皆さんは花を鑑賞するのは好きですか?花はどの民族の人からも愛されていて、大切なものとされています。綺麗なものに国境はありません。
中国語の花の名前や中国での花の使用方法について知ると、中国語のレベルアップにとても役立ちます。
いくつ分かる?意外とステキな中国の花の名前
目次
中国語の花の名前の魅力
中国語の花の名の構造に注目していくと、意外とステキで興味深く、また中国の方の考え方を理解することができます。
二人の人が同じ花を見た時に、同じ反応をするとは限りません。二人とも綺麗だと思ったとしても、その花の何に心を動かされたのかということを掘り下げると、そこには異なる感じ方が存在し、それが個性です。
花の名前には、見た人の感じ方が反映されています。これから紹介する中国語での花の呼び方をいくつか紹介しますが、その名前を付けた人が花を見て何を感じていたのかを考えると、中国の方の考え方に対する理解を深めていくことができます。
クイズ方式で紹介しますので、是非いくつ分かるか試してみてください。
中国語の花の名前ってどうやって作られるの?
花の名前に限った事ではありませんが、中国語の単語の構造は2つあります。
- 音を拾うパターン
1つは外国語の音から拾うパターンです。例えばローソンは、「罗森 luó sēn」です。
- 意味を拾うパターン
2つ目は意味を拾うパターンです。便利なコンビニは「便利店 biàn lì diàn」です。
あじさいの中国語名
日本語は漢字、ひらがな、カタカナという3つの表記方法があります。しかし中国語には漢字しかありません。
英語のあじさいは「hydrangea」というもので非常に発音しにくい言葉なので、中国語では意味から拾うことにしたそうです。
さてここで問題です。次の3つのうち、あじさいを指す中国語はどれでしょうか?
zǐ yáng huā
1.紫陽花
xiù qiú huā
2.绣球花
jí xiǎo huā
3.集小花
あじさいの中国語名の正解は?まず1番と思った方、残念です。紫陽花は日本語のあじさいの漢字表記で、中国語の漢字表記は別のものです。あじさいのことを伝えたくて、中国人に「紫陽花 zǐ yáng huā」中国語読みしたところで通じません。
2番目の「绣球花 xiù qiú huā」が正解です。「绣 xiù」という漢字には「刺繍する」という意味があります。つまり、「球の形に刺繍して花に仕立てた」というイメージを伝えます。とても素敵だと思いませんか?
3番目の「集小花 jí xiǎo huā」は不正解ですが、日本語の「あじさい」という言葉の由来を表してみました。
日本語のあじさいは、あづ(集まる)+さあい(蒼い花)が由来となっており、あじさいには「小さい花が集まった」という意味があるようです。日本語も中国語に負けず劣らずステキですね。
バラの中国語名
さて2問目です。愛の象徴であるようなバラの花、中国語ではどのように表現すると思いますか?次の3つからお選びください。
luó zi
1、骡子
qiáng wēi
2、蔷薇
méi guī huā
3、玫瑰花
バラの中国語名の正解は?1番目の「骡子 luó zi」は英語roseを中国語で音読したような漢字ですが、不正解です。「骡子 luó zi」はロバと馬の合いの子である「ラバ」を表す中国語です。
2番目の「蔷薇 qiáng wēi」日本語の漢字の表記「薔薇」とほぼ一緒なので、不正解と感じた方も多いでしょう。ですがこれが正解です。
バラ科の植物すべての総称を中国語では「蔷薇 qiáng wēi」と表記すると辞書に記されています。
ところが中国人は薔薇を指して「これは中国語ではなんと言うの?」と聞くと「蔷薇 qiáng wēi」とは答えません。3番の「玫瑰花 méi guī huā」だと言うのです。
蔷薇と玫瑰花の違い
玫瑰花はバラ科の植物の一種マイカイのことですが、今はバラをみたら中国人は「玫瑰花 méi guī huā」だと言います。その理由としては「蔷薇 qiáng wēi」より「玫瑰花 méi guī huā」のほうが響きもよくステキなイメージがあるからという説が有力とのこと。
日本の中年男性にメイグイフアと伝えると、少し前に資生堂の育毛剤として売り出されていた「メイグイファ」を思い出すようです。マイカイが原材料になった育毛剤だったからですが、商品名にまでなったのは、それだけ「メイグイファ」の発音が「聞こえがよかった」からなのでしょう。
こうして花の名前を掘り下げると、中国の方は花を見た時の印象と音の響きをとても大切にする事が分かります。
他の花の中国名も知りたい!
他にも中国語にはたくさんステキな花の名前があります。たとえば「夜来香 yè lái xiāng」はツル科の植物を指す中国語で、ステキな香りがする花を咲かせます。漢字の意味も発音もステキですね。
日本人は「夜来香 yè lái xiāng」と聞くと、むかしテレサテンが歌っていた曲の名前を思い出すようです。
他にもカスミソウは中国語で「满天星 mǎn tiān xīng」といいます。確かにカスミソウは、夜空に散らばる星のようですよね。ステキなネーミングです。
中国語にはこのように、漢字構造がすばらしく、響きもいいステキな単語がたくさんあるので、このような印象深い単語から覚えるのも良い方法です。
中国人に愛されている花
今回の記事を書くにあたりいろいろと調べていくうちに、中国の方たちから愛されている花がたくさんピックアップされていましたので、ここではそれも紹介したいと思います。
特に以下の4つが中国人に愛されている花として挙げられていました。
- 牡丹 mǔ dān…ボタン
- 梅花 méi huā…梅
- 荷花 hé huā…蓮
- 菊花 jú huā…菊
中でよく目にした意見が、これらの花に対する愛着が強すぎて、国花を1つに絞ることができないというものでした。
花はとても美しく、見る人を幸せな気持ちにします。どの花にも素晴らしい魅力があり、それをあえて1つに限定するというのはなかなか難しいようです。あえて1つに限定する必要は無いのかもしれませんね。
中国における桜について
中国でも評価されている桜
日本でとても愛されている花といえば何でしょうか?やはり、桜を思い浮かべる人は多くいると思います。ここ最近では、中国でも桜がとてもきれいな花であると評価されています。
上に挙げたように、中国では牡丹の花や梅の花の方が評価されていたわけですが、その背景の1つとして、日本のアニメ、映画、ドラマで頻繁に桜が頻繁に出てくることが挙げられます。
そして実際に中国の方が日本に旅行して桜を鑑賞した結果、それがとても心を打つものとなり、その感動が中国に帰ってからも他の人に伝えられるようになりました。
日本と中国の間でも相互の文化に対する理解が深まり、中国の方にも日本特有の「散る」美学が理解されるようになってきたことから、桜への評価が非常に高まっていると言われています。
中国の桜の名所
「百度」などの検索エンジンで「中国の桜の名所」と検索してみると、非常に数多くの場所が紹介されます。
- 玉淵潭(北京市)
- 武漢大学(湖北省武漢市)
- 玄武湖(江蘇省南京市)
- 太湖畔(江蘇省無錫市)
- 太子湾(浙江省杭州市)
こうした場所では、大量の桜が立ち並んでおり、その美しさが訪れる人を魅了するといわれています。桜目当てで、こうした場所に観光で訪れる人も非常にたくさんいます。
中国語の桜の名前
このように中国国内でも愛されつつある桜ですが、中国語ではどのように呼ばれているのでしょうか。
- 樱花 yīng huā…桜
- 单樱 dān yīng…ソメイヨシノ
- 双樱 shuāng yīng…八重桜
日本に行く際には、ぜひ満開の桜を鑑賞したいと思っている中国人の方も珍しくありません。特に中国で有名なのは、富士山と桜の両方を鑑賞できる観光スポットです。こうした景色を風景画として家に飾る中国人の方もいらっしゃいます。
花見について
中国ではとても公園が多く、たくさんの花を鑑賞することができます。こうした意味において、中国文化においては、花がとても重宝されていて多くの人が花を鑑賞する目的で外出します。
しかし春の時期に日本人が好んで行う「花見」は、やはり中国の習慣の中にはありません。中国の人からしても、桜の木の下でシートを敷いて、桜の花を見ながらみんなで食べたり飲んだりというのは、日本独特の興味深い文化であると感じるようです。
もし中国から来た友人やお客様を日本で案内する機会があるのであれば、桜が綺麗な場所に連れて行き、日本の花見文化を紹介してあげるととても喜ばれると思います。
日本の花見文化を紹介する際には、春の時期にテレビで放送される桜前線の話をすると、中国の方に興味を持って頂けることが多いです。朝のニュースで、各地域の桜の開花状況が紹介されると言うのも日本独特の文化です。
中国人が花を送る時とは?
他の人に花をプレゼントするというのは、日本に限らず世界共通の習慣です。しかし中国においては、特定の日に大量の花が購入され、人にプレゼントされます。そのため、中国では花屋さんが非常にたくさんあります。
愛の告白をする時
人々が花を大量にプレゼントする日として、代表的なのがバレンタインデーと5月20日です。
なぜ5月20日なのかということに関してですが、中国語の520と言う数字の発音が「我爱你 wǒ ài nǐ」(私はあなたを愛しています )という発音と声調が似ているため、愛情を表現する日として定着するようになっています。
どちらも自分が思いをしている人に気持ちを告白する特別な日となっているわけですが、中国では自分が思いを寄せている人に、大量のバラの花をプレゼントして自分の思いを伝えると言う習慣があります。こうした背景があるため、これらの特別な日には大量の花が購入されます。
花に関する社会現象
ただ購入されるだけなら良いのですが、悲しいことにプレゼントしたはずの花が、公共のゴミ箱などに大量に捨てられるという現象が各地で発生しています。なんとも残念で、そして切ない話です。
プレゼントとしてもらった花を家に持ち帰らずに直接捨てている人が多くいるため、もったいないという批判意見も多く出ています。
そうした現象を予期して、こうした特別な日の夜にあえて出かけていき、捨てられている花を探して拾って持ち帰る人もいます。実質タダで花束を手に入れているわけです。
毎年、ゴミ箱や道路などに大量に捨てられた花が動画でアップロードされたりして、人々の注目を集めています。
中国の花束の数
日本と同じように、中国でも人に花束をプレゼントしますが、日本の花束と中国の花束では異なる部分があります。
中国の花束は、日本に比べて花の数が多い傾向にあります。これは花に限った話ではありませんが、中国の考え方として、物をあげる時は多ければ多い方が良いというものがあります。
それに対して、日本ではあまり花の数に注目することはなく、どちらかというと量より質を重視します。
中国人がこだわる花束の数
中国人がこだわる花の数について紹介します。
【花の数が11本】
11という数字は、相手に対して一途な気持ちを表すといわれています。中国語の「一心一意 yī xīn yī yì」という言葉に一人の人だけを想い続けるという意味があり、四字熟語の中に1が二つあることから、11=「一心一意」になるということです。
【花の数が19本】
19という数字は、一生にわたって相手に寄り添う、相手をずっと好きであり続けるという気持ちを表しているそうです。
1という数字に付されている意味は、上に挙げた通りですが、9と言う数字の発音が長い時間の経過を表す言葉である「久 jiǔ」の発音と同じことから、このような意味が付されるようになったそうです。
【花の数が99本】
9の数字に付されている意味が、長い時間を表すということについては先ほど取り上げましたが、9が二つ続くことにより、長い時間寄り添うという気持ちを強化するものなっています。
【花の数が100本】
100 本の花は100年を表しています。相手に対する愛情が100年にわたって続いていくものであることを表すそうです。
中国で他の人に花をプレゼントする際には、こうした数字に付された意味合いがとても重視されています。
まとめ
今回は中国語の花の名前と、中国文化における花の使用について紹介しました。こうして考えてみると、花を通しても中国語と中国文化についてとてもよく理解することができますね。
いろんな角度から中国語の学習をしていくと、中国語に対する理解の深みが増しますし、なによりも楽しく学ぶことができます。ぜひ、様々な角度から中国語を学ぶようにしていきましょう。