中国語で自分の意思をはっきり伝える方法:基本的なフレーズと文法のポイント

    1. 中国語講座

    中国語は自分の意思をはっきりと伝えやすい言語、というイメージがあるのではないでしょうか。

    ところが実際には、中国語にもニュアンスの異なる表現がいくつかあります。今回ご紹介する表現とフレーズで、様々なシーンで使いこなせるようになりましょう。

    中国語で自分の意思をはっきり伝える方法

    日本語と中国語の違い

    日本語特徴と語尾の多様性

    主語+目的語+述語の語順

    日本語の語順は、SOV型で構成されています。基本的には目的語が真ん中に置かれ、動詞や形容詞などの述語が最後に来ます。

    私は(S)中国語を(O)勉強します(V)

    結論よりも、詳細な説明が先にくる特徴があります。

    ひらがな・漢字・カタカナ表記がある

    日本語は、ひらがな・漢字・カタカナを織り交ぜた文字を普段から使いこなし、時にはアルファベットも使う、使用文字の種類が多い言語です。

    漢字のみを使う中国語やアルファベットのみを使う英語、ハングルと漢字を使う韓国語と比べても、非常に多いことが分かるかと思います。非漢字圏の日本語学習者にとっては、まず使いこなす文字の種類を覚えなければなりません。

    敬語の種類

    日本語には「敬語」「尊敬語」「謙譲語」の3つの敬語体系があり、相手や状況によって使い分けなければいけません。特に目上の人とのコミュニケーションや社会的な交渉の場面では、相手への配慮として最低限のマナーと捉えられています。

    しかし敬語の使い分けや体系は複雑化するものも多く、日頃から使い慣れていないと日本人でも誤った使い方をしてしまう可能性があります。

    語尾の多様性

    日本語には他言語にない細かいニュアンスやキャラクター性によって、語尾の言い回しが変化します。相手が家族なのか、目上の人なのか、親しい間柄なのかによって、言い回しや一人称まで影響を受けます。

    中国語や英語では自分を表す主語は「」と「 I 」以外に基本的には存在しません。しかし日本語には、一人称の表現が「私(わたくし)」「わたし」「俺」「自分」「僕」「当方」など多岐にわたります。

    この一人称の違いによって、語尾が「〜だ」「〜ね」「〜なの」「ですな」「かもね」など多様化します。TVアニメでもキャラクターのイメージ特性から、普段私たちが使わない語尾の言い回しがされていますよね。

    立場や状況によって多種多様に言葉が構成されるのは、他言語にない日本語の特徴の一つだといえます。

    主語が省略される

    日本語では相手との会話で共通認識がされている内容だと、主語が省略された状態で話が進みます。通常、文章として「誰」という主語を省略すると、動作の主体が確定せず、誰に向けた話なのか分からない状態になります。

    しかし日本語の場合は「多様な語尾の表現」と「敬語の種類」によって、主語が省略されていても誰に向けた文章なのか読み取ることができます。動詞の部分の言い回しの変化によって、動作主体が分かる言語体系になっているのです。

    動詞「する」の言い回しが「なさる」になると、動作主体が話し手ではなく、聞き手や第三者、更には目上の人だと想定できますよね。こういった場合は、主語をあえて言ってしまうと文章として冗長的な印象になる可能性もあります。

    私たち日本人は、上記のような使い分けや言い回しを無意識に行っているので、じっくり観察しないと気づかない部分かもしれません。母語の特徴を知ることは、他言語を学ぶ際のつまずきや苦手を克服する助けにもなってくれるはずです。

    日本語は主語がなくても成立し、「かな」「かもね」などの語尾の言い回しによる曖昧な表現にも長けています。主語の省略で、あえて「誰」を明言しなかったり、語尾に曖昧表現を使うことで断言を避けるケースも少なくありません。

    「空気を読んで察する」ことは日本人の特性としてイメージが浸透しているかと思います。実際に、断言せずに曖昧な意見で留めておく傾向が言語表現からも伝わります。あえて受けての解釈に頼る表現は、中国語には無い日本独特の特徴ではないでしょうか。

    中国語の特徴

    中国語の文構造の特徴

    中国語は日本語と異なる文の構造をしています。ここでは中国語の文法や文構造の特徴を取り上げ、日本語との違いをご紹介します。

    文の語順

    中国語は主語+動詞+目的語(SVO)の語順を基本型としている言語です。主語が先に来て、次に動詞が続き、最後に目的語の順番で成り立っています。

    wǒ chī píng guǒ

    我吃苹果

    私はリンゴを食べる

    日本語訳では、主語+目的語+述語の順番になっています。日本語と中国語の大きな違いとして、この語順が挙げられます。

    「〜したい」という意思を表す動詞が主語のすぐ後にくる中国語のほうが、自分の考えをはっきり伝えられる印象があるかと思います。

    主語の省略頻度

    中国語は日本語と同様に、話し相手との分かりきっている主語は省略する場合があります。ただ、頻度としては、日本語と違い多くはありません。

    特に中国語の場合、主語を省略して相手に経験や知識を質問すると、「我?」と聞き返されることがよくあります。主語を省略してしまうと、動作の主体が誰であるか確定できず、おそらく自分のことかなと感じつつ、確証が持てない状態になります。

    「どう思う?」と相手の意見や考えを問う場合、日本語では「あなたは」という主語は省略されるケースが多いかと思います。

    しかし中国語では「你觉得呢」と必ずという主語を使っているのが分かります。確かに「觉得呢」だけだと動作の主体が明確ではありません。

    日本語と中国語を比較すると、いかに日本語が省略された文章で会話が成り立っているかが分かりますよね。

    動詞に時制がない

    中国語には、過去・現在・未来を表す場合でも、動詞の時制がないことが特徴です。動詞が変化することで時間軸を表す英語や日本語とは違い、中国語では主に修飾語、副詞などを活用して時制を表します。

    例えば、昨天zuó tiān)や現在xiàn zài)を文中に使うことで、時制が明確になります。正在zhèng zài)を使えば、現在進行形であることを表せます。

    動作がどのように完了したかの詳細の表現が細かく分かれているのも、中国語の特徴のひとつです。

    日本語の「食べた」の場合、食べ終わったのか(完了)、食べたことがあるか(経験)の意味をすべて表すことができます。一方中国語の場合は、補語を使って動作の完了が具体的にどうだったのか補足しています。

    chī fàn le

    吃饭了

    食べ終わった(完了)

    chī guò

    吃过

    食べたことがある(経験)

    中国語の「したい」

    我要~(私は~したい)という表現

    「我要」の基本的な使い方

    我要~wǒ yào)」は、何かを望んだり、したいことを伝える表現です。の後ろに動詞や行動を伴って使用され、具体的な意図や希望を示すことができます。

    英語の I want と同じ構造を持ち、主語「)」に続いて願望や希望を表す助動詞「」(yào)が来ることから、「~したい」という明確な意思を伝える文になります。

    日常会話や文章で頻繁に使用される重要なフレーズのため、自然と使えるようにたくさん練習を重ねましょう。

    wǒ yào xué xí zhōng wén

    我要学习中文。

    中国語を勉強したいです。

    wǒ yào chī qiǎo kè lì

    我要吃巧克力。

    チョコレートが食べたいです。

    助動詞「yào)」の直後に動詞「学习xuéxí)」や「chī)」が続き、その後に目的語「中文zhōngwén)」や「巧克力qiǎokèlì)」がきていますよね。この構造によって、自分が「何を」したいのかが明確になります。

    我要~」はシンプルな文構造ですが、自分の意思をはっきりと相手に伝えるのにとても便利な表現です。中国語を学ぶ際に必ず出会う表現のため、スピーキングや文章作成では問題なく使えるまで身につけていきましょう。

    中国語の「思う」

    「私は~と思う」という表現

    「我想」や「我觉得」の使い方

    「私は〜と思う」と中国語で表現したい場合は、我想wǒ xiǎng)や我觉得wǒ jué de)が使えます。

    我想wǒ xiǎng)や我觉得wǒ jué de)には、自分の考えや感情表現として、感覚的なニュアンスが含まれていることが特徴です。

    我想(wǒ xiǎng)

    我想〜は自分の希望や願望、意思を伝える際に使える表現です。希望や願望を伝える際に使われることが多いため、意思や考えを表現する際にも使えることを知らない方もいるかも知れません。

    日本語でも「想う」という漢字があるように、中国語でも同様の意味で使えます。想像という日本語の漢字からイメージすると良いかもしれません。推定する意味での「思う」として、より活用イメージが湧いてきませんか。

    wǒ xiǎng tā yí dìng huí lái

    我想他一定会来

    彼はきっと来ると思いますよ。

    wǒ xiǎng míng tiān huì xià xuě

    我想明天不会下雪

    明日は雪は降らないと思いますよ。

    wǒ méi xiǎng dào zài zhèr hé nǐ néng jiàn miàn a

    我没想到在这儿和你能见面啊

    まさかここであなたに会えるとは思わなかった。

    注意点としては、明確にはっきりしている、確定している考えではほとんど使わないため、曖昧さを残していることです。そのため「〜と思う(たぶん)」というニュアンスも含まれていることを覚えておきましょう。

    我觉得(wǒ jué de)

    觉得は今持っている情報を基に「思う」として使われる場合が多いです。と比べると少し感覚的なニュアンスが含まれています。

    は誰かが言っていた情報も含めて推定する「思う」に対し、觉得は自分が目にしたり耳にした情報をメインに感覚的に判断する違いがあります。

    wǒ jué de jīn tiān nǐ chuān de yī fu hěn hǎo kan

    我觉得今天你穿的衣服很好看!

    今日あなたが着てる服はとっても素敵だと思う!

    wǒ jué de zhè bù diàn shì jù hěn yǒu yì si

    我觉得这部电视剧很有意思

    このドラマはとても面白いと思う

    wǒ jué de zhè zhǔ yì bú cuò

    我觉得这主意不错

    私はこのアイデアは悪くないと思う

    考えを示す時の「认为」

    「私は〜と思う」の中国語で表現したい場合、觉得以外に「认为rèn wéi)」でも意思を伝える事ができます。觉得と比べると、より自分の意思や考えをはっきりと伝える、自信を持って伝える場合によく使われます。

    例えば、実際に自分が中国語を学習してみて、外国人が中国語を習得することは簡単ではないと言いたい場合は、认为が適しています。

    wǒ rèn wéi zhǎng wò hàn yǔ duì wài guǒ rén bù róng yì de,tè bié shì fā yīn

    我认为掌握汉语对外国人不容易的,特别是发音。

    外国人にとって中国語をマスターするのは簡単ではないと思う、特に発音です。

    自身の経験や本などの情報を基に、確信を持った考えや意見として伝わるので、感覚的な「思う」は、觉得を使いましょう。

    「この服私に似合ってる?どう思う?」など、相手から聞かれたときに认为で答えてしまうと、ニュアンスとして少し強めの印象を与えてしまうかもしれません。

    wǒ rèn wéi tā de zuò fǎ shì zhèng què de

    我认为她的做法是正确的。

    私は、彼女のやり方は正しいと思う。

    tā yǐ jīng nǔ lì le hěn cháng shí jiān wǒ rèn wéi tā de chéng gōng zhǐ rì kě dài

    他已经努力了很长的时间。我认为他的成功指日可待。

    彼は既に長い間努力をしてきた。私は彼の成功はまもなく実現すると思う。

    lǎo shī rèn wéi wǒ shì ge pǐn xué jiān yōu de hǎo hái zi

    老师认为我是个品学兼优的好孩子。

    先生は、私が品行と学力ともに優れている良い子どもだと思っている。

    まとめ

    今回ご紹介した「〜と思う」の中国語表現は、含まれるニュアンスや使えるシーンに違いがあります。

    日本語訳や辞書では同じ「思う」で書かれている場合が多いので、学習初段階では区別が難しく感じるかもしれません。それぞれを自然と使い分けることで、より意思の程度や意見を明確に伝えることができます。

    それぞれに含まれるニュアンスを掴むために、中国人との交流を通して違いを身につけていきましょう。

    会話の文脈から、どういう時にネイティブは使い分けているのか観察してみることも、語学学習では大きな鍵になります。意識せずに感覚で使い分けることができれば、学習においての習得スピードや理解度を深める手助けになるはずです。

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