脱・ニーハオ!リアルな中国語挨拶|ネイティブが使う必須フレーズ20選 (2025年版)
目次
你好/您好はいつ使う?「ご飯食べた?」挨拶の謎解きから、時間帯別・カジュアル表現まで徹底解説!
中国語学習を始めると、誰もが最初に覚える挨拶「你好 (nǐ hǎo / ニーハオ)」。確かに万能な言葉ですが、実はネイティブスピーカー同士の日常会話では、意外なほど使われないこともあるのをご存知でしたか? より自然でリアルな中国語コミュニケーションを目指すなら、「ニーハオ」以外の挨拶表現を知っておくことが重要です。
時間帯によって使い分ける「おはよう」「こんにちは」「こんばんは」、親しい友人にかけるカジュアルな「やあ!」、そして中国ならではのユニークな挨拶「ご飯食べた?」まで、中国語の挨拶は実に多彩です。
この記事では、「ニーハオ」はどんな時に使うのが適切なのか、そしてネイティブが実際にどのような挨拶を使っているのかを、具体的なフレーズと文化的背景と共に詳しく解説します。厳選した20個の必須フレーズをマスターすれば、あなたの中国語はもっと自然に、そして豊かになるはずです。
- 「你好」と丁寧な「您好」の正しい使い分け
- 時間帯で変わる挨拶:「早上好」「下午好」「晚上好」
- ネイティブがよく使うカジュアルな挨拶:「哈罗」「嗨」「嘿」
- 中国文化が香る挨拶:「你吃了吗?」(ご飯食べた?)の本当の意味と使い方
- 電話の「もしもし」:「喂」
- 発音の鍵:ピンインと声調の基本
- 豊富な例文で実践的な使い方を学ぶ
- 中国の挨拶文化とコミュニケーションのヒント
この記事を読めば、状況に応じた適切な中国語の挨拶がわかり、自信を持ってコミュニケーションが取れるようになります。さあ、「脱・ニーハオ」を目指して、リアルな中国語挨拶の世界を探検しましょう!
中国語の発音の基礎:ピンインと四声
中国語の挨拶を学ぶ上で、まず理解しておきたいのが発音の基本ルールです。中国語(普通話)の発音は、ローマ字表記の「ピンイン (拼音 – pīnyīn)」と、音の高低を表す「声調 (声调 – shēngdiào)」で表されます。
- ピンイン: 中国語の発音をアルファベットで表記したものです。ただし、英語の読み方とは異なる部分があるので注意が必要です(例: “zh” “ch” “sh” “ü” など)。
- 声調(四声): 中国語には基本的に4種類の声調があり、同じピンインでも声調が違うと意味が変わってしまいます。声調はピンインの母音の上に記号(ˉ, ´, ˇ, `)で示されます。
- 第一声 (ˉ): 高く平らに伸ばす音 (例: mā – 妈 – お母さん)
- 第二声 (´): 低いところから急上昇する音 (例: má – 麻 – 麻)
- 第三声 (ˇ): 低く抑えてから少し上がる音 (例: mǎ – 马 – 馬)
- 第四声 (`): 高いところから急降下する音 (例: mà – 骂 – 罵る)
- 軽声: 声調記号が付かず、軽く短く発音される音。
この記事では、ピンインとカタカナ表記(あくまで目安)を併記しますが、正確な発音、特に声調を意識することが非常に重要です。カタカナだけを頼りにすると、意図しない意味に伝わってしまう可能性があります。
基本の「こんにちは」:你好 (nǐ hǎo) と 您好 (nín hǎo) の使い分け
まずは、最も有名な「こんにちは」とその丁寧形から見ていきましょう。
1. 你好 (nǐ hǎo – ニーハオ) – 基本の「こんにちは」
「你 (nǐ)」は「あなた」、「好 (hǎo)」は「良い」という意味。「あなたが良い状態でありますように」といったニュアンスの挨拶です。
使う場面:
- 教科書で最初に習う基本的な挨拶。
- 初対面の人に対して(ただし、少し硬い印象を与えることも)。
- フォーマルな場面での会話の始まりとして。
- 店員さんなど、ある程度の距離感がある相手に。
注意点:
- 親しい友人同士ではあまり使いません。使うと「よそよそしい」「何かあったの?」と思われる可能性も。
- 声調変化: 第三声 (nǐ) + 第三声 (hǎo) の組み合わせは、第二声 + 第三声 (ní hǎo – ニーハオ) と発音するのがルールです。
例文:
(ホテルの受付で) 你好,我想办理入住。 (Ní hǎo, wǒ xiǎng bànlǐ rùzhù.) – こんにちは、チェックインをお願いします。
2. 您好 (nín hǎo – ニンハオ) – 丁寧な「こんにちは」
「您 (nín)」は「你 (nǐ)」の敬語表現です。「你好」よりも丁寧で、敬意を表したい相手に使います。
使う場面:
- 目上の人(先生、上司、高齢者など)。
- ビジネスシーンでの顧客や取引先。
- 公的な場面での挨拶。
例文:
李老师,您好! (Lǐ lǎoshī, nín hǎo!) – 李先生、こんにちは!
ポイント: 「你好」と「您好」は、日本語の「こんにちは」と「こんにちは(ございます)」のような明確な使い分けというよりは、相手への敬意の度合いを示すものです。迷ったら「您好」を使う方が無難な場合もありますが、状況によっては堅苦しくなりすぎることもあります。
時間帯で使い分ける挨拶 – 「おはよう」から「こんばんは」まで
日本語と同様に、中国語にも時間帯に応じた挨拶があります。これらを使いこなせると、より自然な会話になります。

時間帯に合わせて挨拶を使い分けましょう。
3. 早上好 (zǎoshang hǎo – ザオシャンハオ) – 「おはようございます」
「早上 (zǎoshang)」は「朝」。「おはようございます」にあたる、朝の丁寧な挨拶です。午前10時頃まで使えます。
4. 早! (zǎo! – ザオ!) – カジュアルな「おはよう」
「早上好」を短縮した、よりカジュアルな「おはよう」です。友人や同僚など、親しい間柄で使われます。
5. 上午好 (shàngwǔ hǎo – シャンウーハオ) – 「おはようございます」(午前)
「上午 (shàngwǔ)」は「午前」。「早上好」と同じく午前中に使いますが、少し遅めの時間(9時〜12時頃)にも使える表現です。
6. 中午好 (zhōngwǔ hǎo – ジョンウーハオ) – 「こんにちは」(正午)
「中午 (zhōngwǔ)」は「正午」。お昼の12時前後に使われる「こんにちは」です。
7. 下午好 (xiàwǔ hǎo – シァウーハオ) – 「こんにちは」(午後)
「下午 (xiàwǔ)」は「午後」。正午過ぎから夕方(日没頃)まで使われる「こんにちは」です。
8. 晚上好 (wǎnshang hǎo – ワンシャンハオ) – 「こんばんは」
「晚上 (wǎnshang)」は「晩、夜」。「こんばんは」にあたる、夜の挨拶です。
時間帯別挨拶の例文
- (朝、同僚に) 小王,早! (Xiǎo Wáng, zǎo!) – 王さん、おはよう!
- (午前、会議で) 各位上午好。 (Gèwèi shàngwǔ hǎo.) – 皆さん、おはようございます。
- (午後、お店に入って) 下午好。 (Xiàwǔ hǎo.) – こんにちは。
- (夜、パーティーで) 大家晚上好! (Dàjiā wǎnshang hǎo!) – 皆さん、こんばんは!
ネイティブがよく使うカジュアルな挨拶 – 友達との会話で
親しい友人や同僚との間では、「你好」よりももっとくだけた挨拶が使われます。

友達同士ならカジュアルな挨拶を使ってみよう!
9. 哈罗 (hā luō – ハー ルゥオ) / 哈喽 (hā lou – ハーロウ)
英語の「Hello」の発音を真似た外来語です。若い世代を中心に、ネットや日常会話で気軽に使われます。「哈喽 (hā lou)」の方がより一般的かもしれません。
10. 嗨 (hāi – ハイ)
英語の「Hi」が由来。非常にカジュアルで、親しい間柄で使います。
11. 嘿 (hēi – ヘイ)
英語の「Hey」が由来。これもカジュアルな挨拶や呼びかけに使われます。
例文 (カジュアル):
哈喽!好久不见! (Hā lou! Hǎojiǔ bújiàn!) – やあ!久しぶり!
嘿,你在这儿干嘛呢? (Hēi, nǐ zài zhèr gànmá ne?) – よっ、ここで何してるの?
中国独特の挨拶:「ご飯食べた?」に隠された意味
中国語の挨拶で、外国人学習者が特に面白く感じるのが「ご飯食べた?」という表現でしょう。

「ご飯食べた?」は相手を気遣う中国ならではの挨拶。
12. 你吃了吗? (nǐ chī le ma? – ニーチーラマ?)
直訳すると「あなたはもうご飯を食べましたか?」ですが、これは単に食事の有無を尋ねているのではなく、**「こんにちは」「元気ですか?」に近いニュアンスを持つ、相手への気遣いを表す挨拶**として使われます。
文化的背景: 昔、中国では食料が十分にない時代があり、相手がちゃんと食事をとれているかを気遣うことが、親愛の情を示す大切なコミュニケーションでした。その名残が、現代でも挨拶表現として残っているのです。
使う場面:
- 親しい間柄(友人、家族、親戚、親しい同僚など)。
- 主に食事の時間帯(昼や夕方)に使われることが多い。
- 地域や世代によっては、あまり使われなくなってきているという声もあります。
返答の仕方:
- 食べた場合: 吃了。(chī le – チーラ) – 食べました。
- まだ食べていない場合: 还没吃。(hái méi chī – ハイメイチー) – まだ食べていません。
- 聞き返す: 你呢?(nǐ ne? – ニーナ?) – あなたは?
会話例:
A: (夕方、近所の人に会って) 王阿姨,您吃了吗? (Wáng āyí, nín chī le ma?) – 王おばさん、ご飯はもう食べましたか?
B: 吃了,你呢? (Chī le, nǐ ne?) – 食べましたよ、あなたは?
A: 我也吃了。 (Wǒ yě chī le.) – 私も食べました。
この挨拶は、中国文化への理解を示す良い機会にもなりますが、相手や状況を見極めて使うようにしましょう。
電話での挨拶:「もしもし」
電話に出る際の決まり文句です。
13. 喂 (wèi / wéi – ウェイ / ウェイ)
電話に出る時の「もしもし」です。発音は、通常は第四声の wèi ですが、相手に聞き返すようなニュアンスで第二声の wéi になることもあります。
例文:
(電話に出て) 喂,你好。 (Wèi, ní hǎo.) – もしもし、こんにちは。
(相手の声が聞こえにくい時) 喂?喂?听得见吗? (Wéi? Wéi? Tīng de jiàn ma?) – もしもし?もしもし?聞こえますか?
合わせて覚えたい!その他の基本挨拶フレーズ
「こんにちは」と合わせて覚えておくと、コミュニケーションがさらにスムーズになる基本的なフレーズもご紹介します。
関連基本フレーズ
- 14. 好久不见 (hǎojiǔ bújiàn – ハオジウ ブージエン): 久しぶり!
- 15. 你怎么样? (nǐ zěnmeyàng? – ニー ゼンメヤン?): 元気ですか? / 調子はどうですか?
- 16. 认识你很高兴 (rènshi nǐ hěn gāoxìng – レンシ ニー ヘン ガオシン): はじめまして / お会いできて嬉しいです。
- 17. 谢谢 / 谢谢您 (xièxie / xièxie nín – シエシエ / シエシエ ニン): ありがとう / ありがとうございます。
- 18. 不客气 / 不用谢 (bú kèqi / búyòng xiè – ブー クーチ / ブーヨン シエ): どういたしまして。
- 19. 再见 (zàijiàn – ザイジエン): さようなら。
- 20. 拜拜 (báibái – バイバイ): バイバイ(英語由来のカジュアルな別れ)。
中国の挨拶文化とコミュニケーションのヒント
- 握手: ビジネスシーンやフォーマルな場では握手が一般的です。お辞儀は日本ほど一般的ではありません。
- 呼びかけ: 初対面や目上の人には、苗字に「先生 (xiānsheng)」や「女士 (nǚshì)」、「小姐 (xiǎojiě)」などを付けるか、役職名で呼ぶのが丁寧です。親しくなれば名前で呼び合います。
- メンツ(面子 – miànzi): 中国文化では「メンツ」を非常に重視します。人前で相手のメンツを潰すような言動は避けるべきです。
- 謙遜: 褒められた際に、日本のように過度に謙遜するよりも、素直に「谢谢 (ありがとう)」と受け止めるのが一般的です。
- 地域差: 中国は広大であり、地域によって方言や習慣が異なります。この記事で紹介したのは主に標準語(普通話 – pǔtōnghuà)に基づいています。
まとめ:リアルな挨拶で中国語コミュニケーションを楽しもう!
今回は、「你好」以外にもたくさんの中国語の挨拶表現があることをご紹介しました。
挨拶使い分けのポイント
- 基本だけど注意: 你好 (nǐ hǎo) は初対面やフォーマル向け。親しい人には硬い印象。
- 丁寧: 您好 (nín hǎo) は目上の人やビジネスで。
- 時間帯別: 早上好 (朝), 下午好 (午後), 晚上好 (夜) を使い分けると自然。
- カジュアル: 哈罗 (hā luō), 嗨 (hāi), 嘿 (hēi) は友達との会話で。
- 文化的挨拶: 你吃了吗? (nǐ chī le ma?) は親しい人への気遣い。
- 電話: 喂 (wèi / wéi) は「もしもし」。
これらの挨拶を状況に合わせて使い分けることで、あなたの中国語はよりネイティブらしく、そしてコミュニケーションも円滑になるはずです。特に声調は中国語の鍵となる要素ですので、ピンインと合わせて練習することが大切です。
覚えた挨拶は、ぜひ実際の会話で使ってみてください。間違いを恐れずに積極的にコミュニケーションをとることが、語学上達の一番の近道です。
祝你学习进步!(Zhù nǐ xuéxí jìnbù! – あなたの学習の進歩を祈っています!)