もし皆さんが海外旅行に行くとしたら、現地で何を食べるかということをとても楽しみにするのではないでしょうか。
せっかくの外国へ行くという非日常体験です。中国から日本に来られる方たちも、日本で食べるものをとても楽しみにしています。
中国人が選ぶ!日本で食べたい美味しい料理5選
目次
中国人が日本で食べたい理由
すでにたくさんの中国人が日本に旅行に来ています。そして「日本でこんなものを食べてすごくおいしかった」とネットで情報を上げています。
日本に行ったことがない中国人はそれを参考にし、日本に行って同じものを食べてみたいと強く願っています。
中国語に携わっていれば、中国の方を案内したり、食事に連れて行く機会があるかもしれません。
中国人が日本で食べたいものランキング
さて中国人はどんなものを日本で食べたいのでしょうか?中国人が日本で食べたいものを独自に調査しました。トップ5を紹介しましょう。
- 拉面 lā miàn
- 鳗鱼 mán yú
- 蟹肉涮锅 xiè ròu shuàn guō
- 日本牛 rì běn niú
- 寿司 shòu sī
中国語でだけ紹介しましたが、それぞれがどの食べ物のことを指しているのか紹介していきます。5位から紹介していきましょう。
5位:寿司
「寿司 shòu sī」は日本語と漢字がまったく同じなので分かりやすかったでしょう。日本といえば寿司ですが、5位なので意外にも特別人気が高いわけではありません。
日本料理としては有名すぎるので、すでに似たようなお店が中国にもあり、日本で食べたからといって新鮮味がないのかもしれません。
ただ、中国にあるお寿司屋さんは、中国人の好みに合わせてだいぶ改良されています。日本のお寿司とはかなり違うものとなっていますので、日本のお寿司もぜひ味わっていただきたいところです。
中国の寿司について
日本人が寿司と聞くと、思い浮かぶのは握り寿司のことでしょう。そして、ネタの定番は海鮮です。
しかし、中国のお寿司の場合は握り寿司ではなく、巻き寿司も多く存在しています。また、新鮮な刺身をネタにするのではなく、日本では使うことがないような別の食材を用いることも多々あります。
そのため、日本人の思い描く寿司と、中国人が思い浮かぶ寿司には大きな隔たりがあります。中国の方を連れて寿司屋に行くときには、こうした寿司に対する認識の違いをよく理解しておきましょう。
寿司に関する中国語のフレーズ
上に挙げたように、寿司といっても様々です。寿司に関するフレーズを幾つか紹介します。
huí zhuǎn shòu sī
回转寿司
回転寿司
gāo jí shòu sī
高级寿司
高級寿司
wò shòu sī
握寿司
握り寿司
shǒu juǎn shòu sī
手卷寿司
巻き寿司
shòu sī bā tái
寿司吧台
寿司カウンター
4位:和牛
中国人が日本で食べたいものの4位は「日本牛 rì běn niú」つまり和牛です。特に神戸牛や松阪牛などの超高級肉を食したいと思っているようです。
旅行に行く場合、財布の紐が大いに緩くなり、せっかく日本に行くなら高級和牛が食べたいと思っている人も多くいます。日本人がおいしいと感じるように、油が大好きな中国の方もおいしいと感じるようです。
特に中国でも神戸牛は有名で「神户牛肉 shén hù niú ròu 」という言葉は、中国でも多くの人にとってなじみのある言葉です。
3位:カニしゃぶ
近年上位に躍り出た人気の日本料理、それがカニしゃぶ「蟹肉涮锅 xiè ròu shuàn guō」です。もともと北海道旅行は人気があり、そこでカニしゃぶを食べておいしかったとの中国人の口コミで、たちまち日本を代表する料理の一つになりました。
日本のカニは新鮮で、殻が剥かれています。すぐ食べられる状態のカニ身を鍋でシャブシャブする過程と絶品の味が、中国人の印象に残るようです。
どこに旅行に行きたいかと聞いたら「北海道」と答え、何を食べたいかと聞いたら「カニしゃぶ」と答える中国人は少なくありません。
2位:うなぎ
日本人が好きな「うな丼」は中国人の口にも合うようです。中国にも鰻のどんぶりらしきものが売っているには売っているのですが、一般的にはコストを抑えるために、鰻を薄くスライスしたもの数切れだけが提供されます。
日本の鰻専門店のうな丼はもちろん高いですが、客が満足できる量の鰻「鳗鱼 mán yú」が乗っており、味付けも絶品です。
中国人にとって一度食べたら忘れられない味となるので「もう一度日本に行ってあのうな丼が食べたい」と思い、リピーターとなる方も少なくないようです。
丼文化について
中国には、基本的に丼ものがありません。しかし日本には様々な丼が存在しています。例を挙げると、
- 天丼
- 牛丼
- 親子丼
- 鰻丼
- 海鮮丼
このように、様々な丼ものがありますが、意外にも中国には丼ものがないのです。一応、中国にも「盖浇饭 gài jiāo fàn」と呼ばれる食べ物があります。ただ、この「盖浇饭」は、皿に乗せたご飯の上におかずを乗せたものを指します。
例を挙げると、このような料理があります。
qīng jiāo ròu sī gài jiāo fàn
青椒肉丝盖浇饭
これは、チンジャオロースをご飯の上にかけたものですが、丼を用いていないので、丼物というわけにはいきません。丼ものであれば、丼を用い、蓋ができなければなりません。
中国人にも人気が高いうな丼ですが、もし機会があれば、中国の方に様々な丼ものを味わっていただきたいものです。
余談ですが、グローバル化が進んでいることもあり、中国でも牛丼は受け入れられつつあります。例えば、日本の有名な牛丼のチェーン店である吉野家やすき屋は、すでに中国に進出しています。
jí yě jiā
吉野家
吉野屋
xǐ shí jiā
喜食家
すき屋
しかし、これはあくまで日本料理が中国に進出したのであって、中国料理に丼ものが存在するということではありません。
1位:ラーメン
栄えある一位に輝いたのはなんとラーメン「拉面 lā miàn」です。ラーメンは中国のものと思っているのは日本人だけで、中国人は別に自分たちの国の食べ物とは思っていません。
日本のラーメンのなかでも特に人気が高いのが豚骨ラーメン「猪骨拉面 zhū gǔ lā miàn」です。豚骨ラーメンが中国人の口に合うのは、一般的な相場からいえば値段が高いと言われる一蘭に中国人がたくさん来ていることからもよくわかります。
中国では豚骨ラーメン屋のお店が続々と出店されています。それだけ豚骨ラーメンの需要が中国にあるということです。
とんこつラーメン以外のラーメンは中国語でこのように述べます。
Jiàng yóu lā miàn
酱油拉面
醤油ラーメン
wèi zēng lā miàn
味噌拉面
味噌ラーメン
中国人のお客さんが来たときの対応
中国人のお客さんが来たときには、まず相手が何を食べたいのか確認しましょう。すでに明確に食べたいものが決まっていれば、それを食べさせてあげましょう。そのうえで、こちらから紹介する余地があれば、こちらから色々な物を紹介できます。
注意点として、自分の好みを決して押し付けないということです。中国の方には生ものが食べられない人や、冷たいものが食べられない人がいます。
「中国人だから」「ここは日本だから」という固定概念は脇に置いて、一人一人の好みと意向をよく理解したうえで案内しましょう。
中国人にお勧めしたい日本料理
天ぷら
天ぷら「天妇罗 tiān fù luō」はれっきとした日本料理で、中国料理には存在しません。多くの中国の人は、天ぷらという名前は聞いたことがあるはずなので、機会があれば案内してあげると喜んでもらえます。
鶏の唐揚げ
とても意外な話ですが、中国には鶏の唐揚げという料理はありません。中国で鶏は非常によく食されているのですが、これもまた日本独特の料理なのです。
それで、鶏の唐揚げのことを中国では「日式炸鸡块 rì shì zhá jī kuài 」と呼んでいます。
中国にはマクドナルドもケンタッキーフライドチキンもどちらも存在していますが、やはりケンタッキーフライドチキンの方が強い傾向にあります。そこには、中国人が鶏肉をよく好んで食べるという背景が関係しています。
中国に住む多くの方が鶏肉を食べて育っているので、日本に来られた際にはぜひ鶏の唐揚げを食べていただきたいものです。唐揚げ定食や唐揚げ弁当を食べていただき、感想を聞いてみると面白いかもしれません。
焼肉
実は中国では、日本の焼肉が非常に高く評価されており、「日式烤肉店 rì shì kǎo ròu diàn 」(日本風焼肉店)と名乗るお店がたくさんできています。
また、中国でもバーベキューは広く受け入れられており、みんな焼肉が大好きです。
「焼肉だったら韓国の方が有名なのでは?」と思うかもしれませんが、韓国の焼肉と日本の焼肉は大きく異なります。
韓国の焼肉だと豚肉がメインです。日本の焼肉は牛肉がメインとなっており、また牛肉の質が大変良いものであるということから、日本で食べる焼肉もまた特別なものとなっています。
また、基本的に中国料理は生物食べないので、肉を生のままで食べるユッケなども、日本特有の料理です。ユッケを紹介する際は、事前に生肉が食べられるか相手に確認しましょう。
nǐ kě yǐ chī shēng ròu ma?
你可以吃生肉吗?
生肉は食べられますか?
とんかつ
中国にはとんかつ「日式炸猪排 rì shì zhà zhū pái」がありません。中国でもパン粉は売っているのですが、パン粉と豚肉を用いて揚げてとんかつにするというのは、日本独自の技法のようです。
中国では豚肉をよく食べますし、分厚い肉をしっかり食べられるということで、好んで食べる中国の方も少なくありません。
お茶漬け
お米とお茶を混ぜ合わせる、これも日本独自の技法です。お茶漬け「茶泡饭chá pào fàn」に関しても、鮭茶漬け、梅茶漬けなど様々な味のものがありますので、機会があればぜひ中国の方に堪能していただきたい料理です。
おふくろの味
日本ではよく「おふくろの味」という言い方が用いられます。おふくろの味「母亲的味道 mǔ qīn de wèi dào」を定義するのは難しいですが、日本の一般な家庭料理を指して用いられる言葉です。
きんぴらごぼう、肉じゃが、鯖の味噌煮などのいわゆる、日本人が昔から食べてきた食べ物を中国の方に理解していただくと、日本人の歴史に対して理解を深めていただくことができるでしょう。
居酒屋について
よく中国の方から「居酒屋」とは何か?と聞かれることがあります。この居酒屋「居酒屋 Jū jiǔ wū」という言葉を説明するのはとても難しいなと思いました。
実は中国では、この居酒屋に相当する飲食店がほとんどありません。居酒屋はレストランではありませんし、バーでもありません。
そういう背景からか、中国では日本の居酒屋をモチーフとした飲食店が増えてきています。中国の方もみんなでお酒を飲む事はよくありますが、ほとんどの場合は円卓を囲んで食べたり飲んだりします。また、部屋の照明も基本的にとても明るくなっています。
そうした背景からか、やや薄暗い小部屋で、畳の上でみんなで楽しく食べたり飲んだりする雰囲気が、外国の人にとっては物珍しく感じられ、好奇心を掻き立てられるようです。
日本のB級グルメについて
中国から訪れる方たちに日本のご当地グルメ、つまりB級グルメを紹介してあげるととても喜んでもらえます。
例えば、お好み焼きやたこ焼きといったものが挙げられます。他にも、たい焼きや今川焼きといったものも、日本人がずっと昔から食べているものなので、中国の方にも喜んでいただけます。
お好み焼きやたこ焼き、そしてたい焼きとなどは、実は中国でも食べることができます。ただ、やはり日本のものとはだいぶ味付けが異なるものとなっています。
そこで、本場のB級グルメとして、中国のものとの違いを比較してほしいというふうに紹介すると、より興味を持っていただけるでしょう。
また、B級グルメの場合はSNSで映えやすいため、サッと買って、写真に撮って、WeChatなど(日本でいえばインスタグラム)でアップするという現代の中国の方の生活習慣により適しています。
ちなみに、中国でB級グルメに相当する言葉は「小吃 xiǎo chī」です。代表的なものとして豆腐を油で揚げた「臭豆腐 chòu dòu fu」があります。
まとめ
ネット社会の現代では、検索すればいくらでも知りたい情報が出てきます。日本に来る中国の方たちも、日本の食べ物については、事前にいろんなことを見聞きしておられることでしょう。
中国の方たちが食べたいと思っているものは、ぜひ試していただきたいものです。
それとは別に、ネットでは検索しきれないものを私たちの方で紹介して、中国の方たちに日本のことをより深く知っていただければ嬉しいですね。