中国語(それ、取って)頻繁に使う便利な表現「给gěi」の使い方

    1. 中国語講座

    中国語の日常会話で使用頻度の高い言葉として、「给gěi」が挙げられます。
    以前、受身表現の時にも出てきましたが、他にも様々な使い方があります。日本人にはちょっと分かりにくい用法もありますが、慣れることが大切でしょう。

    中国語(それ、取って)頻繁に使う便利な表現「给gěi」の使い方

    与えるという意味の動詞

    日本語「給」は補給や供給といった言葉として使われますが、中国語でもそれはそのまま「补给 bǔjǐ」「供给 gōngjǐ」と言います。

    日本語で使う「供給する」という意味の熟語の発音は「jǐ」で、日常の中国語会話でよく使う方は「gěi」と異なる発音です。

    ところで給料は「薪水 xīnshui」なので、全然違う言葉になりますね。

    さて、「给gěi」の用法として最もシンプルなのは、与えるという意味の動詞です。

     wǒ gěi le tā yì běn shū

    我给了他一本书。

    (彼に本をあげました。

    オフィスで同僚に「その資料を取ってくれる?」と頼まれて、「はいよ」と渡すような時にはよく「给」と言って渡したりします

    ちなみに「その資料を取ってくれる?」は次のような表現になります。後ろに「谢谢」を付けておくと感じが良いでしょう。

    「谢谢」を付けて「・・・してくれる?」という表現

    ná nà fèn zī liào gěi wǒ

    拿那份资料给我。

    動作の受け手を示す言葉

    「给」が出てきますね。でも、動詞として使っている訳ではなく、動作の受け手を示す言葉として作用しています

    「私に」取ってくださいと言っているわけで、英語で言うと”’to”’とかforみたいな感じですね。
    下の文も同様の用法です。

    nà ge diàn yǐng gěi wǒ gǎn dòng dào xiǎng kū

    那个电影给我感动,到想哭。

    (あの映画に感動して、泣きそうになりました。

    wǒ bǎ chē jiè gěi tā le

    我把车借给他了。

    (彼に私の車を貸しました。

    強い命令口調

    ところで、「ちょっとそこの資料を取って」を「给我拿那份资料」と言うとどうなるのでしょうか?

    実は、「给我+動詞」の表現ではかなり横柄な命令表現という印象を与えますから、注意が必要です。

    「拿那个给我」「给我拿那个」とでは語順が変わっただけの様ですが、中国人が聞いた印象は前者が普通の口調で後者はかなり語気の強い命令口調です。

    jīntiān quánbù gěi wǒ jiābān

    今天全部给我加班!

    (今日は全員で残業しなさい!

    「给」が「被」や「让」の代わりをする使役・受身的な表現

    ところが次のような文の場合、「给我+動詞」でも命令しているわけではありませんね。

    gěi wǒ kàn kàn

    给我看看

    (ちょっと見せて

    gěi wǒ chī yì kǒu

    给我吃一口

    一口食べさせて

    bà ba bù gěi wǒ kāi chē

    爸爸不给我开车

    父は私に運転させてくれません。

    「看看」や「吃一口」は、行為を行うのが自分自身で動作の受け手も自分です。
    「加班」の文の場合、私のために部下全員が行為をするから命令なわけです。
    また、これら3つの例は「给」が「被」や「让」の代わりをする使役・受身的な表現ともいえるでしょう。

    「开车」の場合は命令しています

    「开车」のケース

    このように、前後関係やつながる動詞によっては文の意味が異なってきます。「开车」のケースだと、下のような場合は命令しています。

    この場合、運転しているのは私ではありませんね。誰かに運転を命じています

    gěi wǒ kuài kāichē

    给我快开车!

    (さっさと運転しなさい!

    それから、上の文では「とっとと運転しろ」と命じていいますが、語順を変えて「给我开快车」だと、「スピードを上げて運転しろ」という意味になります。

    中国の白い背景にオレンジ色の電話を持つ手。

    「電話しろ」と「電話してください」のケース

    下のような場合、(1)だと「電話してください」と普通に話しているのか「電話しろ」と命令しているのかわかりません。
    対して(2)のように「ご用のときは、電話してください」と言えば口調が明確になります。

    gěi wǒ dǎ diàn huà

    (1)给我打电话。

     yǒu shì de huà  gěi wǒ dǎ diàn huà

    (2)有事的话,给我打电话。

    「给」が語気を強めるケース

    また、「给」が語気を強めるのは、「给我」のような命令の場合だけではありません

     wǒ bǎ zhè shì gěi wàng le

    我把这事给忘了。

    (この事については忘れていました。

    これを「我把这事忘了」と言った場合とのニュアンスの違いは、「给」が含まれる場合は忘れてしまった事をかなり気にして責任を感じていますが、「给」が無い場合は単純に事実として「忘れた」と言っているので責任は感じていません。

    いかがでしょうか?「给」は基本的に「给我」「给你」「给他」などその後に続く人称代名詞が動作の受け手となることを示します。
    また、「给我」の後に誰か他人に何かをやらせる言葉を続けると、横柄な命令口調に聞こえる点がポイントです。

    中国語はシンプルな構造だけに、日本語と違って語順の違いでニュアンスが大きく異なる場合が多いので、気を付けないといけませんね。

    関連リンク

    1. 【中国語】「给」の使い方を徹底解説|覚えるべき5つの使い方
      • この記事では、「给」の使い方を5つの主要な用法に分けて徹底解説しています。日常会話での使用例を豊富に取り上げており、実践的な学習に役立ちます。
    2. 介詞“给(gěi)”は「だれに」を表す用法
      • この記事では、中国語の介詞「给(gěi)」が「だれに」を表す用法に焦点を当てて解説しています。具体的な例文を通じて、「给」の使い方を理解するのに適しています。

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