小龍包に上海蟹などいろいろメニューはありますが、本場上海の人にとっての地元の料理とはどんなものなのでしょうか?
上海の味を堪能!伝統から現代へ進化する上海料理の魅力
上海の地元料理
中国にいると四川料理「川菜」(chuān cài)、東北料理「東北料理」(dōngběi cài)、山東料理「鲁菜」(lǔ cài)、広東料理「粤菜」(yuè cài)など、各地方の特徴ある料理をあらわす看板をよく見かけるかもしれません。
では上海の地元の料理はなんと言うのでしょうか?
Èrshí shìjì chū,Shànghǎi huìjù le Sū、Huī děng shíliù ge dìfang fēngwèi,
20 世 纪 初,上 海 汇 聚 了 苏、徽 等 16 个 地 方 风 味,
Shànghǎi rén chēng zhī wéi Sū bāng cài、Huī bāng cài,
上 海 人 称 之 为 苏 帮 菜、徽 帮 菜,
ér duì běndì fēngwèi,zé chēngwéi běn bāng cài。
而 对 本 地 风 味,则 称 为 本 帮 菜。
20世紀初めごろ、上海は江蘇州や安徽州など16の地方の料理を集め、それらを「苏帮菜」、「徽帮菜」と称したのに対して、現地の地方料理を「本帮菜」と呼ぶようになりました。
実は小龍包「小笼包」(xiǎolóngbāo)など上海の伝統的な「小吃」(xiǎochī)は、上海の名コックたちが洋菓子にヒントを得て考え、創り出した比較的歴史の浅いメニューです。
本帮菜
悠久の歴史を誇る中国において四大料理や八大料理と呼ばれるような著名地方料理「名菜」(míng cài)ではない上海の「本帮菜」は、どのようにして進化したのでしょうか?
Běn bāng cài dànshēng zhī chū bìng bu dēng dàyǎ zhī táng,
本 帮 菜 诞 生 之 初 并 不 登 大 雅 之 堂,
jiācháng、píngmín huà shì qí tèsè,pǔtōng、liánjià de yuánliào,
家 常、平 民 化 是 其 特 色,普 通、廉 价 的 原 料,
dōu shì dānrèn běn bāng cài de zhǔlì,hòulái,Shànghǎi cài búduàn xīqǔ wàidì cài,
都 是 担 任 本 帮 菜 的 主 力,后 来,上 海 菜 不 断 吸 取 外 地 菜,
tèbié shì Sū Xī Cháng cài de chángchù,zài jiāoshàng péiyù le yì pī běn bāng cài míng chú,
特 别 是 苏 锡 常 菜 的 长 处,再 加 上 培 育 了 一 批 本 帮 菜 名 厨,
dàdà tí gāo le běn bāng cài de pǐnwèi。
大 大 提 高 了 本 帮 菜 的 品 位。
「本帮菜」誕生の初めは上流の席に出していたのではありません。むしろ一般的な家庭料理、庶民的なところがその特色で、普通に手に入る、安価な原料がすべてこの料理の主力を担いました。後に、上海料理は外地の料理、とりわけ蘇州、無錫、常州の家庭料理の長所を継続的に取り入れ続けました。さらに「本帮菜」の名料理人を大量に育成し、この料理の味と社会的地位を大いに向上させたのです。
蘇州、無錫、常州とは現在の江蘇州にあり、長江デルタ地域の中央部から南部に位置します。ここは中国呉越文化の起源、かつ中心地とも言われています。
上海料理の特徴
料理の主な材料としては地元の魚やエビ、野菜が使われ、最も有名な「红烧」(hóngshāo)をはじめ、蒸し「蒸」(zhēng)、揚げ「炸」(zhá)、漬け「糟」(zāo)、煮込み「煨」(wēi)などの方法で調理していきます。
とりわけ有名な料理法「红烧」は、肉や魚などを油と砂糖を加えて炒めた後、醤油などの調味料で煮込んでいくので、醤油と油の照りで色合いが美しく仕上がるのが特徴です。
「本帮菜」の代表格のメニューを幾つかご紹介しましょう。
川エビの揚げ物
油爆河虾(yóu bào hé xiā)
この地域は川エビが豊富に摂れることで有名です。春の終わりごろから初夏にかけてはエビの体内のアミノ酸が最も豊富になるので、最もおいしい季節と言われています。
エビはタンパク質、カルシウムを多く含み、前菜として胃の働きを促し、腎臓の働きを助けます。
青魚の尾の甘辛煮
红烧划水(hóngshāo huàshuǐ)
ニンニクの茎と葉を主要な調味料に使い、花椒、唐辛子、生姜などを加えることで甘辛さの中にもピリリとした味つけになっています。冬に食するのが最も適しているとされています。
鶏肉の粕漬け
糟鸡(zāo jī)
酒粕、「白酒」(báijiǔ)、塩、化学調味料。わずかこれだけの調味料で仕上げられた鶏肉は柔らかく、鶏肉本来の味をしっかりと残しており、滋養に富んでいます。
進化する上海料理
初期の本帮菜は薄い塩味だったようですが、時間と共に素材の内部にまで味を浸透させる料理法になったため、色・味共に濃くなってきました。
それでも最近の健康志向の影響を受け、油や砂糖、塩の量を本来より減らすことによって、現代人の口に一層合うよう調整する努力が日々払われています。
さすがは進化し続ける町、上海ですね。