日本と中国の文化の違いを学ぶ:通訳案内士試験に役立つ技術

    1. 中国語検定・HSK

    日本国内で実施される中国語等外国語の検定で、唯一の国家試験が通訳案内士試験。報酬を受けて外国人を案内するための試験です。

    日本と中国の文化の違いを学ぶ:通訳案内士試験に役立つ技術

    通訳案内士試験

    近年では中国人観光客の訪日も回復しつつあり、2020年開催の東京オリンピックも控えていることから、資格保有者は、今後は活躍の場が増えていくのではないかと注目されています。

    難易度

    通訳案内士試験自体、合格率25%前後と、難易度は高いとされています。

    受験科目は外国語の他に、日本の地理・歴史・一般常識ですから、当然、語学力を介して、日本の確かな姿を海外の方々に向けて発信していこうという主旨です。

    外国語を話していてよくぶつかるのは、言葉は通じても、意味が通じないという場面ではないでしょうか。

    これは、話者双方が相手の文化を解していない、概念がないから生ずるすれ違い。つまり、言葉が話せただけでは本当の文化交流はできないということです。

    zhōng rì liǎng guó shì yī yī dài shuǐ de lín bāng

    中日两国是一衣带水的邻邦。 

    中国と日本は、きわめて近い距離にあって往来に便利な隣国である。

    と、よく言いますが、今に至り、日本と中国は文化や生活習慣には違いがたくさんあります。

    文化の違い

    家では靴を脱いで

    以前、日本国内の住宅内見ツアーを行っている旅行会社の人から頼まれて、注意書きを中国語に訳したことがあります。

    qǐng shàng tà tà mǐ shí yīng gāi tuō xié huàn tuō xié。

    请上榻榻米时应该脱鞋换拖鞋。

    畳に上がるときは靴を脱いでスリッパに履き替えてください。

    中国人の生活様式は、西欧に似ていて、家でも靴を履いたまま過ごすことは問題ありません。床に座ることもなく、椅子を使った生活です。

    だから、投資目的で日本の住宅を内見したとき、畳の部屋でも靴を履いて上がってしまうので、畳が擦り切れてしまうのです。

    そもそも、中国に畳はありませんから、扱い方を知らないのは仕方がないともいえます。

    消費税について

    中国の某大学の行政学教授は、視察旅行で訪れた日本の感想として、こんなことを言っていました。

    zài nǎ lǐ dōu yào fù xiāo fèi shuì。

    在哪里都要付消费税。 

    どこでも消費税を払わなければならない。

    消費税の使途から何も恩恵を受けない、居住してもいない、働いていもいない外国人がなぜ支払わなければいけないのか。

    この点、きちんと中国語で説明できるでしょうか。説明してあげないと、日本に対して嫌ないイメージを持ってしまうかもしれません。

    生卵はNG?

    また、日本人は生卵を好んでよく食べますが、中国人は食べません。理由は「体に悪いから」等々。

    せっかく日本に観光に来た中国の方に、和食を楽しんでもらおうと本場の日式牛肉火锅rì shì niú ròu huŏ guō:すき焼き)を勧めて、生卵を食べない中国人に、

    yào bǎ bàn shú niú ròu zhàn zhe jiǎo bàn hǎo de shēng jī dàn chī,  yào bù, jiù bù hǎo chī

    要将半熟牛肉蘸着搅拌好的生鸡蛋吃,要不,就不好吃。

    半生の牛肉をよく混ぜた生卵に着けて食べます。そうでなければ、美味しくありません。

    とだけ言って、納得してお肉を生卵につけて食べもらえるでしょうか。

    ただ、中国人の家庭では生卵を常温のまま1月ぐらい放置して、もちろん調理してですが、食べ続けます。

    パッケージにも

    bǎo zhì qī wéi cháng wēn sān shí tiān, lĕng cáng liù shí tiān

    保质期为常温30天,冷藏60天

    賞味期限は常温で30日、冷蔵で60日

    なんて書いてあったりするのです。

    生卵の長期保存可能のからくりは、鶏に与える肥料にあると聞いたことがありますが、個人的に古い卵は火を入れても食べたいとは思いません。

    これらの習慣を踏まえて、どのように日本の生卵を勧めますか?

    日中相互理解を目指して

    こうして見てみると、表面的な現象の背景も理解すること、そして、それをきちんと外国語で説明できるようにすることは、なかなかハードルが高いとは思いませんか?

    一重に日々の積み重ねしかありません。

    アンテナを張り巡らし、ちょっとでも疑問に思ったことは調べて、言葉に換えてアウトプットしてみる。

    検定試験は合格すればそれに越したことはありませんが、自分の力を図る物差しとしてチャレンジしても良いと思います。

    今後はますます相互理解が必要となるでしょう。少しでもそんな心意気を持って、中国語を勉強したいですね。

    中国で、ある人が水の入ったグラスに卵を慎重に入れている。

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