どの言葉でもそうですが、物の数え方は覚えるのが大変ですね。
中国語の数の数え方(物、人、動物、量)など
目次
物の数え方
日本語では、物を数える言葉を助数詞と言い、棒は【一本】、人間は【一人】、鏡は【一面】など非常に沢山あります。
日本語は数える言葉が発達した言語で、合計すると500種類くらいあるといわれています。
日常生活によく使うものは限られるので、使用頻度の高いものはしっかり押さえておきましょう。
中国語の場合、助数詞に当たるものを「量詞」と言います。
日本語に比べると総数は少なく200種類くらいといわれていますが、日常会話でよく使われる量詞の種類は日本語より多いようです。
その中でも、本のページは「三頁sān yè」、飲み物が「一杯咖啡 yì bēi kāfēi」、魚は「五尾魚wǔ wěi yú」あたりは日本語と同じですから簡単ですね。
一方、料理を「一道菜yì dào cài 」などと「道」で数えるたりするのは、日本人にはちょっと分かりずらいでしょう。
中国語の動物の数え方
生き物の数え方は、日本語では大きいものは「頭」、小さいものは「匹」でだいたい通じますね。
正確にはウサギは「一羽」、アリや蝶は「二頭」などと数えますが、「匹」でも間違いではありません。
中国語では動物の数え方は日本語より多く、次のようなものが日常的に使用されます。
yì pī mǎ liǎng tóu niú sān zhī hóu zi sì tiáo gǒu wǔ kǒu yáng
一匹马,二头牛,三只猴子,四条狗,五口羊
(馬一頭、牛二頭、猿三匹、犬四頭、羊五頭)
猿を数える「只」は、「一只猫 yì zhī māo」のように小型の動物を数える時に幅広く使う量詞です。
長い物の数え方
一方、犬を数える「条」は普通長い物を数える量詞です。日本語の「本」と同じ感覚で使います。
zhè tiáo jiē shàng yǒu liǎng jiān bǎi huò shāng chǎng
这条街上有二间百货商场。
(この通りにはデパートが2軒あります。)
書籍の数え方
中国語では「本」というと書籍を数える時の量詞です。
zhè jiān tú shū guǎn yǒu shí wàn běn cáng shū
这间图书馆有十万本藏书。
(この図書館には10万冊の蔵書があります。)
ところで、日本語の場合はデパートが2軒とか6社協議など数詞と助数詞を組み合わせることはあっても、「この」や「その」と一緒に助数詞を使うことはありませんね。
しかし、中国語では上記の例のように「この道」や「この図書館」などにも量詞が必要です。
手につかむものの数え方
手につかむものは「把」と数えます。傘や包丁、椅子なども「把」で数えます。
wǒ zài shì wù suǒ li yǒu fàng yì bǎ yǔ sǎn
我在事务所里有放一把雨伞。
(私は事務所に一本置き傘をしてあります。)
スーツやシャツの数え方
スーツなど一式のものは「套」と数えます。一方、シャツや肌着の数え方は「件」です。
chū chāi shí zhǔn bèi le liǎng tào xī zhuāng sān jiàn chèn shān
出差时准备了二套西装,三件衬衫。
(出張にはスーツ二着とワイシャツを3枚持っていきます。)
平らなものの数え方
「张」は平らなものを数えるので、切符のような紙のほかテーブルなども「张」です。
měi zhāng zhuōzi shàngmiàn gè fàng yì zhāng zīliào
每张桌子上面各放一张资料。
(テーブルの上にそれぞれ一枚づつビラを置きます。)
物の数を尋ねる場合
さて、物の数を尋ねる場合も対応する量詞が必要です。下の例だと、「房间」を数えるのは「间」ですね。
zhè ge wū zi yǒu jǐ jiān fáng jiān
这个屋子有几间房间?
(この家には部屋はいくつありますか?)
量詞が判らない場合で尋ねる場合
量詞が判らない場合は、「有多少~?」の形だと量詞抜きで尋ねられます。
zhè ge wū zi yǒu duō shao fáng jiā
这个屋子有多少房间?
(この家には部屋はいくつありますか?)
注意する点は、「几」は数が多そうなときには使えず、だいたい10以下の場合に限って用いるという点です。
「多少」の方にはそうした数の制限はありませんね。
また、「个」は「一个人yì ge rén」や「三个学校sān ge xué xiào」のようにかなり汎用性のある量詞です。
量詞の判らない物に使ってごまかすことも可能とも言われますが、小さい子供のしゃべる言葉のような印象なので、やはり大人が話していると違和感が少し違和感があります。
以上のように、中国語の量詞には日本語と共通のものや意味が想像しやすいものもありますが、かなり違うものも多のでコツコツと覚えるしかありませんね。慣れることが肝心です。
とはいえ、中国語を習い始めたころにすべての量詞を覚えるのも大変ですよね。そんな時は便利な量詞である「个」を使いましょう。確かに相手からしたらこちらの話していることに対して幼さを感じさせるかもしれませんが、そこは外国人ということで大目に見てもらえます。
ただ、なんでもかんでも「个」で済ませてしまうと、いつまで経っても幼稚っぽく、中国語は上達しませんよね。そこで、この記事で紹介してきた「量詞」を優先度別に分けてみましょう。
優先度 ★★★★★
「个」:
この言葉はなんて数え方をするんだろう、と迷ったときに使える便利な量詞が「个」です。基本的に「个」をつけておけば、相手に意味は通じる万能の数え方です。
「张」:
「张」は先ほども紹介したように、薄くて平らなものを数えるときに使われる量詞です。机のほかに、コピー用紙、電車の切符やコンサートのチケットなどを買うときに使います。
「件」:
用事を数えるときに使う量詞です。その他に衣服を数えるときにも使われる量詞です。
「位」:
この量詞は日常会社の中で話す機会はあまりありませんが、聞く機会が最も多いと思われる量詞の一つです。「位」はお店に入ったときに「何名になりますか?」とお客の人に対して聞くときに使われます。お店に入れば「几位?」と聞かれるので、話すことはなくても聞き取れるようにしておきたい量詞の一つです。
優先度 ★★★★☆
「条」:
道や川など、細長いものを数えるときに使う量詞です。
「双」:
お箸や靴、靴下など、2つでセットになるものを数えるときに使う量詞です。漢字を見てもどのようなシーンで使われるのか想像しやすい量詞の一つですね。
「块」:
分厚いお肉やコンクリートブロックなど、「ひとかたまり」をイメージできるものを数えるときに使う量詞です。小さなものでも例えば「豆腐」や「石鹸」のようなかたまりをイメージさせるものであれば使えます。
「杯」:
「请给我一杯咖啡 qǐng gěi wǒ yī bēi kā fēi(コーヒーを一杯ください)」のようにカップやカップに入った飲み物を数えるときに使う量詞です。
優先度 ★★★☆☆
「套」:
スーツ一式やコース料理など、セットになったものを数えるときに使う量詞です。
「把」:
椅子や傘など、柄のあるものを数えるときに使われる量詞で、日常会話の中では「一把伞」のように「傘を数えるとき」に最もよく使われます。
「支」:
鉛筆や万年筆など、まっすぐで細くて短いものを数えるときに使う量詞です。
「辆」:
自転車や自動車、バス(公交车)など車がつくものに使う量詞です。なお、発音が「四声」になるので、2を表す「两」との使い分けに気をつけましょう。
日常会話の中で使われる代表的な12種類の量詞について、優先度をつけて紹介してきました。中国語の量詞は日本語に比べ、少ないと言われていますが、実際に日常会話の中では頻繁に目にしたり、耳にしたりします。まずは今回の記事で紹介した12個の量詞の使い方をマスターすれば、日常生活で困ることはなくなるでしょう。
まとめ
中国語の量詞を使い分けることで相手に与えられる情報量も格段に増えます。その中でも中国語の初級者から中級者にステップアップするためにもぜひともマスターしておきたい量詞を紹介しました。
ここまで見てきたように、中国語の量詞には日本語と共通のものや意味が想像しやすいものもありますが、かなり違うものも多いのでコツコツと覚えるしかありませんね。慣れることが肝心です。
中国語の量詞を使いこなすだけで相手に与える印象がぐっと良くなりますので、今回の記事で紹介した簡単な量詞を使って、どんどん日常会話の中で使ってみましょう。
関連リンク
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