中国タイ族の民族衣装と踊り

    1. 中国経済・社会

    中国56民族のうち、26民族もが居住しているのが雲南省(云南省)です。雲南省には観光地で有名なシャングリラ(香格里拉)やシーサンパンナ(西双版納)があります。

    それら少数民族の民族衣装や文化は、周辺地域の自然風景に負けず劣らず大変魅力的です。

    中国タイ族の民族衣装と踊り

    雲南省

    雲南省は四川Sìchuān)、 贵州Guìzhōu)、 广西Guǎngxī)、 西藏Xīzàng)の各省と隣接しています。

    隣国として国境を接しているのはミャンマー「缅甸」(Miǎndiàn)、ラオス「老挝」(Lǎowō )、そしてベトナム「越南」(Yuènán)です。

    シーサンパンナ・タイ族自治州「西双版纳傣族自治州」(Xīshuāngbǎnnà Dǎizú zìzhìzhōu)は、雲南省最南端に位置するタイ族の民族自治州です。

    ここには総面積2854.21㎢の「西双版纳热带雨林自然保护区」(シーサンパンナ熱帯雨林自然保護区)があり、その熱帯雨林、南亜熱帯常緑広葉樹林、貴重な動植物群は世界中の注目を集めています。

    タイ族

    タイ族とは

    シーサンパンナ・タイ族自治州の名称に含まれているタイ族は、中国語では「傣族」(Dǎi )といいます。

    過去には幾つもの名称で呼ばれていましたが、中国清王朝時代頃には「白夷」(báiyí)とも呼ばれていました。

    傣族は、古代には雲貴高原「云贵高原」(yúnguì gāoyuán )に幾度も政権を築きましたが、その度に当時の中国の政権や周辺民族からの圧迫を受け、民族移動と離散を繰り返してきました。

    今ではタイ、ラオス、ミャンマー、インド、ベトナム、中国、カンボジアに居住しており、中国国内には約126万人が住んでいます。

    タイ、カンボジア、ベトナムなどではタイ族、ラオスでは「佬族」(Lao)、ミャンマーでは「掸族」(Shan)、インドでは「阿萨姆族」(Assam)と呼ばれています。

    タイ族の民族衣装

    傣族の民族衣装に用いられる布は、シルクなどを主とした涼を感じられる材料を用いています。色彩は大変カラフルです。

    Dǎi zú fùnǚ de yīzhuó dǎban,wǔcǎi bīnfēn,měi bu shèng shōu,

    傣 族 妇 女 的 衣 着 打 扮,五 彩 缤 纷,美 不 胜 收,

    tāmen yībān xǐhuan chuān zhǎi xiù duǎn yī hé tóngqún。

    她 们 一 般 喜 欢 穿 窄 袖 短 衣 和 筒 裙。

    Tāmen wúlùn nánnǚ,chū mén dōu zǒng xǐhuan zài jiān shàng kuà yī ge yòng zhī mián zuò chéng de kuàbāo,

    他 们 无 论 男 女,出 门 都 总 喜 欢 在 肩 上 挎 一 个 用 织 绵 做 成 的 挎 包,

    kuàbāo sèdiào xiānyàn,fēnggé chúnpǔ,jùyǒu nónghòu de shēnghuó sècái hé mínzú tèsè。

    挎 包 色 调 鲜 艳,风 格 淳 朴,具 有 浓 厚 的 生 活 色 彩 和 民 族 特 色。

    傣族の女性の身なり、装いは色とりどりで、素晴らしいものがあまりにも多くて見切れないほどです。彼女たちは一般的に狭い袖の短い服とタイトスカートをはくのを好みます。彼らは男女にかかわらず皆出かける際にはいつも真綿の織物で作られたショルダーバッグを肩にかけて出かけるのが好きです。ショルダーバッグの色調はあでやかで美しく、スタイルは素朴で、非常に豊かな生活色と民族の特色を有しています。

    タイ族の舞踊

    傣族はまた、舞踊に大変秀でた民族です。

    象脚鼓」(xiàng jiǎo )という伝統楽器を使う「象脚鼓舞」(xiàng jiǎo gǔ wǔ)、何百人もの規模で盛大に舞う「戛伴光舞」(jiá bàn guāng wǔ)、若者がグループで踊る華やかな「花环舞」(huāhuán wǔ)といった多くの種類の伝統舞踊を有しています。

    孔雀舞

    とりわけ有名なのが千年に及ぶ歴史を持つと言われる孔雀の舞「孔雀舞」(kǒngquè wǔ)で、2006年には国家無形文化財に登録されています。

    傣族にとって孔雀は吉祥と幸福のしるしであり、数ある伝統舞踊の中で孔雀舞は彼らに最も愛されている舞でもあります。

    かつては男性が金の兜を頭にかぶり、仮面をつけ、孔雀の羽をあらわす装束を身にまとって舞うものが最も伝統的とされていました。

    実際には厳格な格式に則った様々な種類の舞があります。その中には子供たちが舞うものもあります。

    また孔雀舞には地域によっていろいろな物語があり、千年余の間に伝わってきた伝説も様々です。その中の一つをご紹介しましょう。

    昔ある村に、川のほとりの木の下で魚を釣って暮らす貧しい若者がおりました。いつもはよく釣れるのですが、ある日なぜだか川面に魚の影すら見えません。

    不思議に思っていると突然風が吹き、川沿いの果樹の実が一斉に熟れて川に落ち、耳を刺すような鳴き声がしました。

    びっくりして振り返ると、一対の孔雀が舞っているではありませんか!

    若者は「神仙の住むところに来てしまったんだ!」と嬉しくなり、村の皆にその話をしました。皆もそれを見たいと思いましたが、既に孔雀はいませんでした。

    それで若者は、他の若者に楽器を鳴らしてくれるよう頼み、自分はその目で見た様を踊ってみせました。

    その踊りが皆の心を打つほど素晴らしかったため、それ以来、村で祭りや集まりがあると皆は若者に孔雀の舞を踊ってくれと頼むようになりました。

    雲南省にはこれ以外にも、もっとたくさんの魅力的な観光地があります。そして独特の文化を持つ民族がまだまだあります。

    中国人でさえ「旅行に行くなら雲南省に行きたい」というほどですから、ぜひ直接出向いて、じかに体験すると楽しいでしょうね。

    伝統的なチャイナドレスを着て写真を撮る女性。

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