外国の友人が日本に観光旅行に来たら、ぜひおいしい日本料理、すなわち和食を堪能してもらいたい、と考える日本人も多いのではないでしょうか。
中国人が日本で和食を体験:楽しみ方と中国語での表現
日本料理を中国語で
そこで、世界文化遺産にも登録された和食について、ショッピングは「爆买(bào mǎi)」の中国の方々は、やはり「爆吃(bào chī)」となるのでしょうか。私の経験をお話しします。
日本の代表的な料理には寿司(shòu sī:寿司)に鸡素烧/寿喜烧锅(jī sù shāo/ shòu xǐ shāo gūo:すき焼き)、天妇罗(tiān fù lúo:てんぷら)、乌冬(wū dōng:うどん)。
それから日本人もめったに食べない河豚的生鱼片(hé tún de shēng yú piàn:フグの刺身)などよりどりみどりで、どれが良いのか我々も迷ってしまいますね。
刺身は、そのまま「刺身(cì shēn)」でも大丈夫です。
本格和食体験
中国の友人が日本にやってきたとき、私は連日お昼から夜までおつきあいしました。当然、どこで食べるかは私に頼りっきりです。
まず、「想吃什么?(xiǎng chī shén me?:なに食べたい?)」「什么菜好?( shén me cài hǎo?:なに料理がいい?)」なんて意見を聞きながらレストランを選びました。
おすすめの寿司屋へ
初日の夜は、「寿司(shòu sī:寿司)」とリクエストがあったので、このときはホテルのコンセルジュに教えてもらったお勧めのお店に向かいました。
そこで注文したのは、什锦寿司(shí jǐn shòu sī:寿司の盛り合わせ)、烤海虾(kǎo hǎi xiā:エビの串焼き)、鸡蛋羹(jī dàn gēng):茶碗蒸し)、
炖鱼头(dùn yú tóu:頭の煮つけ)、季节蔬菜之拼盘(jì jié shū cài zhī pīn pán:季節の野菜の炊き合わせ)などなど。そして、清酒(qīng jǐu:日本酒)です。
日本酒体験
私は個人的に日本酒なら辣味儿(là wèi er:辛口)が好きで、私の好みでよいというので、お店の人に辛口のお勧めを聞いてみました。
美国(měi gúo:アメリカ)の奥巴马总统(ào bā mǎ zǒng tǒng:オバマ大統領)が来日したときに呑んだという獺○があると言います。
それならということで頼んだのですが、一口含んで彼がつぶやいたのは、
zhè shì shǔi?
这是水?
これ、水?
う~ん。実は私も同じ印象を持ったのでした。次は八○山を頼んだのですが、やはり同じような味……问题在哪里?(wèn tí zài nǎ lǐ?:問題はどこにある?)
日本で中華
この印象があまり良くなかったからか、次の日から残りの滞在日2日間は、日本料理の爆吃どころか、昼も夜も「中国菜(zhōng gúo cài:中華料理)のリクエストが出てしまいました。しかも、
zài zhōng gúo rén kāi de、 chú fáng dà shī yě shì zhōng gúo rén de cān tīng chī zhèng zōng zhōng gúo cài
在中国人开的、厨房大师也是中国人的餐厅吃正宗中国菜
中国人のお店で、シェフも中国人のレストランで本場の中国料理を食べる
なんとわがままな~。お国に帰れば飽きるほど食べられるでしょう!などと思いながら探しました!
ただし、「正宗中国菜」かどうか、こればかりは本人が納得してくれるかどうかが問題です。
本場の味は…?
二日目の夜は、「四川火锅(sì chuān hǔo gūo:四川の火鍋)」がいいというのでお連れしましたが、結局は「辣味儿不够!(là wèi er bù gòu:辛さが足りない)」という評価でした。
火鍋屋さんの老板(lǎo bǎn:オーナー)は黑龙江(hēi lóng jiāng:黒竜江)出身だったからでしょうか。
食事の最中は終始、東京での商売とか不動産の値段とか、そんな話に付き合ってくださったのですが……。
中国酒の種類
そして、東京滞在最終日の夜は、「想喝白酒(xiǎng hē bái jǐu:白酒が呑みたい)」というので、これも調べました!
それが广东菜(guǎng dōng cài:広東料理)のお店だったのですが、結局呑んだのが黄酒(huáng jǐu)の绍兴花雕酒(shào xīng huā diāo jǐu)。
なお、日本では紹興酒といえば知らない人はいないでしょうが、紹興酒は黄酒の一種。
浙江省の紹興市で作られているから紹興酒という名前で、花雕酒は紹興酒のブランドの一つ。もっともよく知られているのではないでしょうか。
日本化された日本の中華
さて、話を元に戻して、このときも凉拌海蜇(liáng bàn hǎi zhé:クラゲの冷菜)を食べて、一言。
wèi shén me suān wèi er hé tián wèi er hùn zài yī qǐ?
为什么酸味儿和甜味儿混在一起?
どうして酸味と甘味が混ざっているの?
う~ん、私の印象は日本料理でいう“クラゲの酢の物”でした。彼はしばらく、お店の中国人マネジャーと日本の中国料理について話し込んでいました。
そして、来客のほとんどが日本人と聞いて、このような結論を出しました。
zhèng zōng zhōng gúo cài de wèi er bù hé shì rì běn rén de kǒu wèi, sǔo yǐ yào tiáo zhěng cài de wèi er,shùn yīng rì běn rén de kǒu wèi
正宗中国菜的味儿不合适日本人的口味,所以要调整菜的味儿,顺应日本人的口味
本場の味は日本人の口には合わないから、料理の味を調整して日本人の口に合うようにしなければならない。
だから、日本で食べる中国料理は中国人の口には合わない、ということでした。
今回私がお供した中国人の日本観光旅は、和食の爆吃どころか“本場の中華料理を探す日本の旅”になってしまいました。
中国人の方は何も彼のような人ばかりではないでしょうから、皆さんがエスコートされる場合は美味しい和食をたくさん紹介してあげてくださいね。
私は彼の次の来日まで、「正宗中国菜」を楽しめるお店を探しておきま~す。