mò zì huà:詩などを添えた水墨画)、竹篮(zhú lán:竹籠)、玉佩(yù pèi:帯にぶら下げた玉製のアクセサリー)、剪纸画(jiǎn zhǐ huà:切絵図)など。
中国の古きよき手芸作品も多くありますが、この辺は好きな人はたまらないでしょうが、そうでない人にとってはあまりうれしくないかもしれません。
お土産に中国茶
そこで万人に受け入れられ、お値段も手ごろで、お土産に適したものは何かと考えたら、浮かんだのは中国茶(zhōng gúo chá:中国茶)でした。
ありきたりかもしれませんが、日本では手に入らないお茶の種類や等級も豊富にあって、少なくても一量(yī liàng:50グラム)から買えますから、いろんな茶葉が楽しめるんです。
中国茶葉市場
私は北京に住んでいたので、茶葉をたくさん買うときは、批发商店(pī fā shāng diàn)がたくさん集まる马连道(mǎ lián dào)というところに行っていました。
この辺一帯は、華北地方では最大の中国茶葉市場として知られており、観光客も多く訪れる名所です。
一棟のビルに多くのお店が入る马连道茶城(mǎ lián dào chá chéng)はよく知られています。
中国茶の種類
また、お茶の説明をここではちょっとだけします。
中国茶は種類が豊富と前述しましたが、茶葉の発酵の程度によって6種類に分かれており、さまざまな風味や味を楽しむことができます。
発酵の違い
発酵の浅い順から、釜炒りの「绿茶(lǜ chá:緑茶)」、ほんの少し発酵だけで自然乾燥させた「白茶(bái chá:白茶)」、
一次行程の段階で軽く発酵させた「黄茶(huáng chá:黄茶)」、発酵部分と不発酵部分が混ざった半発酵の「青茶(qīng chá:青茶)」、
イギリスの紅茶をまねたとされる「紅茶(hóng chá:紅茶)」、完全発酵の「黒茶(hēi chá:黒茶)」に分かれます。
有名な銘柄
绿茶(lǜ chá)で有名なのは龙井茶(lóng jǐng chá:龍井茶)です。
それからお馴染みなのは、青茶(qīng chá)の铁观音(tiě guān yīn:鉄観音)や乌龙茶(wū lóng chá:ウーロン茶)、
黒茶(hēi chá)ではダイエットで知られる普洱茶(pǔ er chá:プーアル茶)があります。
このほか、白茶(bái chá)では福建省が主な産地の白毫银针(bái háo yín zhēn)が、黄茶では君山银针(jūn shān yín zhēn)が有名です。
君山银针は緑茶タイプもありますが、黄茶のほうが高級茶葉として知られます。
人気の茉莉花茶(mò lì huā chá:ジャスミン茶)は、フレーバーティーの一種で、绿茶や白茶、乌龙茶にジャスミンの香り付けをするか、ジャスミンを混ぜ込んで作ります。
世界三大紅茶の祁紅
ところで、私は中国の紅茶(hóng chá)のことはまったく知りませんでした。あるとすら思っていなかったので、当然飲んだこともありません。
そこで調べてびっくり!「祁門紅茶(qí mén hóng chá:キーマンティー)」略して「祁紅(qí hóng)」という中国の紅茶があって、これはなんとダージリン、ウバと共に世界三大紅茶の一つなんだそうです。
知らなかったのは私だけでしょうか…今度ぜひ、お土産に買ってきてもらおうと思います。
お茶の買い方
さて、お茶の買い方は、量り売りです。基本の表記は「斤(jīn:500グラム)」と「量(liàng:50グラム)」です。
「斤」と表記してあっても、たいていは「量」から購入できますが、50グラムといっても茶葉の50グラムはどのぐらいになるか想像できないときは、
kě yǐ gěi wǒ kàn yī xià yī liàng chá yè yǒu dūo shǎo ma?
可以给我看一下一量茶叶有多少吗?
50グラムでどのくらいあるか見せてもらえますか?
と聞いてみましょう。
それから試飲も可能ですから、どのお茶にするかまずは試しに味わってみましょう。
néng bù néng pǐn cháng zhè lóng jǐng chá?
能不能品尝这龙井茶?
この龍井茶を試飲できますか?
買う茶葉と量を決めたら、
ǒ yào zhè chá yè, gěi wǒ bàn jīn。
我要这茶叶,给我半斤。
この茶葉を250グラムください。
茶器
ついでにマグカップみたいな茶杯(chá bēi)や、ちょっと本格的なお土産として茶盘(chá pán:茶盆)に茶杯(chá bēi)や茶壶(chá hú:急須)、
茶碗(chá wǎn:湯のみ茶碗)などがセットになった一套茶具(yī tào chá jù)はインテリアとしても素敵です。
値段に注意
ただ、马连道(mǎ lián dào)を逛店(guàng diàn:ウィンドウショッピング)して気になることがありました。
おしゃれな茶杯を見つけるとわりと台湾製の確率が高く、お値段も数百元と高額なのです。でも、ほかのお店では60~70元で売っていたりします。
こうした現象は中国のあちこちで見られますので、お土産話としては面白いと思います。
中国で暮らしたことがあると、帰国してから、本場の中国料理が懐かしくなることはありませんか?
お土産に現地の味を
粉末になっていない花椒(huā jiāo)が入った麻婆豆腐(má pó dòu fǔ)、まろやかだけど刺激的な辛さが絶妙な麻辣火锅(má là hǔo gūo)、
油が多くてオーバーカロリーが気になるけどよく食べた水煮鱼(shǔi zhǔ yú)などなど。
料理に使う食材や調味料などを中国土産としていただくと、個人的にはとってもうれしく思います。
まあ、日本にある中国物産店やネット通販などでも購入できるのですけどね。
猪肉干
先日、待ち合わせの時間まで少し余裕があったので、偶然ですが近くにあった物産展に入ってみました。懐かしいものが並んでいます。
猪肉干(zhū ròu gān)で香辣味(xiāng là wèi)と原味儿(yuán wèi er)、それから麻辣火锅底料(má là hǔo gūo dǐ liào)を買ってしまいました。
実はこの猪肉干、現地で暮らしていたころ、帰国するたびに友人たちにお土産として買って帰ったのですが、一番喜ばれたお土産だったのです。
猪肉干は、日本語でいえばポークジャーキーでしょうか。基本の味は原味儿(yuán wèi er)で、甘さが勝った甘しょっぱい味付けで、お酒のおつまみにピッタリなんです。
味はいろいろ
味のバリエーションは、原味儿をベースにいろいろあります。
香辣味(xiāng là wèi)は「香ばしい辛み」という意味。麻辣(má là)は「しびれる辛さ」、果汁(gǔo zhī)は「フルーツ味」、
蜜汁(mì zhī)は「はちみつ味」、XO酱味(xo jiàng wèi)は香港独自のうまみソース「OX醤味」です。
このほか、アジアや東南アジアの地域や国別の特徴を出したものも。
新加坡式(xīn jiā pō shì:シンガポール式)、泰式(tài shì:タイ式)、台式(tái shì:台湾式)、港式(gǎng shì:香港式)なんていうのもあります。
どこがどう泰式(tài shì)なのか台式(tái shì)なのかは、食べてみてのお楽しみにしましょう。
ビーフジャーキーも
ポークジャーキーがあれば、ビーフジャーキーもあります。牛肉干(níu ròu gān)です。
こちらも猪肉干同様にさまざまな味付け、地域柄、お国柄がありますので、自分で楽しむのも良いですね。
麻辣火锅
火鍋も中国を代表する料理の一つです。中でも麻辣火锅(má là hǔo gūo)のスープは自分で作ろうと思ったらそりゃあ大変です。
あの味が出そうと頑張ったのですが、ちょっと無理そう。だから、現地ではどこのお店でも手に入るスープの素をもらうととてもうれしいのです。
麻辣火锅底料で本場の味
麻辣火锅底料(má là hǔo gūo dǐ liào:麻辣火鍋スープの素)の特徴といえば、濃厚である意味まろやかで、でもジーンと来る辛さとパンチの利いた香辛料ではないでしょうか。
あれを自分で作るのはちょっと大変と思って、ついつい手が出てしまいました。
ただびっくりしたのはそのお値段。消費税別で、なんと540円。思わずお店の人に「太贵了!」(tài gùi le:高い!)と言ってしまいました。
現地で買ったときは10元もしなかったと思いましたが、さすがに税金やら輸送代やらが加わると値段が跳ね上がりますね。
お土産にお願いする
なので、先日中国人の友人が上海の実家に帰るというので、火锅底料(hǔo gūo dǐ liào:火鍋スープの素)をお願いしました。
彼が買ってきてくれたのは日本でもおなじみの小肥羊(xiǎo féi yáng:中国火鍋専門店のしゃおふぇいやん)の火锅底料(hǔo gūo dǐ liào)。
辣汤(là tāngg:辛みスープ)と清汤(qīng tāng:すましスープ)を1個ずつ。
現地のお値段は?
ですが、値段を聞いて、またびっくり。日本に比べたら安いは安いのですが、1個24元だというではありませんか。思わず、またまた言ってしまいました。「太贵了!」
これでは頼んだ意味がないと思ったのですが、友達曰く「安いモノを買ってあげて、食べた後にお腹でも壊されたら困る」とこのと。だから、ちょっと高級なお店で買ったのだとか。
「ふーん」と思いつつ、ネットで調べてみると6元から11元ぐらいで売っていましたが、とりあえず「やはり上海は違うなあ」ということで、ありがたく頂戴しました。
中国の白酒
ところで、火鍋(hǔo gūo)にはアルコールが付きもの。
啤酒(pí jǐu:ビール)はどこでも手に入りやすいので、通の酒鬼(jǐu gǔi:呑兵衛)の方へのお土産として、白酒(bái jǐu:中国の穀物を原料とする蒸留酒)はどうでしょう。
日本の中華料理店では黄酒(huáng jǐu:中国の米を原料とする醸造酒。紹興酒は代表的なブランド)はどこでもありますが、白酒を置いているところはそう多くはありません。
香りと辛さが特徴
白酒は香りのよさが特徴ですが、一口飲むと辛いのなんの。好きな人は好きですが、ちょっとという人も少なくない、まあ、好みが分かれるタイプのお酒かもしれません。
私も先日、来日した友人から茅台(máo tái)を2本いただきました。高級酒でうれしかったのですが、強烈な辛さで飲み干すまでに結構時間がかかってしまいました。
健康的な呑み方ができて、かえって良かったとは思いますが。