銀聯カードで菜市場が変わる?新時代のキャッシュレス中国!

    1. 中国経済・社会

    庶民の食を支えているのが「菜市场」つまり食品を扱う市場です。

    朝出会ったご近所さんに「你买菜去了?」(買い物してきたの?)「今儿白菜特别便宜。」(今日は白菜がすごく安いわよ。)というのが挨拶になるほど菜市场は日常生活に欠かせない場所です。

    銀聯カードで菜市場が変わる?新時代のキャッシュレス中国!

    市場でカード払い

    この「菜市场」(cài shìchǎng)が最近様々な分野で変化を見せています。

    半年ほど前に河北省石家庄 (shíjiāzhuāng)にある菜市场が「智慧市场」(zhìhuì shìchǎng)と銘打って、買い物の際に銀聯カード「银联卡」(yínlián kǎ)で支払いができるシステムを導入しました。

    メリット

    菜市场」は野菜も肉も穀類も「多少钱一斤?」(duōshao qián yìjīn?)とやり取りをする量り売りですから、「四块两毛钱。」(sì kuài liǎng mǎo qián。)というように、どうしても小銭が必要になります。

    カードを使えば小銭で支払いをする手間を省けるメリットがあるというわけです。またサービス日には银联卡を使って買い物をすると特価になる商品があるのも魅力です。

    そういう日には多くの客がカードで買い物をします。カードをPOSシステムの機械にかざして支払う動作を「刷卡」(shuā kǎ)と言います。

    利用者の声

    この「银联卡」、スーパーマーケットでの精算時にはほぼ当たり前のように庶民に利用されています。

    とはいえこのシステムが「菜市场」で本格的に普及するまでにはもう少し時間がかかりそうです。

    買い物客は途絶えることなくやって来るのですが、「銀聯カードでお支払いできます。」「银联支付」(yínlián zhīfù)というパネルを掲げた市場の玄関に近い何軒かの店では、ほとんど誰もカードを使わず、現金で買い物をしています。

    高齢の利用者にその理由を尋ねてみました。

    Suīrán wǒ zǎojiù zhīdao kěyǐ shuā kǎ mǎi cài,

    虽 然 我 早 就 知 道 可 以 刷 卡 买 菜,

    dànshì měi cì mǎi cài yě huā bu liǎo duōshao qián,

    但 是 每 次 买 菜 也 花 不 了 多 少 钱 ,

    shí kuài érshí kuài de,bù zhídàng shuā kǎ,

    十 块 二 十 块 的,不 值 当 刷 卡,

    érqiě zìjǐ suìshù dà le,háishi gèng xíguàn yòng xiànjīn mǎi cài。

    而 且 自 己 岁 数 大 了,还 是 更 习 惯 用 现 金 买 菜。

    カードで買い物ができることはとっくに知っていますけどね、毎回買い物で使う金額も10元か20元程度でそれほど多くは使わないし、カードで支払うほどの事はないわ。それに自分も高齢だから、現金で買い物をする方が慣れているのよ。

    それに対して、若い世代の消費者は積極的にカードで買い物をするのでしょうか?

    Wǒ shuā bu shuā kǎ qǔjué yú zìjǐ dài de língqián gòu bu bòu,

    我 刷 不 刷 卡 取 决 于 自 己 带 的 零 钱 够 不 够,

    rúguǒ dài de língqián zhènghǎo gòu mǎi cài le,jiù bú huì zài shuā kǎ,

    如 果 带 的 零 钱 正 好 够 买 菜 了,就 不 会 再 刷 卡,

    rúguǒ bú gòu,huì xuǎnzé shuā kǎ xiāofèi。

    如 果 不 够,会 选 择 刷 卡 消 费。

    私がカードを使うかどうかは持っている小銭が足りるかどうかによります。もし小銭が足りればそれで野菜を買えるからカードは使わないし、小銭がもし足らなければカードで支払う方を選びます。

    こうした消費者側の理由で、银联卡で支払うという方法がなかなか浸透していないのが現実ですが、店主側もカード払いをあまり望まない空気があるようです。

    システムの不備

    というのも、この市場では15-16件の商店主が当初システムの利用を開始しましたが、今ではそのほとんどが利用を停止してしまっているのです。

    その一因が市場自体のネット環境と電波の不安定さです。ネット接続が悪いために、カードをかざしてもPOSシステムが反応せず、お客が待っていられないという事態が起こってしまうのです。

    また、店主は数日おきに一度、必ず銀行に行って通帳の残高を確かめなければなりません。さらにPOSシステムを利用した入出金の手数料を銀行に支払うのをいやがるのも要因の一つです。

    カード普及への壁

    また予告の有無にかかわらず年に何度も停電するのがまだまだ日常なのですが、それではさすがにカード払いも不安定になってしまいます。

    まずは基本的な所で、電力の安定供給に始まり、ネット接続の安定、銀行とのスムーズな連携といった問題がクリアされる必要があるようです。

    こうした分野がより一層改善されれば、菜市场でのカード利用は消費者の世代交代とともにぐっと進んでいくことでしょう。

    中国の郊外の街には、さまざまな水果や野菜があります。

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