中国各地では都市開発に伴って、これまで市内中心部にあった大学を郊外に移転させる動きが起きています。それも複数の大学や教育施設をまとめて移転させるのです。
こうした地区を「大学城」と呼びますが、大学城自体が一つの大きな町のようになっています。
中国の大学都市開発:大学城の進化とその影響
〇〇城の意味
いわゆるゴーストタウンを中国語では「鬼城」(guǐ chéng)といいます。家具専門の販売センターは「家具城」(jiāju chéng)、茶葉専門卸売市場は「茶叶批发城」(cháyè pīfā chéng)です。
つまり、あるものが集合した場所を「〇〇城」と名付けているようですね。では近年各地に造成されている「大学城」(dàxué chéng)とはどういう所なのでしょう?
大学の郊外移転計画
大学は郊外へ
私が中国に最初に留学したのは2008年オリンピックを間近に控えた頃でした。
大学構内にはたくさんの校舎がありましたが、意外にも学生の数はそれほど多くありません。学生食堂などは門を鎖でしっかりと施錠しています。
尋ねてみると、大学が市政府の方針で教育の拠点を郊外に移し始めているというのです。
確かに校舎はすでに廃屋になっているところが多く、本来校内に寄宿しているはずの学生たちのほとんどが郊外の大学城に移動した後だったようです。
それで夜明けとともに大学の敷地内に散歩や体操などに訪れる近所の老人たちが、静かな朝の時間をのんびり過ごしているのです。
郊外で勉強に集中
都市計画という理由だけでなく、校舎の郊外移転にはほかの理由もあります。
つまり、学生の本業は勉強ですから、観光施設や娯楽・商業施設などの少ない郊外で、学生たちに身を入れて勉強に集中してもらおうというのです。
大学城はまるで街
とはいえ、中国語もままならない、日常生活もいろいろ不便を味わうことになる留学生にとっては、空港に近く、生活しやすい市内中心部の方が便利です。
それで、すべての校舎を売却してしまうのではなく、留学生用の校舎、宿舎、留学生事務所、先生方の会議用に使うホテルを兼ねた建物などだけは、元の敷地に残しておくという方法を取る大学もあるようです。
というのも、大学城には銀行、スーパーマーケット、ファーストフード店、本屋、レストラン、喫茶店、ブティックなどほとんどのものが揃っていて、中国人の学生たちが半年間に及ぶ一つの学期をここで過ごせるように設計されているからなのです。
大学城と都市計画
大学は大抵、地方政府に所有権があるようなので、売却も移転も解体工事もアッという 間に行われます。
もちろん建設自体に時間はある程度かかりますが、それでも郊外の広い土地を準備し、そこの地域の住民を集落ごと立ち退かせ、住民には新しい高層マンションに住居を与え、更地にした所に校舎を建てていくのです。
広州大学城を例に挙げると、校舎や体育館、図書館や競技場のみならず、学生寮、教師寮、教育関連の他の施設、父兄が子供たちのために用意する宿舎代わりの高層マンションなどが近代的な区画整理に則って建てられていきます。
Dàxué chéng de jīběn jiànzhù gōngnéng bāokuò:
大 学 城 的 基 本 建 筑 功 能 包 括:
jiàoxué、shēnghuó、shìzhèn shāngyè、jiāotōng dàolù、gōngyuán yǔ kāifàng kōngjiān děng,
教 学、生 活、市 镇 商 业、交 通 道 路、公 园 与 开 放 空 间 等,
yǐ shìyìng zhù chéng gāoxiào shīshēng jiàoxué、shēnghuó、gòuwù、xiūxián yìtǐhuà de yāoqiú,
以 适 应 驻 城 高 校 师 生 教 学、生 活、购 物、休 闲 一 体 化 的 要 求,
tóngshí jiànlì yǔ chéngshì jiāotōng xìtǒng de fāngbiàn liánxì。
同 时 建 立 与 城 市 交 通 系 统 的 方 便 联 系。
大学城の基本建築の効能は、授業、生活、商業施設、交通、道路、公園及び解放されている空間などが、学校に居住している教師や学生の授業、生活、購買、休養などの一体的な要求に適応すると同時に、都市の交通サービスとのスムーズな連携を築き上げることを含んでいます。
実際、足を踏み入れると分かりますが、一つ一つの大学の面積が広いだけでなく、それらの大学が複数密集しているので、大学城の規模は巨大です。
巨大な大学城
一例をあげてみましょう。上海には現在8か所の大学城があります。筆頭格の「松江大学城」は中国国内最大規模の大学城で、上海外国语大学をはじめとする7つの大学があります。
ここだけで東京ドーム約114個分の面積があるのですが、上海にはさらに7つの大学城があります。
学生、教師、その家族、学生にサービスを提供する労働者人口も含めると大学城には数万人から数十万人ほどが暮らしていると言われています。
中国人学生と知り合うきっかけに
もし機会があれば、ぜひ大学城を訪ねてみましょう。新しく立派な校舎で中国人学生がどんな生活をしているかを目の当たりにする事ができます。
また、図書館や食堂を利用するのも興味深い経験になるでしょう。
こういう機会に中国人学生と知り合い、お互いに教え、学び合う「互相学习」(hùxiāng xuéxí)をするきっかけも作れるといいですね。